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麻薬の廃棄方法一覧
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約1分10秒で読めます.
12,881 ビュー. カテゴリ:麻薬の廃棄方法
麻薬の廃棄届を記載する際に、「廃棄の方法」という記載欄があり、どのように書いたらいいのか悩んだ経験がある。
過去の記載例にならって記載することもあるが、基本的には保健所の方で指南してくれるので、その通りに記載すればよい。
麻薬の廃棄は、⑴焼却、⑵下水へ放流、⑶酸やアルカリによる分解、など、麻薬の回収が困難であるような適切な方法で行う。
散剤や注射剤などはそのまま下水に放流してよいが、カプセル剤や徐放性製剤などは粉砕や崩壊させた後、焼却や下水への放流が望ましい。
坐薬の場合は、1個に対して50~60℃の温水100mLに家庭用液体台所洗剤1mLを加え、十分にかき混ぜると、乳化状態になり下水に放流することができる。
最近は、オピオイドクライシス(オピオイドの過剰摂取や乱用などによる不適切使用、粉砕して鼻腔内投与や静脈注射することも)対策として噛み砕けないよう工夫された改変防止(tamper resistant formulation:TRF)製剤などが販売され、廃棄方法も難しくなってきたので、以下のようなサイトを参考にするとよい。
医薬品 | 廃棄方法 |
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MSコンチン錠 | 熱水中に錠剤を入れ30秒間放置した後、棒状のもので錠剤を潰し攪拌する。 次いで、この中に水を入れて冷却し、錠剤の溶解、崩壊を確認したのち、下水に放流する。 ※MSコンチン錠の場合、熱水(60℃以上)で素錠は溶けるが、コーティング皮膜の方は熱水には溶けず、水に溶ける。このため、熱水中で一旦コーティング皮膜を棒状のもので壊し、素錠をほどほどに溶解または崩壊させた後、熱水を冷却してコーティング皮膜を溶解し廃棄する手順である。 |
MSツワイスロンカプセル | カプセル剤を水中に入れ、5分程(目安)放置し 崩壊させた後、内容物の顆粒の放出が認められたならば、乳鉢ですり潰して、水とともに下水に放流する。 |
アブストラル舌下錠 | 水に溶解後、下水に放流する。 |
アンペック坐剤 | 目安:アンペック坐剤1個+温水量100mL以上+ 家庭用液体台所洗剤1mL/温水100mL 実例:アンペック坐剤20mg5個を50~60℃の温水 約500mLに入れ、これに家庭用液体台所洗剤約3mLを加えて、十分かき混ぜると坐剤 は乳化状態になり、流しに廃棄することができる。 |
イーフェンバッカル錠 | 水で錠剤を溶解させた後、下水に放流する。 なお、廃棄する際には粉砕などの処理は行わない こと。 ※イーフェンバッカル錠は、発泡しながら溶解する。 |
オキシコドン錠「第一三共」 | 1. 焼却する。 2. 熱水中に5分程(目安)おき、乳鉢ですりつぶす。しばらく放置したあと撹拌して、水とともに下水に放流する。 3. 大量の場合には、錠剤を粉砕機で粉砕し、熱水を加えて棒状のもので撹拌し、水とともに下水 に放流する。 |
オキシコドン徐放カプセル「テルモ」 | カプセル剤を水中に入れ、5分程(目安)放置し 崩壊させた後、内容物の顆粒の放出が認められたならば、乳鉢ですり潰して、水とともに下水に放流する。 |
オキシコドン徐放錠「第一三共」 | 1. 焼却する。 2. 熱水中に5分程(目安)おき、乳鉢ですりつぶす。しばらく放置したあと撹拌して、水とともに下水に放流する。 3. 大量の場合には、錠剤を粉砕機で粉砕し、熱水を加えて棒状のもので撹拌し、水とともに下水に放流する。 |
オキシコンチンTR錠 | 医療機関等における廃棄にあたっては、下記の方法を参考に実施してください。 1: 錠剤を焼却してください。 2: 粘着力の強いガムテープなどで錠剤を包み、 錠剤が見えない状態にして、通常の医薬品と同様に廃棄してください。 または、それ以外の回収困難な方法で廃棄してください。 【注意】 ・ 乱用防止を目的とした製剤のため、水性溶媒中(水、エタノール、酸性又はアルカリ性水溶液)ではpHに関わらずゲル状になりますので、溶解による廃棄は行わないでください。 ・ 硬い製剤で破砕は困難なため、ミキサーを使用した廃棄は行わないでください(刃を傷めることがあります) |
オキシコンチン錠 | 1. 焼却する。 又は 2. 熱水中に錠剤を約30秒間放置し、棒状の物で錠剤を細かく潰し攪拌する。 次いで、この中に水を入れて冷却し、錠剤の崩壊を確認した後、下水に放流する。 ※オキシコンチン錠の場合、アクリル系の高分子を使用しているので、熱水でも全てが溶解せず複数個の比較的大きな塊が残留する。 また冷水添加はコーティング皮膜を溶解させるための処置である。 |
オキノーム散 | 水とともに下水に放流する。 |
オプソ内服液 | 水とともに下水へ放流する。 |
カディアンカプセル | 【大量の場合】 PTPシートからカプセルを取り出し粉砕 機にて処理。その後、水とともに下水に 放流する。 【少量の場合】 ① カプセル剤を37℃以上の温水(10mL/1cap)中 に 入れ、崩壊するまで放置する。 ② 内容物の放出が認められたら、カプセルが溶解するまでときどき攪拌する。 ③ カプセルが溶解後、液を除去し、残留物(粒状) に5倍量のエタノール(95%)を加え、5~10分間 攪拌する。 ※ エタノールがない場合には、50~60℃の温水で ペレットを湿らせて乳鉢粉砕し、最終的に製剤 (粒) 1gあたり10mLの温水を加えて乳棒で3~5 分かき混ぜることにより、ペレットが崩壊し、モルヒネ硫酸塩水和物が溶解する。不溶性の皮膜は18号篩(目開き:850μm)で除去できる。 *粒のままでは乳棒で粒がはじき飛ばされる現象が生じるため注意を要する。 また、多量の場合も粉砕し難い。 ④ 白濁液に50~60℃の温水をエタノール量の4倍 量加え、残存した粒が溶解するまで攪拌する。 *以上の手順により、カプセル剤は液状となり、 液は白濁しているが、モルヒネ硫酸塩水和物は完全溶解している。なお、ゼラチンカプセルの水に対する溶解性は、36℃以下で30分以上要するため、37℃以上の温水を用いる必要がある。消毒用エタノールを用いる場合は、95%の1.5 倍量必要。 ⑤下水に放流する。 |
カディアンスティック粒 | 【大量の場合】 スティックから粒を出し粉砕機にて処理。 その後、 水とともに下水に放流する。 【少量の場合】 ( 1 )エタノールがある場合 ①ペレット重量に対して5倍量のエタノール(95%)に、ペレットを添加し、 5~10分間攪拌する。 ②攪拌後の白濁した液に50~60℃の温水をエタ ノール量の3倍量加え、残存したペレットが溶 解するまで攪拌する。 *以上の手順により、ペレットは液状となり、 液は白濁しているが、モルヒネ硫酸塩水和物は完全溶解している。消毒用エタノールを用いる場合は、95%の1.5倍量必要。 ( 2 )エタノールがない場合 50~60℃の温水でペレットを湿らせて乳鉢粉砕し、最終的に製剤(粒)1gあたり10mLの温水を加えて乳棒で3~5分かき混ぜることにより、ペ レットが崩壊し、モルヒネ硫酸塩水和物が溶解する。不溶性の皮膜は18号篩(目開き:850μm)で除去できる。 *粒のままでは乳棒により粒がはじき飛ばさ れる現象が生じるため注意を要する。また、 多量の場合も粉砕し難い。 ( 1 )若しくは( 2 )の処理後、下水に放流する。 |
タペンタ錠 | 本剤の医療機関等における廃棄に当たっては、下記の事項を参考にして、①又は②の方法で確実に廃棄してください。 ① 錠剤を焼却してください。 ②粘着力の強いガムテープなどで錠剤を包み、錠剤が見えない状態にして、通常の医薬品と同様に廃棄してください。 [注意] ■ TRF製剤(改変防止製剤)のため、水性溶媒中(水、エタノール、酸性水溶液など)では粘性ゲルとなり、溶解による廃棄は困難です。 ■ 破砕は困難なため、ミキサーを使用した廃棄は行わないでください(刃を傷めることがありま す )。 |
デュロテップパッチ | ①未使用製剤の廃棄 (ライナーから剥がすのに失敗した場合等を含む) ・パッチを焼却して下さい。 ・ 焼却できない場合は、ゴム手袋を必ず着用し、 ライナーを剥がし、粘着面を内側に二つ折りにした後、ハサミを用いて切れ目を入れるなどし、内容物(ゲル)を放流の上、パッチ本体は通常の医薬品と同様に廃棄する。 *シュレッダーを使用した廃棄は、行わない。 *万が一、内容物(ゲル)が皮膚等に付着した場合には、その部分を流水で十分に洗い流す。なお、その時には、石けん、アルコール、ロー ション等は使用しない。 *院外施用の場合は病院・薬局へ返却するよう患者さん等に指導する。 なお、返却された場合は上記方法により廃棄 する。 ②使用済み製剤の廃棄 (施用途中で剥離した場合や途中で施用を中止した場合も含む) ・パッチの粘着面を内側にして貼り合せた後、 通常の医薬品と同様に廃棄する。 *シュレッダーを使用した廃棄は、行わない。 |
ナルサス錠 | 1. 焼却する。 2. 熱水中に5分程(目安)おき、乳鉢ですりつぶす。しばらく放置したあと撹拌して、水とともに下水に放流する。 3. 大量の場合には、錠剤を粉砕機で粉砕し、熱水を加えて棒状のもので撹拌し、水とともに下水に放流する。 |
ナルラピド錠 | 1. 焼却する。 2. 熱水中に5分程(目安)おき、乳鉢ですりつぶす。しばらく放置したあと撹拌して、水とともに下水に放流する。 3. 大量の場合には、錠剤を粉砕機で粉砕し、熱水を加えて棒状のもので撹拌し、水とともに下水に放流する。 |
パシーフカプセル | 水やお湯に入れカプセルが溶解したら、顆粒を乳鉢ですり潰して下水に放流する。 |
ピーガード錠 | ① 錠剤を37℃以上の温水(10mL/ 1錠)中に入れ、 乳棒で2~ 3分軽く粉砕しながらかき混ぜる。 ② 錠剤溶解後、約5倍量の水を加えて、上澄みを注意深く下水に放流した後、コーティング皮膜を廃棄する。 |
メサペイン錠 | 水で錠剤を溶解・崩壊させたのち下水に放流する。 |
メテバニール錠 | 粉砕して水とともに下水に放流する。 |
モルヒネ塩酸塩錠 | 粉砕して水とともに下水に放流する。 |
モルヒネ塩酸塩水和物 | 水とともに下水に放流する。 |
モルペス細粒 | 細粒をすりつぶして水とともに下水に放流する。 |
やはりオキシコンチンTR錠の廃棄は難しい。
薬局で焼却は難しい。病院なら焼却炉のあるところもあるだろうけど。
ガムテープで包んで廃棄、といっても完全に使用不可能な状態になっているとは言い難い。
よからぬことを考える薬剤師はいないだろうと信じる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。