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ビスホスホネートはなぜ起床時?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約2分38秒で読めます.
11,914 ビュー. カテゴリ:起床時服用
ビスホスホネート製剤は、非常に吸収されにくく、食べ物により吸収がさまたげられるので、空腹時に飲まないといけません。
ビスホスホネート製剤は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが存在することで、キレートを形成し、著しい吸収低下を示し、その作用は食後3時間後に服用してもほとんど吸収されません。したがって、起床時、食物を接種していない状態で服用しなければなりません。もちろん、カルシウム製剤、マグネシウム製剤、ミネラルウォーターとの併用も避けるべきです。
また、ビスホスホネート製剤は、食道に滞留することにより食道粘膜に対し刺激作用を示すおそれがあるので、本剤を速やかに胃内へ到達させる必要があります。
薬が胃酸とともに食道に逆流して粘膜を荒らすおそれもあります。
そのために、コップ1杯の水で服用し、かつ服用後は服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)ならびに他の薬剤の経口摂取も避けなければなりません。起臥状態が保てない患者には、禁忌です。
ビスホスホネート製剤の説明書には、「毎朝、起きたときに1錠をコップ1杯の水(約180cc)と一緒に飲んでください。飲んでから少なくとも30分間は横にならず、水以外の飲食、他のお薬の服用は避けてください。」と書かれています。
面倒ですね。
ビスホスホネートは起床時に飲まないとダメ?
ビスホスホネート系の薬の用法は、起床時となっているため、処方せん上の用法も起床時でない場合には疑義照会が必要となります。
しかし、空腹時に飲めば良いので、必ずしも起床時に飲まなければいけないというわけでは無いのではないか?
とある雑誌に、「昼食1時間前、または夕食1時間前で対応可能」と書かれていたが。
アクトネル錠2.5mgの添付文書の「食事の影響」をみると、
・絶食時投与:Cmax=2.85±1.46 ng/mL、AUC0-24=10.42±6.20ng・h/mL
・食後3時間投与:Cmax=0.38±0.23 ng/mL、AUC0-24=1.52±1.50ng・h/mL
と、食後3時間たっても血中濃度がかなり低い。
朝食が8時くらいの人が12時に昼食を食べるとしたら、11時半にビスホスホネートを飲んでも大丈夫とは言えないだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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