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定期的に検査を実施しなきゃいけない薬は?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分28秒で読めます.
7,973 ビュー. カテゴリ:定期的に検査を実施すること
薬を飲んでたら定期的な検査しないとダメだよね?
定期的な検査が必要な薬がある。
ただ単に「定期的に検査を実施すること」と記載されているだけだと、「2~3年に1回はやってる」という言い分でもよくなる。
「1か月に1回」という記載だと、3か月分といった長期処方はしづらくなる。
メルカゾールやユリノーム、アザルフィジンなどで検査を実施していなかったために、副作用が出た際に救済制度の適応とならなかった事例もある。
定期的な検査が求められている薬で、具体的な期間が示されているものを調べてみた。
医薬品名 | 添付文書の記載 |
---|---|
アザルフィジンEN | 本剤投与開始前には、必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、肝機能検査及び腎機能検査を実施すること。投与中は臨床症状を十分観察するとともに、定期的に(投与開始後最初の3ヵ月間は2週間に1回、次の3ヵ月間は4週間に1回、その後は3ヵ月ごとに1回)、血液学的検査及び肝機能検査を行うこと。また、腎機能検査についても定期的に行うこと。 |
アスペノン | 本剤の投与中に,AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDH等,肝・胆道系酵素値及び総ビリルビンの上昇があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること.特に投与初期においては2週間に1回検査を行うことが望ましい. |
ヴォリブリス | ヘモグロビン減少及びヘマトクリット減少が起こる可能性があり、貧血に至った症例があるため、投与開始前及び投与開始1ヵ月後に血液検査を実施すること。また、その後も定期的に検査を実施することが望ましい。 |
エクア | 肝機能障害(肝炎を含む)があらわれることがあるので、本剤投与開始前、投与開始後1年間は少なくとも3ヵ月毎に、その後も定期的に肝機能検査を行うこと。 |
エクメット | 肝機能障害(肝炎を含む)があらわれることがあるので、本剤投与開始前、投与開始後1年間は少なくとも3ヵ月毎に、その後も定期的に肝機能検査を行うこと。 |
エディロール | 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。 |
グリベック | 骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。血液検査は投与開始前と投与後の1ヵ月間は毎週、2ヵ月目は隔週、また、その後は2~3ヵ月毎に行うこと。 |
グルコバイ | 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害があらわれることがある。これらは投与開始後概ね6ヵ月以内に認められる場合が多いので、投与開始後6ヵ月までは月1回、その後も定期的に肝機能検査を行うこと。 |
ケアラム/コルベット | 本剤投与前には必ず血液、腎機能等の検査を実施すること。また、投与中は臨床症状を十分に観察するとともに、投与開始後最初の2ヵ月は2週に1回、以降は1ヵ月に1回など定期的に血液、腎機能等の検査を行うこと。 |
ジャドニュ | デフェラシロクス製剤の投与により難聴及び水晶体混濁、視神経炎が報告されているので、投与開始前及び投与後は定期的(6ヵ月毎)に聴力検査及び眼科的検査(眼底検査を含む)を行い、異常が認められた場合には減量又は休薬し、適切な処置を行うこと。 |
スプリセル | 本剤投与により,白血球減少,好中球減少,血小板減少,貧血があらわれることがあるので,血液検査は投与開始前と投与後の2ヵ月間は毎週,その後は1ヵ月毎に,また,患者の状態に応じて適宜行うこと。 |
セララ | 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)の1週間以内及び1ヵ月後に観察し、その後も定期的に観察すること。肝機能異常がみられることがあるので、投与開始後1ヵ月を目処に肝機能検査値を観察し、その後も定期的に観察すること。 |
セレニカ | 重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。 |
タシグナ | 血小板減少、好中球減少、貧血があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。血液検査を投与開始前と投与後の2ヵ月間は2週毎、その後は1ヵ月毎に行い、また必要に応じて追加すること。 |
デパケン | 重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。 |
パナルジン | 投与開始後2ヵ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週に1回、来院すること。 |
ブレオS軟膏 | 本剤の投与にあたっては、発熱、咳、労作性呼吸困難等の臨床症状の観察を十分に行い、胸部レントゲン検査異常及び捻髪音(ラ音)の有無を検討し、可能な施設においては肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDo2)、動脈血酸素分圧(Pao2)、一酸化炭素拡散能(DLco)などの検査を行い、投与中及び投与後およそ2ヵ月位までについてもこれらの検査を定期的に行うこと。 |
ブレディニン | 投与開始後6カ月を目標として、尿蛋白、腎機能等を定期的に測定し経過をみながら以降の投与継続の可否を検討する。 |
プロスタール | 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害による死亡例が報告されているので、投与開始後3カ月までは少なくとも1カ月に1回、それ以降も定期的に肝機能検査を行うこと。 |
ペルマックス | 本剤投与中は、投与開始後3〜6ヵ月以内に、それ以降は少なくとも6〜12ヵ月毎に心エコー検査を行うこと。 |
ミニリンメルト | 本剤投与中は投与開始又は増量から1週以内(3~7日)、1ヵ月後、及びその後は定期的に血清ナトリウム値の測定を行い、血清ナトリウム値が急激な低下を認めた場合や目安として135mEq/L未満を認めた場合には、投与を中止すること。 |
ミネブロ | 高カリウム血症があらわれることがあるので、血清カリウム値を原則として投与開始前、投与開始後(又は用量調節後)2週以内及び約1ヵ月時点に測定し、その後も定期的に測定すること。 |
メーゼント | 無症候性も含め、特に投与初期には黄斑浮腫があらわれることがあるため、投与開始3~4ヵ月後に眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること。また、本剤投与期間中には定期的に眼科学的検査を実施するとともに、患者が視覚障害を訴えた場合にも眼科学的検査を実施すること。 |
メタルカプターゼ | 効果が得られるためには、排泄するための十分な尿量が必要であるので、投与前には必ずクレアチニン等の腎機能検査を実施すること。また、投与中も定期的(1〜2週間に1回)に検査を行い、腎機能の低下が認められた場合には、血液透析の併用を考慮すること。 |
メルカゾール | 少なくとも投与開始後2ヶ月間は、原則として2週に1回、それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施 |
ユリノーム | 投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず、定期的に肝機能検査を行うこと。 |
ラミシール | 重篤な肝障害(肝不全、肝炎、胆汁うっ滞、黄疸等)があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。重篤な肝障害は主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれるので、投与開始後2ヵ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。また、その後も定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。 |
もっとあるかと思うが。
有名なのは、警告にも記載されているパナルジンの「投与開始後2ヵ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週に1回、来院すること。」
処方が長期であったとしても、2週間に1回来院しているかどうか、確認する必要がある。
結局検査していなかったとしても、医師に「検査しなくていいんですか?」と疑義照会するのはハードル高いですけどね。
定期的な検査が必要な薬
医薬品名 | 検査内容 | 初期の観察期間 |
---|---|---|
グルコバイ | 肝機能検査 | 月1回(6か月間) |
リピトール | 肝機能検査 | 12週後までに1回 |
アスペノン | 肝機能検査 | 2週に1回 |
アンカロン | 眼科検査、胸部X線または胸部CT検査・肺機能検査、血液検査(肝機能、電解質、血球数など)、尿検査、甲状腺機能検査 | 投与前・1か月後・3か月後 |
グリベック | 血液検査(血球数など)、肝機能検査 | 血液検査は週1回(1か月間) 肝機能検査は月1回 |
レミケード | 胸部X線検査 | 月1回(2か月間) |
カバサール | 心エコー検査 | 3~6か月後 |
プラビックス | 肝機能検査、血液検査(血球数など) | 2週に1回(2か月間) |
アザルフィジンEN | 肝機能検査、血液検査(血球数など) | 2週に1回(3か月間) |
メルカゾール | 血液検査(白血球分画を含む) | 2週に1回(2か月間) |
パナルジン | 肝機能検査、血球算定(白血球分画を含む) | 2週に1回(2か月間) |
ラミシール | 肝機能検査 | 月1回(2か月間) |
リマチル | 血液検査(血球数など)、尿検査 | 月1回 |
リウマトレックス | 肝機能検査、腎機能検査、血液検査(血球数など) | 4週ごと |
ザイボックス | 血液検査(血球数など) | 週1回 |
ユリノーム | 肝機能検査 | 定期的(6か月間) |
メルカゾールと血液検査
チアマゾール(メルカゾール)が適正に使用されていなかった事例
甲状腺機能亢進症のためチアマゾールを服用し,無顆粒球症を発症。投与開始以降,無顆粒球症が認められるまで約7週間血液検査が実施されていなかったため,適正な使用とは認められませんでした。
http–www1.mhlw.go.jp-kinkyu-iyaku_j-iyaku_j-anzenseijyouhou-296-1.pdf
(添付文書の「警告」の項に,「重篤な無顆粒球症が主に投与開始後2ヶ月以内に発現し,死亡に至った症例も報告されている。少なくとも投与開始後2ヶ月間は,原則として2週に1回,それ以降も定期的に白血球分画を含めた血液検査を実施し,顆粒球の減少傾向等の異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,一度投与を中止して投与を再開する場合にも同様に注意すること。」と記載されています。)
投与開始後2ヶ月間は,原則として2週に1回は血液検査を実施。
2週間以上処方されている場合は要注意です。
チウラジール、プロパジールには血液検査の記載はない。
ユリノームと肝機能検査
ベンズブロマロン(ユリノーム 他)が適正に使用されていなかった事例
高尿酸血症のためベンズブロマロンを服用し,薬物性肝障害を発症。投与開始以降,肝障害が認められるまで約10 ヶ月間肝機能検査が実施されていなかったため,適正な使用とは認められませんでした。
(添付文書の「警告」の項に,「劇症肝炎等の重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現し,死亡等の重篤な転帰に至る例も報告されているので,投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず,定期的に肝機能検査を行うこと。また,患者の状態を十分観察し,肝機能検査値の異常,黄疸が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。」と記載されています。)
投与開始後少なくとも6ヶ月間は必ず,定期的に肝機能検査を行うこと。
定期的ってどのくらいかな。
少なくとも受診ごとには実施しないとダメかな。月1くらいか。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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