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エンドキサンで膀胱がんになる?
公開. 更新. 投稿者:癌/抗癌剤.この記事は約1分25秒で読めます.
2,909 ビュー. カテゴリ:エンドキサンとアクロレイン
シクロホスファミド(エンドキサン)やイホスファミド、メルファラン、ベンダムスチンといったナイトロジェンマスタード類のアルキル化薬は、第一次世界大戦中に化学兵器として使用されたマスタードガスに由来する世界で初めての抗癌剤として有名です。
毒ガス由来の薬と聞くと、ちょっと怖い。
エンドキサンの添付文書に、以下のような記載がある。
二次性悪性腫瘍(急性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、膀胱腫瘍、腎盂・尿管腫瘍等)が発生したとの報告があるため、本剤の投与終了後も長期間経過を観察するなど十分注意すること。なお、シクロホスファミドの総投与量の増加により、発癌のリスクが増加するとの報告がある。
抗癌剤による発がんリスクの増加という可能性もある。
また、ナイトロジェンマスタード類の副作用として、出血性膀胱炎が有名です。
エンドキサンの添付文書には以下のように書かれている。
骨髄抑制、出血性膀胱炎等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、尿検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。出血性膀胱炎の防止のため尿量の増加を図ること。
予防のために、水分をしっかり摂取し、尿をよく出すことが必要。一日2リットルの飲水がすすめられます。
また、尿の色が濃くなるなどの変化がないかチェックする。
このエンドキサンによる出血性膀胱炎の発症抑制のために、メスナ(ウロミテキサン)という注射剤が使われる。
出血性膀胱炎の原因は、シクロホスファミドが肝で代謝されその活性代謝産物であるアクロレインが腎から尿中に排泄され、それが直接的に尿路上皮細胞を障害するためである。
メスナは静脈から投与後、酸化され血清中で安定したジスルフィドになって尿中でアクロレインと結合し不活性なチオエーテルになり排泄される。
アクロレインはタバコに含まれる発がん物質としても有名です。
タバコは毒ガスです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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