2020年8月2日更新.2,415記事.5,549,602文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ベタニスと抗コリン薬を併用してもいい?


β3刺激薬と抗コリン薬の違い

ベタニスは、既存の抗コリン薬とは異なる作用機序を有する新規OAB治療薬です。

抗コリン薬は膀胱のムスカリン(M)受容体に結合して膀胱の異常な収縮を抑制しますが、ベタニスは膀胱のβ3アドレナリン受容体に結合し、弛緩作用を増強し、膀胱容量を増大させてOAB症状を改善します。

作用機序が異なるため、ベタニスでは抗コリン薬に特徴的な口内乾燥、便秘、排尿困難等の副作用が起こりにくいのが特徴です。

ベタニスインタビューフォームより

ベタニスと抗コリン薬の併用

2018年9月に過活動膀胱治療薬のベタニス錠(ミラベグロン)の添付文書が改訂され、重要な基本的注意に記載の「抗コリン剤との併用」に対する注意内容が緩和されました。

これまでは、「併用は避けることが望ましい」とされていましたが、「過活動膀胱の適応を有する抗コリン剤と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること」に改訂されました。

ベタニスと同様の作用機序をもつβ3刺激薬のベオーバ(ビベグロン)の添付文書には、抗コリン薬との併用に関する記載はない。

β3受容体刺激薬

蓄尿期の膀胱弛緩作用を増強して膀胱容量を増大させる。

膀胱平滑筋のβ3受容体を刺激することで膀胱を弛緩し、膀胱に蓄えられる尿量を増やします。
また排尿期の膀胱収縮力に影響を及ぼしにくいため残尿量には影響しないと言われています。
抗コリン薬と作用機序が違うため副作用が軽減されています。

膀胱の機能調節には、副交感神経(骨髄神経)、交感神経(下腹神経)、体性神経(陰部神経)が関与し、いずれの神経も求心路を含んでいる。
畜尿期には、交感神経終末からノルアドレナリンが放出され、膀胱平滑筋(排尿筋)のβ受容体サブタイプ(β1、β2、β3)のβ3い受容体を介して尿道が収縮する。
排尿期にはノルアドレナリンの放出が抑制され、尿道が弛緩するとともに、副交感神経の末端からアセチルコリンが放出され、ムスカリンM3、M2受容体を介して膀胱平滑筋(排尿筋)が収縮する。

しかし、過活動膀胱では畜尿期においてもアセチルコリンが放出され、膀胱のムスカリン受容体に結合し、膀胱平滑筋(排尿筋)の異常な収縮が起きる。
そのため、過活動膀胱では十分な量の尿をためられるだけの膀胱平滑筋(排尿筋)の弛緩が起こらない。

ベタニス(ミラベグロン)はヒト膀胱平滑筋のβ3受容体に対し極めて選択的に作用する選択的β3アドレナリン受容体作動薬である。
ちなみに、ヒト膀胱平滑筋の弛緩を主に受け持つサブタイプはβ3受容体であり、β受容体を遺伝子発現量(mRNA発現量)で比較すると、β1とβ2はそれぞれ1.5%および1.4%にすぎず、β3受容体が全体の97%を占めている。
ベタニスが膀胱のβ3受容体に結合すると、β3受容体の活性化を介して膀胱(排尿筋)の平滑筋細胞内でアデニル酸シクラーゼが活性化し、cAMPの産生が促進される。
これにより、細胞質内のカルシウム(Ca2+)濃度が低下し、畜尿期のノルアドレナリンによる膀胱平滑筋(排尿筋)の弛緩作用を増強し、膀胱容量を増大させる。これにより、膀胱は正常な畜尿期の状態に近づき、過活動膀胱の症状が改善される。

また、従来使われてきた抗コリン薬は膀胱のムスカリンM3、M2受容体に結合し、アセチルコリンがムスカリン受容体に結合するのを阻害する。
これにより、アセチルコリンによって引き起こされる膀胱平滑筋の異常な収縮が抑制され、症状が改善する。

なお、β3受容体は、当初脂肪細胞に存在することが報告され、その刺激によってミトコンドリアの酸化的リン酸化を脱共役させ、エネルギーを熱として散逸させることから、β3受容体刺激薬は抗肥満薬として期待が持たれているが、現在のところその開発は成功していない。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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