2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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要指導医薬品を家族に売っちゃダメ?

医薬品の販売数量は1回1箱まで?

市販薬によっては、販売個数に制限が定められているものがある。

要指導医薬品については、薬事法施行規則第158 条の11に、「適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売し、又は授与させること。 」と記載されている。「適正な使用のために必要と認められる数量」とは何個なのか?
「薬事法第36 条の5第2項の「正当な理由」等について」という通知の留意事項として、以下のように書かれている。

(1)販売数量の限定
要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に販売する場合には、その適正な使用のため、改正省令による改正後の薬事法施行規則(昭和36 年厚生省令第1号。以下「新施行規則」という。)第158 条の11 の規定により、当該要指導医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該要指導医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者からの当該要指導医薬品の購入又は譲受けの状況を確認した上で、適正な使用のために必要と認められる数量(原則として一人包装単位(一箱、一瓶等))に限って販売しなければならない。

原則として一人一箱までとなる。

「適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売し、又は授与させること。」と書かれている薬には、要指導医薬品のほかに、「濫用等のおそれのある医薬品」「薬局医薬品」もある。

「濫用等のおそれがある医薬品」として、該当するのは、以下の成分及び以下の成分の水和物や塩類を有効成分として配合している製剤である。
エフェドリン
コデイン
ジヒドロコデイン
プロムワレリル尿素
プソイドエフェドリン
メチルエフェドリン

複数個購入しようとするお客さんには注意を要します。
でも、1回買って何日後なら売ってもいいのかどうか等は、個々の薬剤師の判断に委ねられるが、販売する薬剤師が変わればそこまで把握はできない。

第一類医薬品の販売個数制限

上記のように要指導医薬品の販売個数制限はありますが、第一類医薬品には販売個数の制限は無い。
しかし、ケンコーコムを見たら、「1回3個まで」となっている。
ロキソニンを5箱買おうとするお客さんがいたら、せめて「3箱まで」に抑えた方が良いのかも。

要指導医薬品は本人にしか売っちゃダメ?

市販薬を、家族や代理の人間が買いにくるというのは、よくある風景です。

しかし、薬事法第36条の5に、「薬局開設者又は店舗販売業者は、要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく、要指導医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。」と書かれている。

要指導医薬品は、基本的に本人以外の家族に販売することはできない。

ちなみに、薬事法第36条の3には、「薬局開設者は、薬局医薬品を使用しようとする者以外の者に対して、正当な理由なく、薬局医薬品を販売し、又は授与してはならない。ただし、薬剤師、薬局開設者、医薬品の販売業者、製造業者若しくは販売業者、医師、歯科医師若しくは獣医師又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設の開設者(以下「薬剤師等」という。)に販売し、又は授与するときは、この限りではない。」

薬局医薬品も、基本的に本人以外の家族に販売することはできない。

正当な理由とは?

正当な理由とは何か、というと

薬事法第36 条の5第2項の「正当な理由」等について

(2)正当な理由について
新法第36 条の5第2項に規定する正当な理由とは、次に掲げる場合によるものであり、この場合においては、要指導医薬品を使用しようとする者以外の者に対して販売を行っても差し支えない。
① 大規模災害時等において、本人が薬局又は店舗を訪れることができない場合であって、医師等の受診が困難、かつ、代替する医薬品が供給されない場合
② 医学、歯学、薬学、看護学等の教育・研究のために、教育・研究機関に対し、当該機関の行う教育・研究に必要な要指導医薬品を販売する場合
③ 新法その他の法令に基づく試験検査のために、試験検査機関に対し、当該試験検査に必要な要指導医薬品を販売する場合
④ 医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の原材料とするために、これらの製造業者に対し、必要な要指導医薬品を販売する場合
⑤ 動物に使用するために、獣医療を受ける動物の飼育者に対し、獣医師が交付した指示書に基づき要指導医薬品を販売する場合
⑥ その他①から⑤に準じる場合

あまり無いケースがほとんどという印象。
しかし説明をしたところで、「じゃあ私が使います」と言われておしまい、って流れになりそうですけど。

アレグラジュニアを親に売っちゃダメ?

アレグラジュニアの購入方法について、メーカーホームページには、
購入方法|小中学生用(7~14才用)アレルギー専用鼻炎薬「アレグラFXジュニア」
「※ご購入の際は、服用されるご本人様の来店をお願い致します。」
と書かれている。

他の要指導医薬品と同様、本人にしか販売できないのである。

親だけがアレグラジュニアを買いに来ても販売できないのである。
親子で来店しなければ販売できない。
子どもだけで来たらどうなのか?法律的にはOKなのかも知れないが、「保護者の指導監督のもとに服用させてください。」と書かれているので、販売しないのが妥当。

買いづらい。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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