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薬が原因の無菌性髄膜炎?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分38秒で読めます.
3,060 ビュー. カテゴリ:NSAIDsで無菌性髄膜炎
無菌性髄膜炎の主な原因はウイルスですが、薬が原因の無菌性髄膜炎というのもあります。薬が原因なので、薬剤性髄膜炎と呼ばれることもあります。
髄液の検査で細菌が検出されないと、薬剤性髄膜炎も疑われます。
薬による無菌性髄膜炎の起因薬としては、NSAIDs、抗菌薬、免疫グロブリンなどが知られています。
特にNSAIDsではイブプロフェンでの報告が多いという。
以下の薬の副作用に「無菌性髄膜炎」の記載がある。
薬効分類 | 医薬品名 |
---|---|
抗菌薬 | オーグメンチン |
クラバモックス | |
サワシリン | |
アザルフィジンEN | |
バクタ | |
ボノサップ | |
ボノピオン | |
ラベキュア | |
ラベファイン | |
抗トリコモナス薬 | フラジール |
尿酸生成阻害薬 | ザイロリック |
NSAIDs | ジクトルテープ |
セレコックス | |
ナイキサン | |
ブルフェン | |
ボルタレン | |
ロキソニン | |
抗てんかん薬 | テグレトール |
ラミクタール |
全身性エリテマトーデス(SLE)、混合性結合組織病(MCTD)など自己免疫疾患の患者が、無菌性髄膜炎を生じやすいとされています。
ブルフェン(イブプロフェン)の添付文書の重大な副作用には、
無菌性髄膜炎(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、項部硬直、発熱、頭痛、嘔気・嘔吐あるいは意識混濁等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[特にSLE又はMCTDの患者に発現しやすい。]
と記載されている。
髄膜炎の兆候には、発熱、頭痛、嘔気、嘔吐、意識障害、せん妄、項部硬直などがある。
髄膜炎なんて滅多にみることは無いかもしれませんが、NSAIDsなど長期連用している患者には、より注意が必要。
jolt accentuation
髄膜炎の診断方法に、jolt accentuation testというのがあります。
頭をブンブン振ってもらう方法です。
赤ん坊が「イヤイヤ」するみたいにブルブルブルッと首を振ると、頭痛がひどくなったり、首に痛みが走ります。
これができたら髄膜炎はほぼ除外できるという。
でも、細菌性髄膜炎になりやすい年齢は乳幼児なので、コミュニケーションがとれないから難しい。
また、頭が振れないくらい痛い片頭痛もある。
細菌性髄膜炎の初期診断の難しさは、見た目は「風邪」に似ていること、および「髄液検査」をしないと診断を確定できない点にある。
細菌性髄膜炎の症状は、教科書的には発熱・頭痛・嘔吐の3症状ですが、赤ちゃんの場合は頭痛を訴えられないので、不機嫌、哺乳不良、顔色不良という症状で診る。一般の小児科で髄液検査をやることはあまりない。


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