記事
オノンは風邪に効く?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約3分5秒で読めます.
2,647 ビュー. カテゴリ:ロイコトリエン拮抗薬とRSウイルス
オノンは風邪にも効く?
オノンはロイコトリエン拮抗薬。
炎症を引き起こすロイコトリエンの働きを阻害することによって効果を示します。
そのため、気管支炎や鼻炎などに効きます。
オノンやキプレスなどのロイコトリエン拮抗薬は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が適応となっています。
効果発現までに時間がかかるので、長期に服用するのが一般的ですが、1週間分という処方も多く目にします。
ただの風邪のあとに咳が長引くような症状に使うことも多いです。
風邪の原因の大半はウイルスですが、中でも冬季に多く、乳幼児が感染すると重症化しやすいものにRSウイルスが挙げられます。
乳幼児期にRSウイルス感染で細気管支炎を起こし入院が必要になった人では、その後の気管支喘息の発症率が有意に高いことが報告されています。
風邪が治った後も咳が続くような喘息予備軍ともいえる乳幼児には、ロイコトリエン拮抗剤の短期処方により重症化が防げ、次に風邪にかかったときにまた咳が残るようなケースが減らせるといいます。
ちなみにエビデンスはありません。
鼻炎の原因はロイコトリエン?
花粉症の三大症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。
そのうち、くしゃみ、鼻水には抗ヒスタミン薬が、鼻づまりにはロイコトリエン拮抗薬が効くと言われる。
しかし、抗ヒスタミン薬が鼻炎に全く効かないかというとそうではなく、また、ロイコトリエン拮抗薬が、くしゃみ鼻水に全く効かないかというと、そうでもない。
鼻炎や鼻水といった症状も、それぞれ単独で起きているわけではなく、相関している。
片方を抑えれば、他の症状も治まるという、副次的な効果も期待できる。
ロイコトリエンはSRS-A?
気管支喘息やアレルギー性鼻炎の炎症を引き起こす主犯格としてロイコトリエンが悪者扱いされていますが、炎症反応は体を守るための大事な反応でもあります。
炎症を起こすことによって白血球を炎症部位に集め、免疫反応を強化することができます。
ロイコトリエンのことを以前はSRS-A(アナフィラキシー遅延反応性物質)とも呼んでいました。
気管支の収縮や粘膜の過敏性を高める作用を持つ。
ロイコトリエンは、炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコサトリエン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸)から生成される生理活性物質エイコサノイドの一種である。ロイコトリエンの前駆体である不飽和脂肪酸の大半は食物から摂取され、ヒトにおいてはアラキドン酸の含量が最も多い。
体内でアラキドン酸は細胞膜のリン脂質として存在しているが、細胞に刺激が加わるとホスホリパーゼA2によって遊離され、5-リポキシゲナーゼの作用により5-ヒドロペルオキシ酸に変換され、さらにLTA4へと変換される。
LTA4の一部は加水分解されてLTB4に、一部はグルタチオンの付加を受けてLTD4に、これからさらにグリシンがとれるとLTE4になる。LTC4、LTD4、LTE4はシステイニルロイコトリエン(CysLT)と呼ばれ、以前からアトピー型喘息や即時型アレルギーのメディエーターとして考えられていたアナフィラキシーの遅反応物質(slow reacting substance of anaphylaxis:SRS-A)の本体であることが明らかとなっている。
LTは肥満細胞、白血球などで産生され、炎症反応の発現に重要な役割を持っている。LTC4、LTD4はブラジキニンに匹敵する強さの血管透過性亢進作用を有する。また気道の平滑筋に作用し、強力な気管支収縮作用を示す。この作用はヒスタミンの1000倍ほど強い。また、LTC4、LTD4は気管粘膜分泌を刺激し、気道への好酸球および好塩基球の浸潤を引き起こす。そのほか気道平滑筋増殖促進、線維芽細胞へのコラーゲン産生刺激などの作用も有する。
これらの作用は受容体を介して発現し、LTに対する受容体はリガンド結合特性によりBLT(LTB4受容体)、CysLT1(LTD4受容体)、CysLT2(LT C4/D4受容体)に大別される。BLTにはさらにBLT1、BLT2の2つのサブタイプが存在する。これらはすべてG蛋白質共役型の7回膜貫通型受容体である。CysLT1は気管支平滑筋に最も多く発現しており、そのほか肺平滑筋、脾臓、末梢白血球などにも発現がみられる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。