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貧血にメチコバール?
公開. 更新. 投稿者:血液/貧血/白血病.この記事は約2分19秒で読めます.
6,052 ビュー. カテゴリ:悪性貧血にメチコバール
ビタミンB12が欠乏することによって引き起こされる悪性貧血という貧血がある。
悪性貧血とは、胃粘膜の萎縮による内因子の低下によりビタミンB12が欠乏することで生じる貧血。巨赤芽球性貧血の一種。悪性貧血 – Wikipedia
「悪性」とか聞くと、貧血の難治性バージョンみたいに思いがちですが、ビタミンB12が発見されるまでは治療法がなく致死的な経過をたどったためにこう呼ばれているだけで、今ではビタミンB12による治療があるのでそれほど怖い病気ではない。
胃を全摘した患者も、内因子が欠乏するので、悪性貧血状態になる。
メチコバール錠の添付文書の効能効果をみると、適応は「末梢性神経障害」しかない。
なので、悪性貧血にメチコバール錠を投与する際は適応外処方となる。
一方、メチコバール注射液の効能効果は、「末梢性神経障害」以外にも、「ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血」とある。
つまり、内因子の低下によってビタミンB12の吸収が妨げられているわけだから、経口的にビタミンB12を摂取してもビタミンB12の吸収は低下したままじゃないか、というわけで、錠剤に貧血の適応はない。
しかし、大量投与すれば、経口でも吸収される。
ビタミンB12の非経口投与を行う。内因子が存在しなくても微量ながらビタミンB12は腸管から吸収されるため、大量経口投与を行う場合もある。悪性貧血 – Wikipedia
どのくらい大量投与すればいいのかと言うと、
さてご指摘のように、胃切除後のB12欠乏には、その病態から見てB12の非経口投与(筋注)が原則とされてきました。しかし筋注には疼痛や通院などの患者負担が伴う上に、出血傾向のある例などでは、軽視できない合併症につながる可能性もあり得ます。また経口投与に比べれば、医療スタッフの負担も大きくなります。B12は内因子との結合がなくても、単体で受動的にある程度吸収されることが知られています。総吸収量の1~2%がこの受動的吸収によるもので、この吸収は内因子欠乏状態でも保たれています。そこで経口投与でB12を補充するという試みが行われており、現在までに経口投与の効果を示唆する複数の臨床成績が出されています。一般的に投与量は1,000~2,000㎍/日が推奨されています。胃全摘後のいわゆる悪性貧血の治療について パリエット www.pariet.jp
1,000~2,000㎍/日ということで、メチコバールの通常1日量1500μgで問題無さそうです。
巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12や葉酸の欠乏により起こる貧血の総称で、顕微鏡で骨髄を観察すると、大きく未熟な赤血球(巨赤芽球)が観察される。
貧血のほか、発赤を伴う舌炎や手足のしびれなどの神経症状を伴うこともある。
胃切除後に巨赤芽球性貧血を来すのはなぜか。
赤血球や神経細胞の合成にはVB12が関与しているが、その吸収には胃壁細胞から分泌される「内因子」と呼ばれる糖蛋白を必要とする。
だが、胃切除後の患者では胃壁細胞が減少しているため、VB12の吸収不良を来し、巨赤芽球性貧血を引き起こしやすくなる。
特に胃全摘患者では、内因子が完全に欠乏しており、長期的には貧血は必発とされている。
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