2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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先発品の無い後発品?

先発品と間違えやすい後発品

薬剤師

先発品だと思ってたら後発品だったってことあるよね?

昔から使われている薬で、先発品だと思っていたら後発品だった、という薬はチラホラあります。
もともとあった先発品が販売中止になっていたり、

メチコバール

メチコバールは医薬品の申請の後、メチル水銀の安全性の認定に時間を要し、承認までに1年以上かかってしまった。
申請から承認に1年以上かかると、その医薬品は新薬として承認されないという規定で、メチコバールは後発医薬品と位置づけられてしまった。
したがって、本剤には先発医薬品はない。

カリーユニ

成分がピレノキシンである「カタリン点眼用0.005%、カタリンK点眼用0.005%」という先発医薬品が存在する。
有効成分の特許が切れた後に販売されているため、通常通りに後発医薬品となっている。
ただ、先発医薬品が顆粒や錠剤であるのに対して、カリーユニは液体点眼薬で承認され剤形変更されているので、液体の点眼液としては先発医薬品が存在しないため、先発医薬品のない後発医薬品ということになる。

バイアスピリン

アスピリンは、500mgなどの粒または粉末として多数のメーカーから局方品として販売されており、この剤形がアスピリン製剤で最も早く医薬品の承認を得たと考えられる。
バイアスピリン錠100mgの剤形である腸溶錠100mgは、薬事法上新医薬品として承認されていないため後発医薬品となる。

マグラックス

酸化マグネシウムは、500mgなどの粒または粉末として多数のメーカーから局方品として販売されており、この剤形が酸化マグネシウム製剤で最も早く医薬品の承認を得たと考えられる。
マグラックス錠・細粒は、薬事法上新医薬品として承認されていないため後発医薬品となる。

ビオフェルミンR

有効成分の耐性乳酸菌の製剤として、エンテロノンR散(細粒1g中に100mgの耐性乳酸菌を含有する)が味の素より、先発医薬品として販売されている。
そのため、ビオフェルミンR散、R錠は後発医薬品となる。
しかし、味の素は耐性乳酸菌の製剤として、錠剤を販売していないため、ビオフェルミンR錠の先発医薬品はない。
また、ビオフェルミンR散は細粒1g中に6.0mgの耐性乳酸菌を含有する製剤であるが、先発医薬品はこの規格を販売していないため、ビオフェルミンR散の先発医薬品はない。

ジベトス

もともと、大日本製薬における先発医薬品として、クレボン錠が販売されていた。
しかし、現在はクレボン錠が販売されていないため、ブホルミン塩酸塩製剤は後発医薬品のみとなっている。

スナイリンドライシロップ

別の剤形でラキソベロン錠2.5mg、ラキソベロン内用液0.5%が帝人ファーマより、先発医薬品として販売されている。
ただ、先発医薬品が錠、液に対してスナイリンはドライシロップで承認されており、ドライシロップとしては先発医薬品が存在しないため、本剤は先発医薬品のない後発医薬品ということになる。
また、同じ理由でピコダルム顆粒1%、ピコスルファットカプセル2.5mgも先発医薬品がない後発医薬品である。

レボフロキサシン錠100mg

レボフロキサシン錠100mgの先発医薬品は、「クラビット錠(100mg)」として第一三共から販売されていたが、2010年3月で販売中止となった。
したがって、本剤100mgの規格に先発医薬品はない。

アルデシンAQネーザル

ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの先発医薬品として、グラクソ・スミスクラインから「ベコナーゼ」という医薬品が販売されていたが、2003年12月で販売中止となった(中止理由はモントリオール議定書の特定フロンの全廃に準じたものである)。
したがって、本剤には先発医薬品はない。

ジヒデルゴット錠

有効成分のジヒドロエルゴタミンメシル酸塩はサンド(現ノバルティス)によって開発され、三共によって「ジヒデルゴット液」で申請、承認された。
しかし、「ジヒデルゴット液」は販売されず、その後、ノバルティスによって「ジヒデルゴット錠」が申請された。
有効成分としては「ジヒデルゴット液」ですでに医薬品として承認されているので、「ジヒデルゴット錠」は後発医薬品として承認を受けた。
したがって、本剤には先発医薬品はない。

アランタ

メーカーは、先発医薬品の試験を行い申請したが、後発医薬品として承認を受けた。
これについて製薬企業が特に異議申し立てを行わなかった(詳細は不明)。
したがって、本剤には先発医薬品はない。

イサロン

有効成分が同じであるアランタSP、SFの後に申請を行っているので、後発医薬品として承認を受けたと考えられる。
したがって、本剤には先発医薬品はない。

参考書籍:調剤と情報2013.12

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

1 件のコメント

  • 通りすがり のコメント
         

    メチコバールは申請から承認が~ではなく、
    承認から発売が~ではないですか?
    私の記憶違いでしょうか?

    そもそも申請してから承認されるまで一年以内なんてことほぼないと思いますが…

コメント


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