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抗リウマチ薬で結核になる?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約1分8秒で読めます.
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リウマトレックスなどの抗リウマチ薬、免疫抑制剤を飲んでいる患者は、風邪をひきやすくなる。
感染症の中でも、結核は感染力が強く、症状も重いので特に注意する必要がある。
抗リウマチ薬のリウマトレックスや、生物学的製剤のアクテムラやヒュミラの禁忌には「活動性結核の患者」、慎重投与には「結核の既感染者」とあり、結核の病歴聴取は必須である。
生物学的製剤の作用機序のうち、特に腫瘍壊死因子(TNF)α阻害は、結核の発症リスクを上昇させることが知られている。
これは一般に結核菌に対する生体防御機構としてTNFαが不可欠なサイトカインであり、結核菌に対する細胞性免疫応答や肉芽腫形成および維持に必須とされているためである。
実際に1990年代末、欧米においてRA治療にTNFα阻害療法が承認されると、治療を受けた患者で結核を主とする日和見感染が認められるようになった。
TNFα阻害療法で発症する結核は、粟粒結核や結核性胸膜炎などの肺外結核が半数以上を占めることが特徴とされる。
日本リウマチ学会の各ガイドラインには、生物学的製剤の投与前に潜在性結核感染のスクリーニング検査を実施することが盛り込まれている。
スクリーニング検査では、問診やツベルクリン反応検査、胸部X線撮影が必須であり、必要に応じて胸部CT撮影を行う。
ツベルクリン反応が陽性など、結核感染のハイリスク者には、治療開始の3週間前からイソニアジドの投与(原則として300mg/日)を6~9ヶ月間行う。
参考書籍:日経DI2011.7
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