2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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麻薬は1日何回でも使える?

レスキュードーズとは?

定期的に麻薬(オピオイド製剤)を投与していても突出痛が出現する場合や、次の内服予定時間の直前に疼痛が出現した場合などに、臨時に服用するための頓服薬を「レスキュードーズ」とよんでいます。

レスキュードーズには、徐放性製剤と々速放性オピオイドが用いられ、内服薬では徐放性製剤定期処方1日量の約1/6を1回量として処方されています。

投与間隔は、速放性製剤の最高血中濃度到達時間が30分~1時間といわれており、1時間待っても除痛不十分であれば追加のレスキューを内服することが可能です。

レスキューの1日最大投与回数は、定期投与量の25~100%まで、つまり3~4回が目安になります。
患者さんへの説明は、1日の投与回数の目安を指示したうえで、「痛みが続くようであれば、1時間空ければ何回でも服用可能」とします。

そうしたうえで、1日最大投与回数を超えた場合は定期投与の増量を検討します。
つまり、レスキュードーズは突出痛や体動時の痛みに対処するためだけでなく、持続する痛みをとるために必要なオピオイド(定期オピオイド)の増量時にも、増量の目安になります。

一般的には、定期オピオイドの増量は、嘔気・眠気が生じない範囲で30~50%を増量しますが、強い痛みの時には、前日に追加投与したレスキュードーズ使用の合計量を上乗せすることも可能です。

定期投与薬レスキュー薬
主に対応する疼痛持続痛突出痛
投与するタイミング食事に関係なく、一定の時間間隔で反復投与する。注射剤を持続投与することも可能。突出痛が出現したときに迅速に投与する。
突出痛の出現が予測できる場合には、予防的に投与する。
用量至適濃度を維持できる量を投与し続ける(鎮痛薬の種類、症状などによって大きく異なる)内服:定期投与薬1日量の10~20%、痛みが緩和しない場合は1時間以上あけてから投与する。
注射:定期投与薬1時間量を急速投与、痛みが緩和しない場合は15~30分以上あけてから投与する。
剤形内服薬(徐放製剤、速放製剤)、注射剤、坐剤、貼付剤内服薬、注射剤、坐剤、口腔粘膜吸収剤
※原則、定期投与薬と同じ種類・剤形を選択

レスキュードーズの選び方

通常、定期投与の徐放製剤とレスキュードーズの成分は同じものにします。

副作用の予測がしやすいことと、増量のタイミングを検討しやすいことが主な理由です。

レスキュードーズの用量設定

定時投与の徐放製剤の1日量からレスキュドーズの1回量を決定します。

モルヒネ 徐放製剤1日量×1/6=レスキュードーズ1回量

オキシコドン 徐放製剤1日量×1/4=レスキュードーズ1回量

フェンタニル 徐放製剤の投与量に拘らず、1回200μgから開始し症状に応じて200μgずつ適宜増減

レスキュードーズの投与回数

内服の場合、前回投与から1時間空ければ何回でも使用可能です(フェンタニル口腔粘膜吸収製剤は除く)。例えばオキシコドンでは、徐放製剤のオキシコンチンは内服後2~5時間後に血中濃度が最大になるので、内服後4時間程度経っても除痛不十分であればレスキュードーズを内服する必要があります。

また、レスキュードーズのオキノームは30分~1時間で有効性の得られる濃度に到達するので、内服後1時間経っても除痛不十分であれば、追加投与する必要があります。

レスキュードーズが1日4回以上必要な場合は、定時投与の徐放製剤の増量を検討します。

レスキュードーズを上手に使うコツ

・痛みが強くなってからではなく、少し痛いと感じたら早めに使う。

・決まった動作(身体を動かす、入浴など)で痛くなる場合は、予め使う。

・痛くなったらすぐ使えるように薬剤を手元に置いておく。

・どのくらいの量が適切かを知るために、使った薬剤の量、時刻を記録する。

・効果・眠気・吐き気のバランスがとれるように、体調も記録する。

参考書籍:ファーマトリビューン2011.6

オピオイドによる副作用

オピオイドが投与された患者において生じうる主な副作用は、嘔気・嘔吐、便秘、眠気、せん妄である。

これらの症状が生じたときは、原因を評価し治療を検討する。
このとき、オピオイド以外にこれらの症状を生じる合併症を見落とさないことが重要である。

例えば、眠気が発現した場合には、眠気がオピオイドの過剰投与徴候である可能性がある。
したがって、投与量が適切であるかどうかをまず確認する。

次に眠気を生じる他の要因を鑑別し、治療を検討する。
オピオイドが原因と考えられる場合は、初回投与や増量後では数日間で耐性が出来ることが多いため、可能であれば経過を観察する。

鎮痛効果の程度に応じて、鎮痛が十分であればオピオイドの減量を検討し、不十分であれば他の鎮痛手段を加えてオピオイドを減量できるかを検討する。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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2 件のコメント

  • パン子 のコメント
         

    初めまして。
    レスキュードーズの服用の事が詳しく丁寧に書いてあったのてま
    勉強になりました。

    今年の1月に直腸ガンの手術をしました。
    ステージ1でしたが、ドレーンの入ってた所が癒着して激痛がして寝不足でした。
    今の内科の主治医と話し合って今の量を試してます。
    オキノーム10mgとオキシコンチン朝晩合わせて30mgです。

    今、入院しているのですがレスキュードーズを頼むと「飲み過ぎじゃない?」と冷たく言われました。
    1〜2時間起きに服用してましたがそこまで言われたくないです。
    オキノームとオキシコンチンは医療用麻薬と言うことで看護師預かりになってます。
    ケースに入れて持って来てくれます。1包ずつ持って来ます。
    でも、その看護師は忘れていたのか知らないけど1時間以上経って持って来ました。謝罪もせず。

    思わず大人気ないのですが「痛くても我慢すればいいんですね。もう飲みませんから」と言ってしまいました。

    別に激痛がするから服用してたのですが。

    色々、書いてごめんなさい

    痛み我慢するのが美德なのでしょうか?

  • 天理 のコメント
         

    たまにいますよね、お前なんで看護師してるんだ?!みたいな人

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