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モルヒネの1日量は15mg?
公開. 更新. 投稿者:癌性疼痛/麻薬/薬物依存.この記事は約1分11秒で読めます.
3,844 ビュー. カテゴリ:麻薬の使い方
麻薬の使い方は難しい。
モルヒネには有効限界がない。そのため、いくらでも増量できるという認識がある。
しかし、あまりに添付文書の用法を逸脱していれば、個別指導で指摘されるだろう。
モルヒネ製剤には、硫酸モルヒネと塩酸モルヒネがあります。以下のような薬がある。
硫酸モルヒネ:MSコンチン錠、カディアンカプセル
塩酸モルヒネ:オプソ内服液、パシーフカプセル、モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」
各薬剤の適応症と用法用量をみると、
医薬品名 | 効能効果 | 用法用量 |
---|---|---|
モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」 | 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静 激しい咳嗽発作における鎮咳 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制 | 通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 |
MSコンチン錠 | 激しい疼痛を伴う各種癌における鎮痛 | 通常,成人にはモルヒネ硫酸塩水和物として1日20〜120mgを2回に分割経口投与する。 なお,初回量は10mgとすることが望ましい。 症状に応じて適宜増減する。 |
オプソ内服液 | 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛 | 通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1日30〜120mgを1日6回に分割し経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 |
カディアンカプセル | 激しい疼痛を伴う各種癌における鎮痛 | 通常、成人にはモルヒネ硫酸塩水和物として1日20〜120mgを1日1回経口投与する。 なお、症状に応じて適宜増減する。 |
パシーフカプセル | 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛 | 通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1日30〜120mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。 |
この中でモルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」だけは、がん以外にも適応があるので、がん以外の疼痛に処方されることが多い。
がんに用いるモルヒネの用量は、1日20〜120mgだが、モルヒネ塩酸塩錠や原末は、1日15mgとなっている。
10㎎錠なのに、用法は、「通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。」となっていて、使いづらそうだが、1日1.5錠では済まない患者が多い。
適宜増減となってはいるが、疑義照会は必要な案件だろう。
硫酸モルヒネと塩酸モルヒネの違いは?
オピオイド系鎮痛剤の代表的な薬剤であるモルヒネには、硫酸モルヒネと塩酸モルヒネがありますが、その違いにこだわる必要はありません。
むしろ、粉薬、水薬、錠剤、カプセル、坐剤、徐放製剤(長時間効果が持続する剤形)などさまざまな剤形があり、患者さんの状況に合わせて選択することが重要です。
硫酸モルヒネと塩酸モルヒネは合成方法の違いだけで、効果、副作用、吸収は全く同じ。
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