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アリセプトは本人が服薬管理できるのか?
公開. 更新. 投稿者:認知症.この記事は約3分32秒で読めます.
2,109 ビュー. カテゴリ:認知症患者の飲み忘れ
認知症の薬って自分で管理できてるの?
コンプライアンス不良と言った場合には、「飲み忘れ」というのが頭に思い浮かぶ。
しかし、認知症患者においては、「飲み忘れ」だけでなく、「飲んだこと忘れ」ということもあり、飲んだのに飲んでいないと思いこみ、再服用してしまうという事態も想定される。
その場合は、過量服用による副作用も懸念されるので、飲み忘れよりも深刻な状況に陥るかも知れない。
認知症患者に対して薬局でできるサポートといえば、一包化とか服薬カレンダーの活用しか思い浮かばないが、在宅に出向くことも今後必要になってくるのかと思う。
アリセプトの服薬管理
アリセプトの添付文書の使用上の注意に、「医療従事者、家族などの管理のもとで投与すること」と書かれている。
しかし、服用する本人に服薬指導をすることも少なくない。
本当に飲めているのか。不安に思う。
アリセプトは1日1回いつ服用してもよい薬です。
一番飲み忘れの少ないタイミングの服用を検討する。
家族や介護者のサポートが難しい場合、地域連携の窓口などに相談する方法もある。ってさ 。byメーカーパンフレット
認知症患者の服薬管理の負担
家族が服薬を確認している、といっても様々。
飲み終わるまで傍で見守る。
本人に飲んだかどうか確認する。
薬の殻を見て確認する。
本人が飲んだと言っていても、薬の殻だけあったとしても、本当に飲んだかどうかはわからない。
タンスの中に隠しているってことも。
その点貼り薬なら、貼ってあるのを見れば、きちんと使っているのが確認できる。
貼り替え忘れ、とかはあるかも知れないけど。
認認介護の時代
国内の認知症患者は300万人といわれているが、高齢の認知症患者が単身で生活していたり、夫婦ともに認知症で「認認介護」になっているケースもある。
アリセプトを飲んでいる夫の服薬管理をしている妻もアリセプトを飲んでいる、なんて時代。
認知症患者とはコミュニケーションが取れない?
認知症が重度になると、会話が成立しなくなるようですが、ある程度までは会話は成立します。
医者が見ても、なかなか認知症を発見しにくいのは、普通に会話ができているから、というのもあります。
認知症だからといって、コミュニケーションが取れないと放棄してしまうのではなく、いつまでも相手を尊重し理解しようとする気持ちを持ちたいものです。
認知症患者の服薬拒否
認知症の方は、その症状から自分自身を認知症だと理解できないことが多く、服薬を嫌がることがあります。
説明が理解できないほど高度な認知症症状に至った人でなくても、認知症の症状で自分自身が生活に支障はないと思っている場合、治療のための服薬を受け入れるのは難しいことが多々あります。
また、世代的に高齢者は、どんな薬であっても「薬」を飲むこと自体に抵抗感をもっていることが多く、そのことがさらに服薬の受け入れを困難にしています。
現代の若い人がサプリメントを日常的に服用するのとは対照的です。
このため、(処方されている薬剤の種類にもよりますが)やむを得ない場合は食事や飲み物に混ぜて服用してもらうケースも少なくありません。
このように、残念ながら認知症の方の服薬をスムーズにするよい方法というのはありません。
あきらめずに根気よく、その方に合わせた方法がみつかるまでさまざまな服用スタイルを試行錯誤していただかなければならないでしょう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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