2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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フロリードゲルは飲み薬?

フロリードゲルは内服薬

フロリードゲルという口腔カンジダの薬がある。
ゲルとか軟膏とか聞くと、塗り薬というイメージですが、内服薬、飲み込む薬です。
フロリードDクリームは塗り薬、外用薬です。

フロリードの成分ミコナゾールは、真菌細胞膜の主要構成脂質であるエルゴステロールの合成を阻害して、抗真菌作用を示す。
血漿蛋白結合率が高いという特徴があり、消化管から吸収された後、多くは肝初回通過効果による代謝で薬効を失ってしまう。
そのため、フロリードゲル経口用は、患部での滞留性が高くなるようゲル状になっている。

フロリードゲルの正式名称は「フロリードゲル経口用2%」
経口用と書いてあるので、口の中に使う薬であることはわかる。

フロリードゲルの効能効果には、口腔カンジダと食道カンジダがある。

効能・効果カンジダ属による次の感染症:口腔カンジダ症

用法・用量通常、成人にはミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後及び就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。

食道カンジダの場合には嚥下する必要性があるので、内服薬という位置付けに納得できる。
しかし、口腔カンジダの場合は嚥下しなくても効くだろうし、口腔内に塗布する外用薬として扱っても良さそうな気がしますが。

レセプト上は内服薬として請求するのが正しいようです。

でも医師が勘違いして、アフタゾロン口腔用軟膏やケナログ口腔用軟膏のような、口内炎の塗り薬のように、外用薬としての処方せんの書き方をしてくることがある。

フロリードゲル 5g
1日4回 口腔内に塗布

みたいな。

これを内服用滴剤として請求していた薬局もありました。
「1日4回毎食後と寝る前 1日分」として請求する薬局もあるようです。

フロリードゲルの併用禁忌

外用薬っぽい見た目に騙されて、気を付けなければいけない点として、併用禁忌があります。

フロリードゲルは飲み薬です。
そして併用禁忌とされている薬が意外と多い。

ピモジド(オーラップ)
キニジン
トリアゾラム(ハルシオン)
シンバスタチン(リポバス)
アゼルニジピン(カルブロック)
ニソルジピン(バイミカード)
エルゴタミン酒石酸塩(クリアミン)
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)

汎用されている薬も多いので、見逃さないように気を付けなければいけない。
フロリードゲルはチトクロームP-450(3A、2C9)と親和性を有するため、これらで代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性があるらしいが、実際どの程度血中濃度を上げるのかはインタビューフォームを見てもわからなかった。
併用注意の薬まで含めるとかなり多数の薬が挙がるので、これらの薬を飲んでいる患者では、やっぱり口腔カンジダの場合は飲み込まないほうが良いんじゃないかと思ったりもする。

フロリードゲル1回1本飲む?

フロリードゲルという口腔カンジダの塗り薬があります。

口の中に塗る塗り薬ですが、口腔カンジダに対する用法は、

通常、成人はミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後及び就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。

となっています。

1本5gを1日4回。オエ。気持ち悪くなってしまいます。

そこらへんを配慮してか、用量を知らないのかわかりませんが、近隣の医院では1回1本しか処方しない医師もいます。

薬局としても、そんなに処方があるわけでもなく安い薬でもないので、必要最小限の在庫しかしておらず、大量に処方されても困ります。

小児に対する用量はどうかというと、

6ヶ月~2歳までの小児に使用した報告があり、1日5g(1本)を分3で3日間使用して、効果があったという報告の文献がある、とのこと。

結局、口腔カンジダなんて無治療でも治ってしまうものなので、適当な感じなのかな。

フロリードゲルは5分かけて飲み込む?

フロリードゲルは塗り薬のような飲み薬。

口に入れて飲み込む薬。

メーカーの説明書を読むと、

食道カンジダの場合、「5分程度口の中にふくんだあと」少しずつ飲み込む。
添付文書上は「少量ずつ嚥下」としか書いてありませんが。

5分間口の中にふくんでいるのは結構しんどい。

唾液で希釈されてしまうのだけれど、使用法を守るとそれでいいのだろう。

口腔内に塗布する口腔カンジダの場合、「できるだけ長く」口の中にふくんだ後飲み込む。

できるだけ長く、ってどのくらいなんだろうか?

食道カンジダが5分程度だから、口腔カンジダは5分より長くとどめておいたほうがいいような。

「本剤投与後は含嗽、食物摂取を控えさせること。」
服用後少なくとも1時間くらいは、飲食、うがい、歯磨きをしないように合わせて注意する。

「義歯装着患者では十分な効果が得られにくい場合があるので、よく義歯を洗浄し、義歯にも塗布させること。」
入れ歯かどうかの確認も必要。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

1 件のコメント

  • さく のコメント
         

    喘息薬(アドエア)の副作用でカンジタになってたみたいで、この薬が「うがい薬出しとくから」で処方され、今まさに「オエ」ってます。
    声枯れしていて、薬剤師と筆談で説明/質問しましたが、正直、理解できてない。スプーンの裏使って、口の中(頬裏、上顎?下顎?)塗って、しばらく放置?それからうがい? でいいのか?と。
    正しい「服用」の仕方を教えて頂きたいです。
    ※薬は「外用薬」と書かれた赤い袋に入れて渡されました

コメント


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