記事
エディロールは妊婦に禁忌?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約2分51秒で読めます.
4,917 ビュー. カテゴリ:エディロールは妊婦に禁忌?
活性型ビタミンD3製剤であるエディロールは、妊婦及び授乳婦に禁忌となっている。
ビタミン剤ではビタミンADKEといった脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので、過剰摂取には注意が必要。
しかし、比較的安心して使えると思っているビタミンD製剤が妊婦に禁忌となっているのには意外な気もする。
添付文書の「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」には以下のように書かれている。
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤投与中に妊娠が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。[ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(暴露量は臨床推奨用量での暴露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギでは外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。]
2. 授乳中の婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。]
動物実験で催奇形性が認められているようだ。
骨粗鬆症が適応なので、高齢女性に使われることが多く、妊婦や授乳婦に処方されることはまず無いと思いますけれど。
エディロールとアルファロールの違い
活性型ビタミンD3製剤のエルデカルシトール(エディロール) は、活性型ビタミンD3の2β位にヒドロキシプロピルオキシ基が導入されており、活性型ビタミンD3
誘導体とも呼ばれる。
従来の活性型ビタミンD3製剤のカルシウム代謝改善作用を持ちつつ、強い破骨細胞機能抑制効果による骨吸収抑制効果も薬理試験で認められている。
エディロールはアルファロール、ワンアルファよりも効果の高いビタミンD3製剤。
安全性については、エルデカルシトール投与群がアルファカルシドール投与群に比べて、血中および尿中カルシウム増加の有害事象が多かった。
禁忌については、エルデカルシトールは、妊婦や妊娠している可能性のある女性または授乳婦には投与できないが、アルファカルシドールは、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、投与すること」とされている。
エディロールのほうが、効果が高く、その分副作用も多いとのことで、催奇形性も認められており、妊婦には禁忌。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。