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アリムタの副作用予防にフォリアミン錠0.1錠?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分31秒で読めます.
5,538 ビュー. カテゴリ:フォリアミン錠0.1錠?
フォリアミン錠1日0.1錠という処方がきた。
ファーストインプレッションで「粉砕メンドクセ」と思いましたが、これは少なすぎるような・・・
と思い、疑義照会しましたが、抗がん剤の副作用予防目的で、この量でOKとのこと。
調べたら、アリムタ(ペメトレキセド)という肺癌に使われる抗癌剤(葉酸代謝拮抗剤)でこの葉酸0.5mgという量が副作用予防目的で投与されるらしい。
アリムタの添付文書には、警告として、
「本剤による重篤な副作用の発現を軽減するため、必ず葉酸及びビタミンB12の投与のもとに本剤を投与すること。」
と書かれている。
使用上の注意には、
「本剤による重篤な副作用の発現を軽減するため、以下のように葉酸及びビタミンB12を投与すること。
葉酸:本剤初回投与の7日以上前から葉酸として1日1回0.5mgを連日経口投与する。なお、本剤の投与を中止又は終了する場合には、本剤最終投与日から22日目まで可能な限り葉酸を投与する。」
と書かれている。
葉酸0.5mgという少ない量でよいのですね。
というかリウマトレックスで葉酸5mg/週ってのも多いのかも知れない。効果減弱しがち。アリムタの場合は連日投与だし。
葉酸0.5mg/日といっても、妊娠中の推奨摂取量より多いわけだし、十分なのかな。
調剤用パンビタン末1g中に、ちょうど葉酸が0.5mg含有されており、ビタミンB12も配合されているので、こちらが処方されるほうが多いようだ。
アリムタの副作用
ペメトレキセドの副作用は主に、正常細胞において葉酸が欠乏することで起こります。
その対策として葉酸とビタミンB12を投与するよう添付文書にも記載されています。葉酸を阻害する薬を飲みながら葉酸を投与するのは矛盾するように感じるかもしれませんが、がん細胞では正常細胞よりDNA合成がはるかに速く葉酸必要量も多くなるため、低用量の葉酸を投与した場合は正常細胞の必要量には達しますが、がん細胞の必要量には達しません。その結果、抗腫瘍効果を邪魔することなく正常細胞の副作用を軽減します。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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