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呼吸困難と呼吸抑制の違いは?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約1分7秒で読めます.
6,576 ビュー. カテゴリ:呼吸抑制と呼吸困難の違い
呼吸困難とは、呼吸するという生理運動に対して苦しさや努力感などの自覚症状を有する状態。
肺、心臓等の異常により血液中のガス交換がうまく行われていないことを感知して大脳が「苦しい」と感じることで生じる不快な感覚を指す。
一方、オピオイドの呼吸抑制は、血液ガスの異常を呼吸中枢が認識しにくくなることで生じる。
したがって「苦しい」と認識されることはあまりない。
患者が「苦しい!」と訴える場合には、オピオイドによる呼吸抑制が生じている可能性は極めて低いと考えられる。
呼吸抑制の原因は?
がんの末期にみられる呼吸抑制の主な原因
・急激な肝不全(肝代謝が低下するため、オピオイドの血中濃度が上昇、半減期の延長が生じる)
・モルヒネ投与中の急激な腎機能低下(活性代謝物の蓄積)
・心不全・低血圧・極端な脱水(肝血流の低下によるオピオイドのクリアランスの低下)
・その他(高Ca血症、鎮静作用のある薬剤とオピオイドの相互作用、頭蓋内病変、感染症、過量投与、誤薬投与など)
参考書籍:ファーマトリビューン2011.5
呼吸抑制の目安
オピオイドによる呼吸抑制は呼吸数の減少となって現れます。
ですから、家族から問い合わせがあったような場合には、「1分間に何回呼吸しますか?」と、聞くことが判断材料になります。
正常時の呼吸回数は1分間に15~16回です。
問題があるかどうかの基準としては、「1分間に10回以下」を目安と考えてください。
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