2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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単独処方できないパーキンソン病薬は?

エフピー単独投与はダメ?

パーキンソン病治療薬の中には、単独での投与が認められていない薬があります。
パーキンソン病治療薬で、レボドパ製剤との併用が求められているものには、コムタン錠、トレリーフ錠、ノウリアスト錠があります。
単独で処方された場合は、疑義照会が必要となる。

エフピーOD錠も以前は、効能効果が

次の疾患に対するレボドパ含有製剤との併用療法
パーキンソン病(過去のレボドパ含有製剤治療において、十分な効果が得られていないもの:Yahr重症度ステージI~IV)

となっていて、レボドパ製剤と併用しなければなりませんでした。

しかし、2015年12月に改訂され、現在は、単独での処方も可能となっています。

スタレボ配合錠

スタレボ配合錠というパーキンソン病の配合剤が発売されたそうです。
コムタンとレボドパの合剤。
コムレボじゃなくてスタレボ。「スタ」はスタビライザー、安定化装置のことらしいです。レボドパの効果を安定化させる。

コムタンというパーキンソン病の薬の処方をみたことがないので、どの程度需要がある薬なのかわからない。

スタレボの添付文書をみると、
「原則として、本剤はレボドパ・カルビドパとエンタカポンの併用投与を行っている患者に対し、既存治療に替えて使用する。」

コムタンの添付文書には、
「本剤はレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩投与による治療(少なくともレボドパとして1日300mg)において、十分な効果の得られない患者に対して使用すること。」

と書かれているので、メネシット→メネシット+コムタン→スタレボ、という処方の流れになるのかな。
でも、原則なのでメネシット→スタレボという流れもアリ。

しかし、スタレボ配合錠の効能効果を見ると、
「パーキンソン病〔レボドパ・カルビドパ投与において症状の日内変動(wearing-off現象)が認められる場合〕」
となっており、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩(マドパー、ネオドパゾール、イーシー・ドパール)との併用が認められていないようだ。なぜだ。
コムタンの効能効果は、
「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」
となっており、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用が認められているので解せない。
マドパー→スタレボという流れはナシになる。

COMT阻害薬の特徴

COMT阻害薬としてわが国では、エンタカポンが使用可能となっている。
エンタカポンは、末梢のみに作用し、半減期もレボドパ同様短いためレボドパ合剤と一緒に服用する。
阻害作用も可逆的である。

末梢COMT阻害薬は、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジドと併用され、レボドパから3-O-メチルドパ(3-OMD)の代謝経路を阻害することでレボドパの生物学的利用率を増大させ、血中レボドパの脳内移行を効率化する。

末梢カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することにより、末梢でのL-ドパの代謝分解を遅延させ、高い血中濃度を維持することによって脳内への持続的移行を可能にする。

従ってL-ドパ製剤(配合剤)と併用することによってのみ効果が発揮され、その効果はL-ドパの増量効果と基本的には同じである。

パーキンソン病では脳内のドパミンが不足することで手足の震えや筋肉のこわばりなどがおこる。
パーキンソン病の治療で使うレボドパは体内に入り脳内へ移行した後、ドパミンに変化し効果をあらわす。しかし、レボドパは脳内に入る前に分解されてしまうことがあり、その場合脳内に移行できなくなり効果が低下する。レボドパを分解する酵素にCOMTがある。

COMT阻害薬はCOMTを阻害することでレボドパの分解を防ぎ、レボドパの脳内への移行を促進させる作用をもつ。結果的に脳内でのドパミン量が増え、パーキンソン病の症状を改善させる。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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