更新日:2017年5月22日.全記事数:3,190件.

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スインプロイク錠は普通の便秘には効かない?


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スインプロイク錠とオピオイド誘発性便秘症

麻薬の副作用として、吐き気や便秘がある。
悪心・嘔吐は約1/3の割合で生じ、便秘はほぼ必発といわれている。

そんな麻薬の副作用対策として、下剤が処方されますが、このたび、「オピオイド誘発性便秘症」を適応とした薬が承認されました。
スインプロイク錠0.2mg(一般名:ナルデメジントシル酸塩錠)です。

用法は、「通常,成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。」
寝る前とは限定されていない。

薬効分類名は、「経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬」となっている。
オピオイド受容体のサブタイプには、μ(ミュー)受容体、κ(カッパー)受容体、δ(デルタ)受容体などがある。

μ受容体はモルヒネの鎮痛作用に最も関連がある受容体であり、モルヒネ(Morphine)の頭文字をとってμ受容体と呼ばれるようになった。
κ受容体は、鎮痛や鎮咳、幻覚、せん妄などに関与する。透析患者に使われるレミッチは、オピオイドκ受容体の作動薬です。
δ受容体は抗うつ作用、身体・精神依存あるいはμ受容体より作用が弱いが鎮痛にも関与している事が知られている。

μ受容体の拮抗薬ということは、モルヒネの鎮痛作用の減弱を引き起こすことが懸念されるが、インタビューフォームの開発の経緯に、
「非臨床試験で,ナルデメジンは腸管でのオピオイドの消化管運動,消化管神経活動の抑制作用に対して強力な拮抗作用を有することにより便秘改善作用を示し,これらの作用を示す用量では中枢神経系を介するオピオイド鎮痛薬の鎮痛作用に影響する可能性は低いことが示された。」
と記載されており、スインブロイク錠の用量では、鎮痛作用の減弱は引き起こされないとみられている。

オピオイド鎮痛薬というと、モルヒネやオキシコドン、フェンタニルなどの癌性疼痛に使われる薬をイメージするが、整形外科領域でもよく使われるトラムセットやトラマールなどの鎮痛薬もオピオイドである。
これらの薬剤でも便秘対策として酸化マグネシウムがよく処方されるが、スインプロイク錠が処方される可能性はある。
でも、それなりの薬価にはなるだろうと思われるので、実際処方されるかどうかはわからない。

ちなみに、スインプロイク錠の便秘に対する作用は、オピオイドμ受容体拮抗作用によるものなので、通常の便秘には効かないと思われる。
オピオイドが処方されていない患者に処方されれば、もちろん疑義照会すべきである。

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コメント

  1. スイングプロイクとラキソベロンの併用は大丈夫ですか

    hatsue:2017/7/19

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