更新日:2016年9月13日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

アンカロンで甲状腺機能低下症?


スポンサードリンク

アンカロンと甲状腺機能低下症

抗不整脈薬であるアンカロンの使用上の注意に「甲状腺機能障害又はその既往歴のある患者[甲状腺機能障害を増悪させるおそれがある]」との記載がある。

この理由としては、アンカロン(アミオダロン)はヨウ素を大量に含有するためです。構造式をみるとわかります。

ヨウ素は元来、甲状腺ホルモン合成を用量依存的に増加させる。
しかし、大量投与によって甲状腺ホルモンの合成が抑制され、甲状腺の機能が低下することがある(ウォルフ・チャイコフ効果)。
従って、アミオダロンは甲状腺機能の亢進と低下のいずれも来し得る。

アンカロンによって甲状腺機能亢進症が起こった場合には、それに伴い不整脈が起こることもある。
抗不整脈薬によって不整脈が引き起こされるという皮肉。

甲状腺機能低下症を起こす薬

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量や活性が不十分となる疾患であり、自己免疫により甲状腺が障害される橋本病がよく知られている。
橋本病は、甲状腺組織がリンパ球の浸潤を受け、線維化して甲状腺濾胞細胞が破壊されるために生じる疾患で、患者は圧倒的に女性が多い。
甲状腺機能低下症の症状は徐々に表れる。
全身症状としては、易疲労感、脱力感、食欲低下、便秘などに加え、体重増加、顔面や下肢のむくみ、脱毛なども見られる。

甲状腺機能低下症を来す可能性のある薬剤は、大きく3種類に分けられる。
①甲状腺ホルモン合成・分泌を抑制するものとして、ヨード造影剤、炭酸リチウム、ステロイド、アミオダロン塩酸塩、ポピドンヨードなど、
②甲状腺ホルモン代謝を亢進するものとして、リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなど、
③サイロキシン(T4)からトリヨードサイロニン(T3)への変換を抑制するものとして、アミオダロン、ステロイド、β遮断薬、プロピルチオウラシルなど、である。

β遮断薬と甲状腺機能低下症

β遮断薬はT4からT3への変換を阻害するほか、末梢でのβ受容体を遮断することで、過剰な甲状腺ホルモンにより生じる頻脈などの諸症状を抑制する。
この作用により、甲状腺機能亢進症の患者には、β遮断薬がしばしば処方される。

参考書籍:日経DI2015.12

スポンサードリンク

コメントを書く

カテゴリ

プロフィール

IMG_0670
名前:yakuzaic
職業:管理薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
勤務地:さくらんぼ県
好きな言葉:「三流の自覚持って社会人失格の自覚持ってプロの仕事しましょう」
follow us in feedly

人気の記事

    まだデータがありません。

最新の記事

ランダム記事

資料

検索

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

スポンサードリンク