更新日:2016年12月23日.全記事数:3,117件.

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ラコールとワーファリンを併用しちゃダメ?


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経腸栄養剤に含まれるビタミンKとワルファリンの相互作用

経腸栄養剤に含まれるビタミンKが原因でワルファリンの薬効が低下することがある。
特に、ラコール配合経腸用液はフィトナジオン(ビタミンK1)の含有量が100kcal当たり62.5μgと多く、ワーファリン療法中の患者への投与が難しかった。
実際、ラコールを使用中の患者にワルファリンを投与してもプロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)が上昇しなかった、ワルファリンとラコールを使用していた患者が、ラコールを使用していた患者が、ラコールを中止したところ、PT-INRが1.0台後半から3.52まで上昇した、などの報告がある。

経腸栄養剤は、脳血管障害などで 通常の食事を取ることが困難な場合に、必要な栄養素を補う目的で使われる。
蛋白質、脂賀、糖質の三大栄養素のほか、ビタミン類やミネラル類を含有し、経口あるいは経鼻チューブ、胃瘻などを介して投与される。
従来、経口摂取が困雌な患者に対しては、中心静脈栄養(TPN)などの経静脈栄養法を行うのが一般的だった。
しかし、経静脈栄養下での 長期間の絶食は腸管粘膜バリアーを破綻させ、腸内細菌やその毒素が腸管外に漏出して全身に移行し、敗血症や多臓器不全の原因になることがあるため、消化管機能が正常な場合 は、経腸栄養法を行うケースが増えている。

経腸栄養剤は成分栄養剤、消化態栄養剤、半消化態栄養剤に大別され、患者の消化能力に応じて使い分けられる。
ラコール、エンシュア・Hは半消化態栄養剤だが、前者の熱量が1kcal/mLであるのに対し、後者は1.5kcal/mLと、より少ない水分で熱量を補うことができる。
一方、ワルファリンカリウム(ワーファリン)は、肝臓でビタミンKの作用に拮抗し、ビタミンK依存性血液凝固因子(第Ⅱ、第Ⅶ. 第Ⅸ、第X因子)の生合成を抑制することで、抗血栓作用を発揮する薬剤である。
このため、ビタミンKを多く含む薬剤や食品と併用すると、作用が減弱する恐れがある。
ラコール1日800mL(4袋)には、500μgのビタミンKが含まれているが、エンシュア・H1日500mL(2缶)中のビタミンK は52.6μgと少ない。
従って、エンシュア・Hに切り替えることで、ビタミンKの摂取量は大きく減少し ワルファリンの投与量が同じままだと、抗凝固能が亢進し出血性副作用の危険性が高まる。

また、各種経腸栄養剤はナトリウム、カリウム、カルシウム、銅など生体に不可欠なミネラル類を含んでいる。
ただし、ナトリウムに関しははどの製剤も100kcal当たり80mg程度(食塩として約0.2g)と含有量が低い。
エンシュア・H500mL(750kcal)中にもナトリウムは 600mg(食塩として1.5k)しか含まれていない。
生体には血液中のナトリウム濃度を一定に保つ調節機構 が備わっているため、ナトリウム摂取量の減少が直ちに血中濃度の低下につながることはないが、摂取量の減少が長期に及ぶと、低ナトリウム血症を来し、倦怠感や傾眠,錯乱などの中枢神経症状を起こすことが ある。
実際、エンシュア・Hによる経腸栄養法中に低ナトリウム血症と意識レベルの低下を認めた症例も報告されている。
経腸栄養法を長期に行っている患者では通常、血清 ナトリウム濃度を定期的に観察し、低値であれば食塩が投与される。
なお、現在はビタミンKの含有量が少ないラコールNF配合経腸用液が発売されている。

ラコールとラコールNFの違いは?

一方、2011年7月に発売されたラコールNFは、従来のラコールに比べてビタミンK1含有量を10分の1に減らし、100kcal当たり6.25μgとした製剤である。

ラコールは他の経腸栄養剤と比べて突出してビタミンK量が多かったが、この変更により、他剤と同程度の量となった。

ビタミンK1以外の栄養成分量は、ラコールNFとラコールで変わりはない。

ラコールNFの発売に伴い、ラコールは販売中止となったが、しばらくは市場にラコールとラコールNFが混在するので、両者を取り違えないよう注意が必要である。

ラコールNF

ラコールの旧製品にはビタミンKが多量に含まれていたため、ワーファリンとの併用に気を付けなければならなかった。
今現在流通しているラコールNFは以前のラコールに含有されていたビタミンKの1/10量なので問題がなくなった。
以前のラコールのビタミンK(フィトナジオン)含有量が62.5μg/100MLで、現在のラコールNFの含有量が6.25μg/100ML。

旧製品の場合、1日4袋(800cc)でも500μgのビタミンKを摂取することになり、通常ワーファリン使用時服用禁忌とされるクロレラの1日摂取量(216μg程度)を上回る量である。

経腸栄養剤とビタミンK

あまり経腸栄養剤を取り扱わないので知らなかったのですが、ラコールにはビタミンKが多く含まれているらしい。
62.5μg/100mlぐらい。

ワルファリンの作用に影響を与える1日のビタミンK摂取量は25~115μgであるといわれている。
アウトですね。

エンシュアが7μg/100mlだからかなり違う。
震災によるエンシュア不足の際には、ワーファリン飲んでるからラコールが使えないという事態もあったらしい。
ということで、ラコールのビタミンK低含有製剤が出るらしい。

さて、東日本大震災の影響により、経腸栄養剤の供給不足が生じており、経腸栄養剤を変更せざるを得ない状況が生じております。
弊社「ラコール配合経腸用液」および「ツインライン配合経腸用液」は、他の経腸栄養剤と比較してビタミンK含有量が高いため、急遽ビタミンK含有量を他の経腸栄養剤と同程度にした新規の製剤を発売することになりました。
新規の製剤は「ラコールNF配合経腸用液」および「ツインラインNF配合経腸用液」で、本年7月より販売する予定です。イーエヌ大塚から医薬関係者への注意喚起のお願い

今までのラコールも販売続けるのかな。

また調剤ミスの原因が増えそうだ。

ラコールの特徴

半消化態経腸栄養剤。

日本人の食事摂取パターンを参考に作られた標準的な組成の半消化態栄養剤。

カロリー比は炭水化物62%、蛋白質18%、αリノレン酸(n-3系不飽和脂肪酸)を含み、n-3:n-6=1:3.

脂肪は一部MCT配合。

ビタミンK含有量とワルファリン投与の目安

ワルファリン服用患者にも投与可能:ビタミンK含有量が100μg/日未満
TT値あるいはINR値を確認しながら慎重に使用:ビタミンK含有量が100μg/日以上、250μg/日未満
ワルファリン服用患者には投与を避ける:ビタミンK含有量が250μg/日以上

参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇、日経DI2011.12

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