2018年12月11日更新.3,340記事.5,763,436文字.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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睡眠薬を飲むとボケる?

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睡眠薬を飲むとボケる

睡眠薬を飲むと「ボケる」「認知症になる」という不安を抱く人がいます。

なぜこのような間違ったうわさが出てきたのかわかりませんが。
統合失調症の患者さんによい治療薬がなかった頃、陰性症状を改善することができず、荒廃するのを観ているだけという悲しい時代がありました。その頃は鎮静のために睡眠薬を使うことも多かったから、陰性症状が睡眠薬で起こったと思われていたのかもしれない、という話もあります。
他に、「持ち越し」を生じさせると、昼間も眠気やだるさがひどく、快活さが感じられずにいる様子をぼけたと感じたのかもしれません。
バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系のいずれの睡眠薬であっても、決して脳に変性を起こさせたり、認知症を招くことはありません。

睡眠薬服用後から寝付くまでのことを忘れてしまう前向性健忘や奇異反応の副作用による影響もあるでしょう。
これらの副作用は睡眠薬とアルコールの同時摂取や、睡眠薬を摂取したあとに就寝せず無理に起きていることで発生します。
薬剤が代謝されて体内から排出されれば消失するものです。

アルコールの併用を禁止し、睡眠薬を服用したあとはすぐに就寝するようにすることで回避できます。
正しい服用方法を守ること、場合によっては処方変更などの提案により防止することが可能です。

睡眠薬で記憶が無くなる?

ハルシオンのような短時間で働く睡眠薬には、一過性健忘という副作用があります。

睡眠薬を飲んだときだけなので一過性ですが、夜中に何をしていたか思い出せません。

睡眠薬を飲んだら眠るはずですが、中途半端に効いていると夢遊病のような状態になるようです。

実際に、睡眠中に起きあがって車を運転する、夜中に過食する、電話をかける、インターネットで買い物する、などの報告があり、いずれも本人には全く記憶がないとのこと。

睡眠薬をアルコールと一緒にのまない、睡眠薬をのんだらすぐ寝るなどのことに注意すれば避けることもできます。

ロヒプノールが青くなった理由

ロヒプノール、サイレースは以前白い錠剤でしたが青い着色料が添加されました。
最近は着色料の発がん性、毒性などが取りざたされ、薬は白くなる傾向があったが、時代に逆行して青くなるようだ。

なぜそのような変更がなされたか。

諸外国では、犯罪行為目的で医薬品等を飲食物に混入する事例が報告されており、これらの犯罪行為に使用される恐れの高い医薬品については、法による規制のほか、製剤の着色を行うこと等によって悪用防止のための措置がとられています。
我が国においても、悪用が懸念される医薬品のうち、悪用防止対策が施されていない一部の品目に関しては、順次同様の防止策をとるよう企業に対し要請しているところです。
この度、フルニトラゼパム製剤(販売名:ロヒプノール錠1及び同錠2 (以下「ロヒプノール」という。)及びサイレース錠lmg及び同錠2mg (以下「サイレース」という。)について、錠剤の色を変更する承認事項ー部変更承認を行ったところですが、その使用に当たっては、特に下記の点に留意されるよう、貴管下の医療機関、薬局等に対して周知徹底をお願いいたします。また、向精神薬卸売販売業者に対しても適切に対応するよう指導をお願いいたします。
なお、同一成分の後発医薬品についても、準備が整い次第、同様の製剤が供給される見込みです。
フルニトラゼパム製剤の着色錠の使用に当たっての留意事項について

睡眠薬は犯罪に使われるリスクがある。
青い着色料を入れれば飲物に混ぜたら飲み物が青くなるのでバレるというわけだ。赤や黄色だとジュースによくある色なのでダメなのだろう。

ジェネリックも同様の変更がなされる。

東北薬科大学の女子学生がチョコに混ぜた睡眠薬はハルシオンでした。
犯罪に使われるのはロヒプノールやサイレースだけではないので、他の眠剤にも青い着色料が添加したほうがいい。
でも、チョコに混ぜたら青くてもわかりにくそうですけどね。

前向性健忘

決められた量を正しく飲んでいれば、ぼけたり、ぼけが早くなるということはありません。

効き目の短い薬を飲むと、早い場合には2~3時間後に目が覚めますが、途中で起きた時に話した内容や出来事を全く覚えていなかったり、高齢者では夜トイレに起きたときのことを覚えていないことがあります。

これは、前向性健忘と言われる副作用ですが、睡眠薬を服用すると「ぼける」との誤解を生むのでしょう。

このような時は、目覚めているように見えても、実はまだ薬が効いていて頭は眠ったままの状態なのです。

会話のやり取りはできても、記憶には残っていません。

また、このようなときに気分が不安定になる「奇異反応」がみられることもあります。

こうした睡眠薬の副作用は、使用方法が間違っていると起きることが多いようです。

薬が効き始めているのに眠らなければ、その間のことは覚えていません。

睡眠薬は就寝直前に服用することが大切です。

周りの人にも、こうしたことが起こりうることを説明しておきましょう。

ベンゾジアゼピンと健忘

睡眠薬による健忘はよく知られていますが、特にベンゾジアゼピン系薬剤による健忘が問題となっています。

ベンゾジアゼピン系薬剤による健忘は、麻酔前投薬においては有用ですが、睡眠薬としては有害な効果といえます。

トリアゾラムによる前向性健忘症の報告が有名ですが、ベンゾジアゼピン系薬剤すべてに前向性健忘症が起こるといわれています。

前向性健忘症は、睡眠薬を服用してから後の記憶が想起できなくなることです。

また、ベンゾジアゼピン系薬剤による記憶障害は、短期記憶障害と長期記憶障害があり、臨床上問題となるのは後者であり、このなかに前向性健忘症、情報獲得の障害、エピソード記憶の障害が含まれます。

特にトリアゾラムでは、受容体親和性や脳内取り込み率の高さが記憶障害と関係していると考えられ、記憶障害の程度は用量に比例し、このことが最大の危険因子であると考えられます。

また、睡眠により健忘が強化されることも示唆されています。

ベンゾジアゼピン系薬剤による長期記憶の障害は、特に記憶の獲得を障害されることが示唆されています。

また、健忘はアルコール摂取や老人、若年者において顕在化しやすいことにも注意が必要です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬による健忘を防ぐには、睡眠薬の服用後は入眠を容易にするためにもすみやかに床に就くこと、途中で起きて仕事をしなければならないようなときは服用を避けることが望まれます。

したがって、医師や看護婦などの夜間勤務を行う必要のある職種では、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の使用には十分な注意が必要となります。

仮眠をとるためにベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用し、夜間に起きて業務を行ったことなどを翌朝記憶していないといった症例が多数報告されています。

また、極端な例では、前日の就寝前に睡眠薬を服用し、翌日丸1日の記憶がすべて失われていたという報告もあります。

健忘作用に影響を与える因子

・睡眠薬の力価が高いこと
・睡眠薬の半減期が短いこと
・服用量が多いこと
・受容体への親和性が強いこと
・脳への移行率が高いこと
・アルコールを摂取すること
・高齢者あるいは若年者であること

抗精神病薬を飲むとボケる?

短時間型のものを中心にベンゾジアゼピン系薬剤には健忘や記銘力低下の副作用は存在しますが、抗精神病薬や抗うつ薬にはありません。

それも処方通りの服用の範囲内であれば大きな問題に至ることは少ないと思われます。

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