更新日:2016年11月8日.全記事数:3,169件.

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眠くならない抗アレルギー薬は?


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抗ヒスタミン薬の眠気

花粉症に使うアレルギーの薬、メインは抗ヒスタミン薬というタイプの薬で、ヒスタミン受容体に作用することで、ヒスタミンがヒスタミン受容体に結合して起こる「知覚神経を介した反応」「血管拡張」「血管透過性亢進」等によって生じる「かゆみ」「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」などのアレルギー反応を起こさなくします。

ヒスタミンは脳内にも存在しており、脳内では「覚醒状態の維持」「集中力の維持」「摂食行動の抑制」「ストレスの調整」などに寄与しています。

脳内のヒスタミンは活動期(日中)に大量生産され、集中力・判断力・作業能率の向上に働きますが、非活動期(睡眠時など)には生産が少なくなり、ヒスタミンの作用が抑えられて眠気・集中力低下などのパフォーマンスの低下が引き起こされます。

抗ヒスタミン薬が脳内に移行すると、ヒスタミンがヒスタミン受容体に結合するのを阻害してしまうため、活動期におけるヒスタミンの働きが抑制されて「眠気」「集中力低下」「作業能率低下」などの鎮静作用をきたしてしまいます。

眠気の少ない抗ヒスタミン薬

つまり、脳内に移行しにくい抗ヒスタミン薬であれば、眠気は起きにくい。

脳細胞と脳の血管の間には、脳血液関門というバリアがあって、血液から脳内へは薬が入りにくくなっています。しかし、抗ヒスタミン薬は、このバリアをくぐり抜ける性質をもっているので、脳内に入りやすく、眠気が生じやすくなっています。

アレグラは、脳血液関門を通過しにくい構造を持っています。その秘密は、アレグラの構造式の中にある-COOH(カルボキシル基)という構造にあります。脳血液関門は水に溶けやすい化合物を通しにくいという性質を持っています。一方、カルボキシル基は、化合物に水に溶けやすくする性質を与えることができます。このため、アレグラは脳血液関門をとおりにくく、脳内に入ることができないのです。

眠くなった方がいい?

近頃は、眠気の少ない抗アレルギー薬が多く出回っているが、一部の患者からは「眠気のおかげでかゆみを忘れることができる」という意見もある。

眠くならない理由

ヒスタミン受容体には、H1~H4までの4種類のサブタイプが知られており、主としてH1がアレルギー反応に、H2は胃酸分泌促進作用および心機能調節作用に関与していることが有名です。

また、H3は中枢神経に発現しシグナル伝達を行っており、H4はマスト細胞や好酸球に存在し、免疫細胞の遊走に関与していることが知られています。

抗H1薬はH1受容体に結合してシグナル伝達を遮断し、ヒスタミンによる平滑筋収縮、毛細血管亢進による浮腫、知覚神経末端刺激によるかゆみなどの発現を抑えます。

第一世代抗H1薬で問題となった副作用は、薬物が脳へ移行し、中枢神経系のH1受容体を遮断することによって引き起こされると考えられる鎮静作用でした。

つまり、薬物分子が脳へ移行しなければ鎮静作用は発現しないことから、脳へ移行しにくくするドラッグデザインが施されました。

まず、脳へ移行する際に通過することが必要な「血液-脳関門(BBB)」は、分子量が大きく脂溶性が低いものを通過させにくいため、第二世代では、分子量を大きくし脂溶性を低下させて、脳への移行性を低下させました。

更に、脳には種々の薬物分子のような生体異物を脳外へ排出する機能をもつP糖タンパク質が多く発現しており、このP糖タンパク質に認識されやすい分子構造を採用することによって脳移行性を低下させている薬物分子もあります。

カルボキシル基をもつ薬剤は、極性の高い双性イオンとなるため脳へ移行しにくく、特にフェキソフェナジンは非鎮静性抗ヒスタミン薬と呼ばれています。

また、第二世代抗H1薬は、第一世代薬の欠点である抗コリン作用や中枢抑制作用を弱くした低鎮静性の薬剤ですが、同時にアレルギーに関与するケミカルメディエーターの遊離抑制作用も有しており、抗アレルギー薬に分類されています。

抗H1薬による鎮静作用は、薬物の脳内の濃度とH1受容体に対する親和性の高さによって決まります。

薬物の脳内への移行性を評価するためには、単に薬剤間での脳内濃度を比較するのではなく、脳内濃度/血中濃度の比を比較することが有効です。
そのうえで各薬剤のH1受容体への親和性も考慮すべきです。

しかし最終的には、臨床の場で充分な薬効を示す投与量での鎮静作用を比較することが、最も直接的な評価と言えるでしょう。

メディエーター遊離抑制薬は効かない?

眠くならない鼻炎薬といえば、アレギサールみたいなメディエーター遊離抑制薬。
しかし効果発現まで時間がかかる。

市販薬にアレギサール鼻炎という商品がありますが、アレグラやアレジオンに押されてほとんど売れない。
そもそもこれが効くという人は少ない。

(1)花粉によるアレルギー症状に対して服用する場合は、花粉飛散開始の1~2週間前を目安に服用を開始することが望ましい。
(2)本剤は効果があらわれるまでに1~2週間必要とすることがあります。

市販薬を花粉症発症前から服用続けるような人は希少。
ある程度症状が出てから服用開始したとして、1日2錠を2週間使って効果が出初めたころには、30錠包装を使い切ってしまうころ。
この薬効かない、と思って使用終了する。

メディエーター遊離抑制薬

マスト細胞(肥満細胞)からIgE依存性の機序によりヒスタミン、システイニルロイコトリエン(CysLTs;LTC4、LTD4、LTE4)、血小板活性化因子(PAF)、プロスタグランジンD2(PGD2)などの種々のメディエーターが遊離されるのを抑制する作用をもつ。

●ロメット
ケミカルメディエーター遊離抑制し、抗アレルギー作用発現。
酸性抗アレルギー薬。
眠気が少ない。

●アレギサール/ペミラストン
Ⅰ型アレルギー反応を強力に抑制。

●ケタス
ピラゾロピリジン誘導体。
気管支喘息改善作用。
脳血流増加に伴う脳循環改善作用。

●ソルファ
ヒスタミン遊離抑制、ロイコトリエン生成抑制・拮抗作用を有し、抗ヒスタミン作用はない。

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