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手が震えるのはパーキンソン病が原因?
公開. 更新. 投稿者:パーキンソン病.この記事は約7分58秒で読めます.
2,305 ビュー. カテゴリ:パーキンソンと本態性振戦の違いは?
手が震えるという高齢者の方は多い。手が震えるからといって、パーキンソン病とは限らない。
大まかに言って、動作時に細かい震えが出現するなら本態性振戦。
体がリラックスしている静止時に、上肢や下肢がゆるやかに震えるならパーキンソン病の可能性がある。
震えが片側性で、時に体が固まったような姿勢を取り、動きに緩慢な感じがあれば、パーキンソン病である確率はさらに高い。
病名 | 老人性(本態性)振戦 | パーキンソン病 |
---|---|---|
発症年齢 | 10~80歳(10代の思春期と50代の初老期に多い) | 40~70歳(50代の初老期に多い) |
性差 | 男≦女 | なし |
好発部位 | 上肢、頭、声(声の震え)、舌 | 上肢、下肢 |
家族歴 | ときにあり | なし |
主症状 | 振戦 | 振戦、固縮、無動 |
随伴症状 | なし | 動作緩慢、歩行障害 |
頭部の振戦 | 多い(頭を左右に振る) | まれ |
振戦の特徴 | ・静止(安静)時にはない・姿勢時、動作時に出現する・やや速い振戦(5~10Hz)・飲酒で振戦が軽快する事多い | ・静止(安静)時に出現・遅い振戦(4~6Hz)・丸薬を丸めるような運動(pill rolling tremor) |
治療薬 | β受容体遮断剤(塩酸アロチノロール) | 抗コリン薬(トリヘキシフェニジル)、ドパミン作動薬(L- ドパ) |
パーキンソン病の患者さんで、手の震えが大きい方が、字を書くときには震えが治まり、キレイに字をかけていたことを思い出しました。
動作をするときには震えが治まる。
それが安静時振戦。
振戦の分類
安静時振戦は、安静時に最も著明に表れ、手などを意識して動かすとき(随意運動中)は減弱もしくは消失する震えである。
最も典型的な原因はパーキンソン病で、患者の7割が安静時振戦を初期症状として受診する。
姿勢時振戦は、手を上に挙げる(挙上位)など、特定の姿勢を取ったときに出現する震えである。
最も代表的なものは本態性振戦である。
これは、上肢や頭部の姿勢時振戦がほぼ唯一の症状である良性疾患。
水を注ぐ、はしを使うなどの随意運動時にも震えが表れることがあり、精神的な緊張で震えが増強するという特徴がある。
企図振戦と、動作時振戦は、どちらも随意運動中に起こる震えである。
手などを意識して動かしている間は震えるが、動きをやめると震えも止まる。
企図振戦は、水を飲もうとしてコップを手に取り口元に近づける、階段を下りようとして手すりを持とうとするなど、運動の目標(この場合は口元や手すり)に近づくほど震えがひどくなるという特徴がある。
一方の動作時振戦は、運動の目標の有無にかかわらず、随意運動中のみに震えが生じるという違いがある。
両者を運動時振戦としてまとめる分類もある。
企図振戦の「運動の目標に近づくほど震えが増す」という症状は、随意運動をつかさどる小脳の失調により起こり、脳の腫瘍などが原因になっていることがある。
安静時振戦とは?
振戦とは筋肉の収縮、弛緩が繰り返された場合に起こる不随意のリズミカル運動である。
振戦はだれしも起こりうる症状でストレス、不安、疲労、アルコールの離脱症状(禁断症状)、甲状腺機能亢進症(甲状腺の働きが過剰になる)、カフェイン摂取、刺激薬(エフェドリンなど)の使用などで出る場合がある。
ふるえともいう。
本態性振戦によるふるえは、安静時にはほとんど見られず、姿勢時・動作時に現れるのが特徴である。
ふるえ方は通常速く、細かい。
出現部位は上肢が最も多いが、時に下肢、頭部、声、下顎などにも現れる。
適度な飲酒でふるえが改善することが多い。
家族に多発するタイプの本態性振戦は「家族性振戦」と呼ばれる。
臨床上は、やはり振戦を来すパーキンソン病との鑑別が重要になる。
パーキンソン病は大脳黒質の神経細胞変性が原因であり、その振戦は安静時に見られ、丸薬を丸めるような遅いふるえであることが多い。
またパーキンソン病では、振戦のほかに、固縮(手足がこわばる) 、無動(動作が鈍くなる) 、無表情などの症状が見られる。
安静時振戦は安静時には現れない?
パーキンソン病の4大症状といえば、「振戦、無動、固縮、姿勢反射障害」です。
パーキンソン病の振戦は、安静時振戦とも言われます。
安静時振戦は、パーキンソン病に特徴的な振戦である。
メルクマニュアル家庭版, 振戦 91 章 運動障害
安静時振戦: 筋肉が休んでいるときに起きる、ゆっくりとした動きの粗いふるえで、患者が完全にリラックスした状態なのに腕や脚がふるえます。安静時振戦は、基底核を含む大脳の底部にある神経細胞群が障害されると起こります。そのような障害をもたらす原因には、パーキンソン病、リチウムや抗精神病薬などの使用、重金属による中毒(たとえば体内に銅が蓄積されるウィルソン病)などがあります。
しかしこの「安静」というのは筋肉がリラックスした状態という意味で、心身ともにリラックスした安静状態では安静時振戦は現れにくいという。
誤解してました。
上肢の安静時振戦は、字を書くときなどの動作時には止まる。
安静時振戦の「安静」とは、観察対象部位(多くの場合は上肢)に限定した「安静」であり、語学的な意味の心身共にリラックスした状態の「安静」とは異なる。
待合室で膝の上に手を置いて(上肢のみを安静にした状態で)、精神的に緊張して呼び出しを待っているときなどに起きやすい。
歩行時に現れる上肢の振戦は(動作緩慢のため手の振りがないので、上肢は「安静」になっていることから)安静時振戦と考える。
お酒を飲むと手の震えが止まる?
お酒を飲むと手の震えが止まる、と聞くとアル中かな?と思いますが、本態性振戦でも飲酒によって症状は軽減されます。
普通の人でもお酒を飲んで緊張を和らげるという人はいますね。
本態性振戦とアルコール依存症は全く関係ありません。
アルコール依存症の特徴
アルコール依存症は、ある一定の期間、一定の量の飲酒を続けることによって、誰もが発症する可能性のある疾患である。
アルコール依存症の患者は全国で82万人存在し、男性では約2%、女性では約0.1%がアルコール依存症と診断されると推定されている。
依存症になると、飲酒のコントロールができなくなり、さまざまな問題が出現しても、量を減らしたり禁酒することができなくなる。
肝障害などの身体的な問題だけではなく、仕事上の問題、家庭内の問題、精神的な問題や事故などを引き起こす原因となるため、その影響はとてつもなく大きい。
近年は、女性と高齢者のアルコール依存症患者が増加してきており、大きな問題となっている。
パーキンソン病は画像診断できない?
パーキンソン病は特別の画像(CT、MRI)や検査で診断できません。
臨床症状とパーキンソン症候群の除外により診断します。
脳梗塞や他の変性症の診断にはMRIは、とても有効な診断法となります。
パーキンソン病と痛み
パーキンソン病の4大症状は、手足が震える(振戦)、関節が硬い(筋強剛)、動きが遅い(動作緩慢/無動)、バランスがとりづらい(姿勢反射傷害/転び易い)ことです。
最も特徴的な症状は動作が緩慢になることで、中には表情ひとつ変えず、寝返りもしない方もいます。
関節の硬さも特徴的な症状の1つで、関節を動かす時に強い抵抗を感じます。
手足の震えはリラックスした時に起こる安静時振戦が特徴ですが、中には力を入れた時に震えが起こる方もいます。
姿勢反射とは、身体が傾いた時に重心を移動させて姿勢を立て直すことですが、パーキンソン病ではこれが障害されるので、転倒し易くなります。
この他にも、同時に2つの動作ができない、自由な速さのリズムで運動できない、といった症状を伴います。
初期症状としては振戦や動作緩慢が多いのですが、中には痛みで発症する場合もあります。
動かないパーキンソン病患者に薬は必要か?
寝たきりのパーキンソン病患者の介護者から、「動かないのに薬は必要なの?」と聞かれることがある。
寝たきりで動かないといっても、全く動かない人間はいない。
薬を飲んで関節の拘縮がやわらげば、介護も楽になる。
パーキンソン病患者の汗のかきかた
パーキンソン病の患者さんでは、汗の分泌が上半身で多くなり、下半身で少なくなる例などが報告されています。
顔に汗をかくのが気になるからと、水分を控えてしまう患者さんもいます。
足が冷えるからと、エアコンを使わないようにしている患者さんもいます。
熱中症が心配になります。
エアコンを使って室温を一定に保ち、こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。
パーキンソン病
パーキンソン病は中年期以降に発症する比較的頻度の高い錐体外路系の変性疾患であり、振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害の四症状を特徴とする。
パーキンソン病では中脳黒質ドパミン神経細胞が選択的に変性脱落し、線条体のドパミンが著明に減少、神経細胞に広範にレビー小体という特徴的な細胞質内構造物が出現する。
パーキンソン病以外の変性疾患、薬剤、脳血管障害などでパーキンソン様症状がみられる場合をパーキンソン症候群と呼んでいる。
振戦・・・ふるえのこと。特徴として、何もしていない時にふるえる「安静時振戦」が見られます。手だけでなく、足や顎もふるえることがあります。
筋固縮・・・筋肉の緊張が強くなり、手足の動きがぎこちなくなります。関節が固くなり、他人が動かそうとしても抵抗があります。(歯車様)
無動・・・動作の開始に時間がかかり、動作そのものも遅くなります。目のまばたきが減り、顔の表情が硬くなります。字が小さくなります。(小字症)
姿勢反射障害・・・体を後方に押されると足が出ず、バランスを保持できなくなり、転びやすくなります。
中脳黒質のドパミン神経細胞減少により、これが投射する線条体(被殻と尾状核)においてドパミン不足と相対的なアセチルコリンの増加がおこり、機能がアンバランスとなることが原因と考えられている。しかしその原因は解明には至っていない。
パーキンソン病ではドパミン減少しているので、L-ドパ(レボドパ)を投与しドパミンを補う治療法が最も理にかなっている。
しかし、長期投与により、症状の日内変動(wewring-off現象、on-off現象、no-on/delayed on現象)、ジスキネジア、精神症状などを起こす問題がある。
中枢以外での脱炭酸化を抑えたL-ドパを高濃度に中枢へ移行させるためにL-ドパとドーパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)との合剤が用いられている。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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