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文書の保管期間一覧
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規. タグ:薬剤一覧ポケットブック. この記事は約3分43秒で読めます.
22,223 ビュー. カテゴリ:文書 | 保管期間 | 根拠法 |
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調剤済み処方箋(麻薬含む) | 3年 | 薬剤師法(第27条)、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(第6条) |
調剤済み処方箋(生活保護/法別番号12) | 5年 | 生活保護法に基づく指定医療機関医療担当規程(第9条) |
調剤済み処方箋(自立支援精神通院医療/法別番号21) | 5年 | 指定自立支援医療機関(精神通院医療)療養担当規程(第6条) |
調剤済み処方箋(自立支援育成・更生医療/法別番号15・16) | 5年 | 指定自立支援医療機関(育成医療・更正医療)療養担当規程(第8条) |
調剤済み処方箋(難病/法別番号54) | 5年 | 難病の患者に対する医療等に関する法律に基づく指定医療機関療養担当規程(第6条) |
調剤済み処方箋(結核/法別番号10) | 5年 | 感染症指定医療機関医療担当規程(第11条) |
調剤済み処方箋(小児慢性特定疾病/法別番号52) | 5年 | 指定小児慢性特定疾病医療機関療養担当規程(第8条) |
調剤録 | 最終記入日から3年 | 薬剤師法(第28条)、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則(第6条) |
薬歴 | 最終記入日から3年 | 調剤報酬点数表に関する事項(区分 10 薬剤服用歴管理指導料 ) |
麻薬の譲渡証、譲受証 | 2年 | 麻薬及び向精神薬取締法(第32条) |
麻薬帳簿 | 2年 | 麻薬及び向精神薬取締法(第38条) |
麻薬小売業者間譲渡許可書 | 3年(?都道府県によって5年) | 麻薬及び向精神薬取締法施行規則の一部を改正する省令 |
覚せい剤(原料)の譲渡証、譲受証 | 2年 | 覚せい剤取締法(第18条) |
毒薬、劇薬の譲受書 | 2年 | 医薬品医療機器等法(第46条) |
向精神薬の廃棄記録 | 2年 | 麻薬及び向精神薬取締法(第50条の23) |
向精神薬の購入伝票 | 2年(向精神薬が記載されていない伝票とは別に綴る) | 麻薬及び向精神薬取締法(第50条の23) |
処方箋医薬品の販売・授与記録 | 最終記入日から2年 | 医薬品医療機器等法(第49条) |
薬局の管理に関する帳簿 | 最終記入日から3年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第13条) |
医薬品の譲渡、譲受帳簿(伝票) | 3年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第14条) |
医薬品の譲渡、譲受帳簿(薬局開設者等への販売) | 3年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第14条) |
毒物の譲渡書、譲受書 | 5年 | 毒物・劇物取締法(第15条) |
生保調剤券の保存 | 5年 | 生活保護法に基づく指定医療機関医療担当規程(第9条) |
医薬品の譲受及び譲渡に関する記録 (薬局医薬品、要指導医薬品、第1類医薬品の販売) | 2年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第14条) |
医薬品の譲受及び譲渡に関する記録 (第2類医薬品、第3類医薬品の販売) | 努力義務 | 医薬品医療機器等法施行規則(第14条) |
高度管理医療機器販売業の営業所の管理に関する帳簿 | 6年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第164条) |
高度管理医療機器販売業の譲受及び譲渡手続きに関する記録 | 3年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第173条) |
高度管理医療機器販売業の譲受及び譲渡手続きに関する記録(特定保守管理医療機器) | 15年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第173条) |
管理医療機器等の譲受け及び譲渡に関する記録 | 努力義務 | 医薬品医療機器等法施行規則(第173条) |
特定生物由来製品使用記録 | 20年 | 医薬品医療機器等法施行規則(第240条) |
エパデールT セルフチェックシート | 2年 | 厚生労働省通知「一般用医薬品のイコサペント酸エチル製剤の適正販売について」 |
薬局で保管すべき文書
保健所による薬事監視などで、唐突に「この文書の保管期間は?」などと聞かれ、うろたえる私です。
管理薬剤師たるもの、覚えておかなければいけない。
処方箋の保管期間について、通常(薬剤師法第27条、薬担規則第6条)は3年ですが、他法規「障害者総合支援法による自立支援医療(精神通院医療)の療養担当規程」「生活保護法」「児童福祉法」「難病の患者に対する医療等に関する法律」「結核予防法」などで5年と定められているので、注意する。
ちなみに医療用のカルテは、5年の保管期間と定められています(医師法24条)。
医薬品の伝票の保管期間は、薬機法では3年と定められていますが、法人税法では7年とされている。また、向精神薬の伝票は2年となっているが、一体どれに従えばよいのか?
法令の優先順位
法令とは法律(国会が制定する法規範)と命令(行政機関が制定する法規範)を合わせた言葉です。
以下のような優先順位があります。
憲法>法律>政令>省令
憲法が最も上位の法令となる。
特別法>一般法
一般法とは広い範囲で適用される法令であり特別法はそのうちのある特定の範囲にのみに適用される法令のこと。
後法>前法
新しく制定された法令が優先されるという原則です。
このうち、特別法>一般法の優先順位に照らし合わせ、商法>税法>薬事法>向精神薬取締法という感じになり、伝票の保管期間は7年ということになる。
薬局以外に保管してもいい文書
例えば、紙媒体の文書で、薬局が狭いので置くスペースが無いから自宅に置いていいのか?という問題。
「電子媒体により外部保存を行う場合」と「紙媒体のままで外部保存を行う場合」がある。
うちの薬局の電子薬歴も、本部のサーバーにバックアップされているので、外部保存になるのだろう。
自宅に置くのは個人情報の観点からNG。
文書の保存期間
普段は気にしない文書類の保存期間ですが、まとめて廃棄する時など間違えて捨ててしまわないように。
3年というものが多いので、それ以外の年数を覚えておくといいかな。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)
・薬局管理に関する帳簿 3年(薬事法施行規則第13条)
・毒薬・劇薬の販売文書(常時取引関係は除く) 2年(薬事法第46条)
・処方せん医薬品の販売記録(薬局開設者・一般販売業) 2年(薬事法第49条)
・高度管理医療機器譲受・譲渡記録 3年
・特定保守管理医療機器の譲受および譲渡に関する記録 15年
薬剤師法
・調剤済処方せん(薬局開設者) 3年(薬剤師法第27条)
・調剤録(薬局開設者) 3年(薬剤師法第28条)
麻薬・向精神薬取締法
・麻薬管理帳簿 2年(麻薬・向精神薬取締法第38条・39条)
・麻薬譲渡証・麻薬譲受証 2年(麻薬・向精神薬取締法第32条)
・向精神薬記録(1種・2種)の譲受・譲渡など 2年(麻薬・向精神薬取締法第50条の23)
・麻薬処方せん…院外処方せん(薬局開設者) 3年(麻薬・向精神薬取締法第27条)
・麻薬処方せん…院内処方せん(麻薬管理者) 3年(麻薬・向精神薬取締法第27条)
覚せい剤取締法
・覚せい剤譲渡証・譲受証 2年(覚せい剤取締法第18条)
・覚せい剤管理帳簿 2年(覚せい剤取締法第28条)
・覚せい剤原料譲渡証および譲受証 2年(覚せい剤取締法第30条の10)
・覚せい剤原料帳簿 2年(覚せい剤取締法第30条の17)
毒物劇物取締法
・毒物・劇物の販売文書(営業者以外の捺印文書) 5年(毒物劇物取締法第14条)
・毒物・劇物の販売帳簿(営業者間の販売する側) 5年(毒物劇物取締法第14条)
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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