2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ミリステープは1日2回貼る?

ニトログリセリン貼付剤の用法

ニトロダームとかフランドルテープが1日1回だから、大体テープ剤は1日1回貼るものだろう、と思い込んでいました。
しかしニトログリセリンの貼付剤のうちミリステープの用法は1日2回となっています。

ニトログリセリンの貼付剤の用法をまとめると、

ジドレンテープ27mg:通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
ニトロダームTTS25mg:通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして25mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
バソレーターテープ27mg:通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
ミニトロテープ:通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
メディトランステープ:通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。
なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
ミリステープ5mg:通常、成人は1回1枚(ニトログリセリンとして5mg)を1日2回、12時間ごとに胸部、上腹部、背部、上腕部又は大腿部のいずれかに貼付する。なお、症状により適宜増減する。

ニトログリセリンの25mgと27mgの貼付剤は、1日1回。
ミリステープはニトログリセリン5mgの貼付剤で、他よりもニトログリセリン含有量が少ないので1日2回という用法になっている。
しかし、ミリステープ1日1回という指示の処方箋を受け付けたときに、「この医師は意図的か、はたまた知らないだけなのか」というのは迷うところ。適宜増減となっているので、1日1回があり得ない処方ではないが、疑義照会しておくのが無難。

「効果不十分の場合は1回2枚に増量」できるというのも意外でした。そのような処方にまだ遭遇したことはない。

1日1回の製剤と1日2回の製剤であれば、1日1回のほうが便利である。
それでもミリステープを使うのは、適応症が違うことも関係していそうです。
他のニトログリセリン貼付剤が「狭心症」のみの適応に対して、ミリステープは「狭心症、急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」と心不全の適応もある。

ちなみに、ニトログリセリンではなく硝酸イソソルビド製剤のフランドルテープの用法は、

「フランドルテープ:通常、成人に対し、1回1枚(硝酸イソソルビドとして40mg)を胸部、上腹部又は背部のいずれかに貼付する。貼付後24時間又は48時間ごとに貼りかえる。」
「1日1回」か「2日に1回」という使い方です。2日に1回という用法指示は見たことがありませんが、そういう形もアリなのね。

ちなみにそれぞれの貼付剤で使用部位に若干の違いがあるが、胸部、上腹部、背部、上腕部、大腿部、腰部、いずれに貼っても問題ないと思われる。
即効性を期待するわけでもないし、血流に乗ればそれで良いだろう。
しかし、はがれやすい場所、汗をかきやすい場所は避けた方がいいだろう。大腿部ははがれやすそう。背中は寝てるとき汗かきそう。

ジドレンテープはジェネリック?

上記のニトログリセリンテープの中で、ジドレンテープだけがジェネリック、他は先発品となっている。

ちなみに薬価は、
ジドレンテープ(後発) 66.2円/枚
ミリステープ(先発) 46.2円/枚
ミニトロテープ(先発) 65.8円/枚
ニトロダームTTS(先発) 78.4円/枚
メディトランステープ(先発) 69.8円/枚
バソレーターテープ(先発) 63.8円/枚

先ほども述べたように、ミリステープとジドレンテープは適応症が違うので、変更調剤は不可。それ以外は可能となっている。
しかし、バソレーターやミニトロテープはジドレンテープよりも安く、変更する意味はない。ジェネリックと名のついている薬はもっと安くしてほしいものだ。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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