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イトリゾールとCa拮抗薬は併用禁忌?
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約2分16秒で読めます.
3,506 ビュー. カテゴリ:イトリゾールとCYP3A4
グレープフルーツジュースとCa拮抗薬の相互作用は有名です。
グレープフルーツジュースがCYP3A4の活性を阻害するので、Ca拮抗薬の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する。
イトラコナゾールもCYP3A4の阻害作用がある薬として有名です。
なので、イトラコナゾールとCa拮抗薬の併用についても同じように注意が必要。
特に、イトリゾールと併用禁忌になっているCa拮抗薬は、アゼルニジピン(カルブロック、レザルタス)とニソルジピン(バイミカード)です。
これらの薬が処方された際には疑義照会が必要となります。
しかし、恐らく疑義照会をしたとしても他のCa拮抗薬、アムロジピンなどに変更となる可能性が高いです。
保険請求上や個別指導の上では、添付文書上併用禁忌となっていない薬への変更で、ミッション終了となりますが、患者が服用する上では、副作用のリスクが上昇する為、そこに対する注意喚起は重要です。
「降圧効果が強く出る恐れがあるので、体のふらつき、めまいなど、いつもと違う症状が出たら、血圧を測定してください」と伝える。
重篤な副作用のリスクがある薬剤については、注意深く初期症状の有無を観察すべきである。
また、高齢者や肝機能が低下した患者にCYPを阻害する薬剤が投与された場合には、副作用が起こりやすいので注意が必要である。
イトリゾールと併用禁忌の薬
イトリゾールと併用禁忌の薬は多い。
ピモジド(オーラップ)
キニジン
ベプリジル(ベプリコール)
トリアゾラム(ハルシオン)
シンバスタチン(リポバス)
アゼルニジピン(カルブロック)
ニソルジピン(バイミカード)
エルゴタミン(クリアミン)
ジヒドロエルゴタミン
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
バルデナフィル(レビトラ)
エプレレノン(セララ)
ブロナンセリン(ロナセン)
シルデナフィル(レバチオ)
タダラフィル(アドシルカ)
アスナプレビル(ジメンシー、スンベプラ)
バニプレビル
スボレキサント(ベルソムラ)
イブルチニブ(イムブルビカ)
チカグレロル(ブリリンタ)
アリスキレン(ラジレス)
ダビガトラン(プラザキサ)
リバーロキサバン(イグザレルト)
リオシグアト(アデムパス)
特に処方頻度の高い赤字の薬については注意する。
イトリゾールとハルシオンの併用
イトリゾールのCYP3A4阻害作用は非常に強力であり、多くの薬剤との併用に注意が必要となる。
例えば、併用禁忌薬のひとつであるトリアゾラムは超短時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠薬であり、主としてCYP3A4で代謝される。
イトリゾール(200mg/日4日間)とトリアゾラム(0.25mg)の併用により、トリアゾラムの代謝が阻害され、トリアゾラムの最高血中濃度(Cmax)が約3倍、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が約27倍、半減期が約7倍に延長し、トリアゾラムの作用増強の結果、ふらつきや傾眠といった副作用が現れるおそれがある。
また、イトリゾールの半減期は約30時間と長く、投与中止後もCYP3A4により代謝される薬剤の併用には注意を要する。
イトリゾールカプセル50 1カプセル
1日1回 朝食直後 30日分
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