更新日:2016年12月23日.全記事数:3,136件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ペニシリンアレルギー患者はセフェムもダメ?


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交差感作性

ペニシリン系の抗生物質も、セフェム系の抗生物質も同じような構造(βラクタム環)を持っており、ペニシリンアレルギーの人は、セフェムにもアレルギーを起こす可能性があります。
そのため、ペニシリンでアレルギーを起こしたことのある人には、セフェムも使わないという医師は多いです。
なお、ペニシリンアレルギー患者でセフェム系に対しても過敏反応を示すのは5~15%と言われています。

抗菌薬の作用機序

抗菌薬は病原体に殺菌的あるいは静菌的に作用する薬剤であり、その作用機序から細胞壁合成阻害薬、蛋白合成阻害薬、DNA・RNA合成阻害薬、細胞膜障害薬などに分類される。
抗菌薬は、人体に毒性を示さず細菌に毒性を示す物質、すなわち選択毒性を示す物質である。
そのため、抗菌薬の作用機序は、細菌と動物の細胞の構造や反応の相違を利用しており、大きく分けて5つに分類される。
その機序は、①細胞壁合成阻害、②蛋白合成阻害、③核酸合成阻害、④葉酸合成阻害、⑤その他(細胞膜合成阻害など)であり、人体にない細胞壁の合成阻害、人体のリボソームと異なる蛋白の合成阻害、人体のポリメラーゼと異なる核酸の合成阻害の3つの作用機序はとくに選択毒性が強く、化学療法薬として優れている。

βラクタム系薬

分子内にβラクタム環を有する薬剤の総称であり、これが細菌の細胞壁合成酵素、ペニシリン結合蛋白(PBP)に結合することにより細胞壁の生合成を抑制する。
βラクタム環に隣接する環が5員環であるものをペニシリン(ペナム)系薬、6員環をセフェム系薬という。
さらに、この隣接5員環に二重結合があるものをペネム系薬、ないものはペナム系薬と分類する。
また、この隣接環のSの代わりにOが入るとオキサ、Cが入るとカルバという接頭語をつける。
βラクタム環のみの構造で隣接する環を有しないものをモノバクタム系薬という。
βラクタム系薬は殺菌的に作用するものが多く、現在最も頻用されている抗菌薬である。
抗菌力は時間依存的に達成されることが知られており、最小発育阻止濃度(MIC)を超える時間(time above MIC)を1日24時間の40%時間以上に用法・用量を設定することが治療の目安となる。

セフェム系抗生物質

第一世代セフェム系はわが国においては、MSSAに対する第1選択薬である。

MRSAには無効である。

世代が進むほど、黄色ブドウ球菌への効果は弱くなる。

ペニシリン耐性肺炎球菌に対しては、第一、第二世代セフェム系は無効であり、逆に第三世代セフェム系のセフォタキシムやセフトリアキソンは選択薬の一つとなりうる。

すべてのセフェム系(第四世代を含めて)が、腸球菌には無効である。

経口のセフェム系抗生物質には、世代別に

第一世代:ケフレックス、オラスポア、ケフラール
第二世代:パンスポリンT、オラセフ
第三世代:セフゾン、セフテム、メイアクト、セフスパン、トミロン、バナン、フロモックス
があります。

種類的には第三世代が多いですね。

使用量も第三世代が多いです。

第一世代はグラム陰性菌に対しては弱いけど、グラム陽性菌に強い。

第二世代は大腸菌や肺炎桿菌などのグラム陰性菌に抗菌力をもち、かつグラム陽性菌に対してもある程度抗菌力を保っています。

第三世代はグラム陰性菌に幅広く強い抗菌力をもちますが、グラム陽性菌には弱くなっています。

服用回数としては、1日3回のものが多いです。

L-ケフレックス、L-ケフラール、セフテム、セフスパン、バナンは1日2回。

1日2回の方がコンプライアンス的には良いのでしょうけど、時間依存性の薬なので1日3回服用の方が効果は良さそう。

パンスポリンT、オラセフ、セフテムには散剤が無いので小児には向きませんね。

小児に処方する際には、味の問題が大きいです。

ケフレックス(オレンジ味)
ケフラール(オレンジ味)
セフゾン(イチゴ味)
メイアクト(バナナ味)
セフスパン(オレンジ味)
トミロン(イチゴ味)
バナン(オレンジ味)
フロモックス(イチゴ味)

ピボキシル基のついたセフェムは苦味が強いです。(セフジトレン ピボキシル=メイアクト、セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物=フロモックス、セフテラム ピボキシル=トミロン)
味の面ではセフゾン、セフスパンが良いようです。

ペニシリン系抗菌薬

細菌の細胞壁合成を阻害することにより殺菌的に作用する。

大きくグラム陽性球菌用、ペニシリン耐性ブドウ球菌用、広域ペニシリンに分類される。

広域ペニシリン薬はグラム陽性菌に対する効果を維持しながら大腸菌、インフルエンザ菌などのグラム陰性菌にも有効である。

ただし近年、肺炎球菌、インフルエンザ菌においてペニシリン耐性株の増加が問題となっている。

黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌はペニシリンを分解する酵素(βラクタマーゼ)を産生する株があることから、これらを対象にβラクタマーゼ阻害薬であるクラブラン酸(CVA)やスルバクタム(SBT)を配合した薬剤が開発されている(CVA/AMPC、SBT/ABPCなど)。

PIPC(ペントシリン)などの広域ペニシリン薬はセラチア属細菌などの腸内細菌に加え、緑膿菌などの日和見病原体に対する抗菌活性も強い。

PIPCはβラクタマーゼ阻害薬であるタゾバクタム(TAZ)との4:1製剤として利用されていたが、2008年に新しい配合比率(TAZ1:PIPC8)の剤形に変更された。

本剤は、欧米と同様に投与量1回4.5gを1日3~4回使用できることが特徴である。

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