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パーキンソン病の原因はレビー小体?
公開. 更新. 投稿者:パーキンソン病.この記事は約2分38秒で読めます.
2,784 ビュー. カテゴリ:レビー小体とは?

レビー小体は神経細胞の中にできる異常なたんぱく質のかたまりで、特にドーパミンやアセチルコリンなどの神経伝達物質を分泌する神経に多く現れます。
レビー小体が関与する病気をまとめて「レビー小体病」と呼び、代表的なものに次の2つがあります。
・パーキンソン病(PD):中脳黒質にレビー小体が出現し、ドーパミン神経が減ることで運動障害を起こす。
・レビー小体型認知症(DLB):レビー小体が大脳皮質にも広く分布し、認知機能にも影響。
パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係
レビー小体型認知症は、認知機能の変動、幻視、パーキンソン症状を特徴とし、アルツハイマー型認知症に次いで多いとされています。
パーキンソン病のあとに認知症が加わると「認知症を伴うパーキンソン病(PDD)」と呼ばれ、DLBと連続した病態と考えられます。
幻視や睡眠障害、うつ症状、自律神経障害などもDLBの特徴です。
アリセプトとレビー小体型認知症
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル(アリセプト)は、2014年からDLBにも適応拡大されました。
認知機能の進行抑制に効果があるとされ、アルツハイマー型認知症よりもDLBに効果的という報告もあります。
ただし、パーキンソン症状を悪化させる可能性があるため、症状のバランスを見ながら慎重に使用する必要があります。
・DLBは薬剤過敏性が高く、治療は基本的に低用量から開始。
・パーキンソン症状が強い場合は、レボドパなどを少量から使用。抗コリン薬は避ける。
抗認知症薬はドネペジルのほか、メマンチン(メマリー)も補助的に使われます。メマリーはパーキンソン症状に影響を与えにくい利点があります。
介護・ケアのポイント
・DLBでは記憶障害よりも注意力や認識の変動が目立つ。
・幻視が見える場合、否定せず受け入れる対応が望ましい。
・環境調整、安心感を与える声かけ、転倒予防が重要。
・抗精神病薬には過敏なため、原則的には使用を避けるか慎重に使用。
DLBとアルツハイマー病の違い
特徴 | DLB | アルツハイマー病 |
---|---|---|
初期症状 | 幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状 | 記憶障害(近時記憶) |
MRI | 海馬の萎縮は軽度 | 海馬の萎縮が顕著 |
機能画像検査 | 後頭葉の血流低下 | 側頭葉の血流低下 |
その他 | MIBG心筋シンチで取り込み低下 | 異常なし |
DLBは症状が多彩で誤診も多いため、正しい診断と対応が重要です。特に薬剤の使い方には注意が必要です。


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