2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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情報提供不要の申し出があれば情報提供しなくていいか?

服薬指導でも「説明いらないから」と言ってくる患者さんがいる。けっこう多い。第一類医薬品等でも、「いつももらってるから」「わかってるから」「早くして」と情報提供を断ってくるお客さんは多い。このような患者さん、お客さんに対して、薬剤師が情報提供の必要性が無いと判断した上で、情報提供せずに薬を渡すことはできるのか?

情報提供は義務

平成8年の薬剤師法改正により、薬剤師法第25条の2が新設されました。
その内容は「薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっているものに対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない」という情報提供義務です。
この法律は薬剤師に情報提供を行為義務として求めています。

また、薬事法第36条の4にも、

薬局開設者は、薬局医薬品の適正な使用のため、薬局医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、対面により、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させ、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わせなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

と、書かれています。

調剤された薬を販売する際には、情報提供は義務です。必須です。
「情報イラネ」と拒絶する患者さんに対しては、「薬剤の適正な使用を確保することが困難ですので、お薬をお渡しすることができません」と断固拒否する態度を取れば、渋々、上の空で情報を聞き流してくれることでしょう。

第1類医薬品の情報提供

まず、言っておきたいことは、すべての医薬品の情報提供で「ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。」という但し書きがあります。
なので、医師、薬剤師、看護師など医療従事者に対する情報提供は義務ではない。
服薬指導もしなくていい。その場合の調剤報酬の請求に関しては適切に行う必要がありますが。

情報提供義務の度合いについては、薬局医薬品・要指導医薬品と第一類医薬品で違いがあります。
第二類以下は薬剤師が情報提供をする必要もない。

第一類医薬品の場合、

第1項の規定は、第一類医薬品を購入し、又は譲り受ける者から説明を要しない旨の意思の表明があつた場合(第一類医薬品が適正に使用されると認められる場合に限る。)には、適用しない。

という但し書きがある。

つまり、第一類医薬品の場合「説明は必要ですか?」と聞いて「大丈夫です」と言われたら、情報提供しなくても良い。適正に使用されると認めれば。

第2類医薬品は情報提供しなくてもいい?

一般用医薬品の情報提供について、薬事法では、

薬局開設者又は店舗販売業者は、第一類医薬品の適正な使用のため、第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、厚生労働省令で定める事項を記載した書面(当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものを含む。)を用いて必要な情報を提供させなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

薬局開設者又は店舗販売業者は、第二類医薬品の適正な使用のため、第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その薬局又は店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させるよう努めなければならない。ただし、薬剤師等に販売し、又は授与するときは、この限りでない。

というように書かれています。

第1類医薬品は書面による情報提供が義務付けられていますが、第2類医薬品については「努めなければならない」ということなので努力義務です。

なので、第2類医薬品を買ったときには、レジで「何か聞きたいことはありますか?」という対応がとられ、質問があれば登録販売者が呼ばれ対応するという手順になる。

第一類医薬品の販売は薬剤師しかできない?

今年6月の薬事法改正により、一般用医薬品が、第一類、第二類、第三類と分けられました。

第二類、第三類医薬品は登録販売者でも販売できますが、第一類医薬品は薬剤師しか販売できない、という風に理解していました。

しかし、この「販売」という行為はどこまでなのか?ということについて、あまり考えてませんでした。

レジ打ち、袋詰めまで薬剤師、登録販売者じゃなければならないのか?

そんな問題が、登録販売者試験には出題されているようです。

実は情報提供さえ、専門家がしていれば、レジ打ち、袋詰めなどの販売行為は誰がやってもいいという答えらしいです。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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