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CYP3A4がらみの併用禁忌
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約2分15秒で読めます.
5,640 ビュー. カテゴリ:CYPと併用禁忌
併用禁忌は薬剤師として見逃してはならない監査項目である。
普段取り扱うことのない薬の場合、併用禁忌に対する知識が乏しい薬剤師も多い。私も人のことは言えない。
医師もまた然り。
併用禁忌といえば、よく聞くのがCYP(チトクロームP450)がらみの相互作用。
併用禁忌の代表格であるハルシオンとイトリゾールもCYP3A4が絡んでいる。
なので併用禁忌はまず、CYPで連想して覚える。
CYPがらみの代謝では、「CYPで代謝される薬」「CYPを増やす(誘導する)薬」「CYPを減らす(阻害する)薬」が存在する。それぞれを兼ね備えている薬もあるのでややこしくなる。
CYP3A4といえば、グレープフルーツジュース。
グレープフルーツジュースにはCYP3A4阻害作用がある。CYP3A4で代謝される薬の代謝を阻害し、体内に蓄積させる。
またセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)はCYP3A4誘導作用があり、CYP3A4で代謝される薬の代謝を亢進し、薬の効果が減弱する。
CYP3A4とアゾール系抗真菌薬
イトリゾールはCYP3A4の強い阻害薬なので、CYP3A4で代謝される薬物が代謝されず体に残ることとなるので、併用禁忌になる。
イトリゾール↔ハルシオン、オーラップ、硫酸キニジン、ベプリコール、リポバス、カルブロック、レザルタス、バイミカード、クリアミン、ジヒデルゴット、メテルギン、レビトラ、セララ、ロナセン、レバチオ、アドシルカ、イグザレルト、アデムパス
フロリードゲルも同様にCYP3A4の阻害薬。
フロリード↔ハルシオン、オーラップ、硫酸キニジン、リポバス、カルブロック、レザルタス、バイミカード、クリアミン、ジヒデルゴット、ロナセン、イグザレルト、スンベプラ
ジフルカンも同様にCYP3A4の阻害薬。
ジフルカン↔ハルシオン、オーラップ、硫酸キニジン、クリアミン、ジヒデルゴット
ブイフェンドも同様にCYP3A4の阻害薬。
ブイフェンド↔ハルシオン、オーラップ、硫酸キニジン、クリアミン、ジヒデルゴット
CYP3A4とブイフェンド
ブイフェンドは同時にCYP3A4で代謝される薬でもあるので、CYP3A4を誘導する薬との併用も禁忌となっている。
ブイフェンド↔リファンピシン、ミコブティン、テグレトール、バルビタール、フェノバルビタール
ブイフェンドの相互作用には、
本剤は、肝代謝酵素CYP2C19、2C9及び3A4で代謝され、CYP2C19、2C9及び3A4の阻害作用を有する(in vitro)。
CYP3Aに対する阻害作用は強い。
と書かれている。
ブイフェンドは自身がCYP3A4で代謝されるのに、そのCYP3A4を阻害する。
CYP2C19やCYP2C9でも代謝されるので、CYP3A4が働かなくても代謝への影響は薄いってことかな。
ブイフェンドの併用注意には、禁忌とされてもおかしくなさそうなほど血中濃度に影響を及ぼす薬が並ぶが、とりあえず禁忌と注意では見逃した時の責任の度合いが雲泥の差なので、禁忌の方を忘れずに覚える。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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