記事
L-ドパ服用患者は蛋白質を控えた方が良いのか?
公開. 更新. 投稿者:パーキンソン病.この記事は約1分19秒で読めます.
1,870 ビュー. カテゴリ:L-ドパと高蛋白質食
ドパコールやドパストンなどのレボドパ製剤の添付文書には、「高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。」という記載がみられる。
ドパミンの前駆物質であるレボドパ=L—ドーパは小腸上部で中性アミノ酸トランスポーターから能動的に吸収される。L—ドーパは中性アミノ酸の一種である。ところが他の中性アミノ酸も同じところから吸収される。食事の後 L—ドーパ製剤を投与すると、胃・十二指腸で食餌中の蛋白質から出た中性アミノ酸と吸収部位を競合するためL—ドーパの血中濃度が低くなると考えられる。
そのため、蛋白質の摂りすぎに注意という記載もちらほらみられるが、基本的に高齢者は蛋白質が不足気味でサルコペニア・フレイルのリスクも高いので、蛋白質の摂取制限はしないほうがよい。
処方上よくみられる対策としては、レボドパを食前あるいは空腹時に飲ませるという対策である。
吸収時の競合ということであれば、吸収時点をずらせばいいのである。
たんぱく質の1日必要摂取量
日本人の食事摂取基準によると、1日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%が理想とされており、推奨量は、18~64歳の男性は1日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。
ちなみに、
エンシュア・リキッド250mL中たんぱく質 8.8g
エンシュア・H250mL中たんぱく質 13.2g
エネーボ250mL中たんぱく質 13.5g
イノラス配合経腸用液125mL中たんぱく質 8.0g
イノラス配合経腸用液187.5mL中たんぱく質 12.0g
ザバス200mL中たんぱく質 20.0g
である。
ザバスでレボドパを飲むのはやめた方が良い。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。