記事
メディエーター遊離抑制薬は効かない?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約3分59秒で読めます.
3,529 ビュー. カテゴリ:花粉症の薬ってシーズン前から飲んだほうがいいって言うけど、なんで?
メディエーター遊離抑制薬は効かない?
眠くならない鼻炎薬といえば、アレギサールみたいなメディエーター遊離抑制薬。
しかし効果発現まで時間がかかる。
市販薬にアレギサール鼻炎という商品がありますが、アレグラやアレジオンに押されてほとんど売れない。
そもそもこれが効くという人は少ない。
(1)花粉によるアレルギー症状に対して服用する場合は、花粉飛散開始の1~2週間前を目安に服用を開始することが望ましい。
(2)本剤は効果があらわれるまでに1~2週間必要とすることがあります。
市販薬を花粉症発症前から服用続けるような人は希少。
ある程度症状が出てから服用開始したとして、1日2錠を2週間使って効果が出初めたころには、30錠包装を使い切ってしまうころ。
この薬効かない、と思って使用終了する。
メディエーター遊離抑制薬
マスト細胞(肥満細胞)からIgE依存性の機序によりヒスタミン、システイニルロイコトリエン(CysLTs;LTC4、LTD4、LTE4)、血小板活性化因子(PAF)、プロスタグランジンD2(PGD2)などの種々のメディエーターが遊離されるのを抑制する作用をもつ。
●ロメット
ケミカルメディエーター遊離抑制し、抗アレルギー作用発現。
酸性抗アレルギー薬。
眠気が少ない。
●アレギサール/ペミラストン
Ⅰ型アレルギー反応を強力に抑制。
●ケタス
ピラゾロピリジン誘導体。
気管支喘息改善作用。
脳血流増加に伴う脳循環改善作用。
●ソルファ
ヒスタミン遊離抑制、ロイコトリエン生成抑制・拮抗作用を有し、抗ヒスタミン作用はない。
花粉症の薬はシーズン前から飲まなきゃダメ?
花粉症の薬はシーズン前から飲み始めるといいといわれます。
その理由は、アレルギーの薬の働き方にあります。
アレルギーの薬の働き方には2つあって、まず1つは、アレルギー反応を引き起こすヒスタミンが受容体にくっついて働くのをブロックする作用。
もう1つはヒスタミンなどのアレルギーを引き起こす物質が肥満細胞という細胞から放出されないように働く作用です。
この2つの作用によって抗アレルギー作用を発揮しますが、2つ目の作用はすでに放出されてしまったヒスタミンには意味がないので、抗アレルギー薬の作用が十分発揮されるためには時間がかかるのです。
しかし、アレルギーの薬も安くないので、服用期間は最短に抑えたいというのが患者さんの本音でしょう。
症状が出る前から薬はもらうけど、症状が出てから服用する人が多いのでは。
花粉が飛ぶ前から飲まないと意味がない?
花粉症の薬は、花粉が飛ぶ前から飲むように言われます。
花粉が飛ぶ前から薬を飲み続けることで、花粉が飛んでいる時期の発症を抑えたり症状を軽くしたりすることができます。
しかし、症状が出始めてから服用しても効き目がないということではありません。
花粉症治療に用いる多くの薬剤は即効性に欠けるものが多いため、花粉飛散前から初期療法を行うことが望ましい。
しかしながら、発症後であっても効果を示さないということはないため、適切な薬物治療を行うことが求められる。
その際に注意すべきは、発症時の症状ではなく、花粉飛散ピーク時の重症度を念頭に置いて治療薬を選択することである。
症状が安定し、花粉飛散量がピークを過ぎた時点で、治療内容をステップダウンしていく。
アレルギー性鼻炎治療薬の臨床効果発現時間
10~20分 第一世代抗ヒスタミン薬
1~2日 局所ステロイド薬、経口第二世代抗ヒスタミン薬
2~3日 全身ステロイド薬
約1週間 点鼻抗アレルギー薬
約1~2週間 経口ケミカルメディエーター遊離抑制薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬
メディエーター遊離抑制薬の作用機序
マスト細胞(肥満細胞)からIgE依存性の機序によりヒスタミン、システイニルロイコトリエン(CysLTs;LTC4、LTD4、LTE4)、血小板活性化因子(PAF)、プロスタグランジンD2(PGD2)など種々のメディエーターが遊離されるのを抑制する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。