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妊婦にフラジールは禁忌?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約2分45秒で読めます.
4,139 ビュー. カテゴリ:妊婦とフラジール
いつの間に、フラジール内服錠の添付文書が改訂されていました。
禁忌に関する部分
妊娠3ヵ月以内の婦人(有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く)
禁忌の「妊娠3ヵ月以内の婦人」に、「有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く」の一文が追加されていました。
これは禁忌なんだか、禁忌じゃないんだか。
医師の判断で投与できるということです。
以前は、フラジール錠の禁忌には「妊娠3ヵ月以内の婦人」と書かれていたため、妊娠初期のトリコモナスにはフラジール膣錠が使われました。
アメリカでは妊娠初期からフラジール錠を使っています。
添付文書の「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」をみると、
胎児に対する安全性は確立していないので,有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合を除き,特に妊娠3ヵ月以内は経口投与をしないこと。[経口投与により胎盤関門を通過して胎児へ移行することが報告されている。
と胎児の体内に移行するというだけで、催奇形性の報告などについては書かれていません。
そのため、比較的安全性は高いとおもわれますが、フラジール膣錠という代替薬があるので、あえて体内移行しやすい内服の錠剤を使用するよりも、膣錠を使ったほうが妊婦の心理的にも安心だと思います。
早産予防に抗菌剤?
流産や早産の原因の一つに、細菌性膣症があるそうです。
細菌性膣症とは、何らかの原因によって乳酸桿菌を主とする膣内正常細菌叢が減少し、ガルドネラ・バジナリスやマイコプラズマ・ホミニス、嫌気性細菌などが増殖して、膣内の酸性度が下がった状態のことを指します。
普通、膣内は病原性を発揮する細菌の繁殖を抑えるためにpH3~4ぐらいの酸性に保たれています。
妊婦における細菌性膣症の頻度は10~30%といわれ、このような妊婦では、早産の確率が1.5~7倍にもなっています。
妊娠中に細菌性膣症の状態になると、膣内の病原細菌が頸管から子宮内に上行感染し、頸管炎や胎盤の一部である絨毛膜羊膜炎を引き起こすリスクが高まります。
頸管炎や絨毛膜羊膜炎を起こすと、流産や早産、前期破水に発展しやすいことが報告されています。
で、妊婦健診で細菌性膣症が疑われる患者には、フラジール膣錠やクロマイ膣錠が1週間ほど処方されます。
フラジール錠やダラシンカプセルなどの内服が処方されることもあります。
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