ビラノアは空腹時に飲まなきゃダメ？

新規抗ヒスタミン薬ビラノア錠の用法

ザイザル以来、久々に抗ヒスタミン薬が出るらしい。
デザレックスとビラノア。

ザイザル（レボセチリジン）はジルテック（セチリジン）のＲ体、デザレックス（デスロラタジン）はクラリチン（ロラタジン）の活性代謝物であることを考えると、まったくの新規抗ヒスタミン薬として、ビラノアは久々の新薬と言えよう。

ビラノア錠20ｍｇ（ビラスチン）
■効能・効果
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患（湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症）に伴うそう痒
■用法・用量
通常、成人にはビラスチンとして1回20mgを1日1回空腹時に経口投与する。

「1日1回空腹時」という用法に使いづらさを感じる。

1日1回寝る前はＯＫということですね。
1日1回寝る前という用法よりは、むしろ柔軟性のある用法なのかもしれない。

しかし、食後で処方されることはあるだろう。
インタビューフォームによると、食事の影響は、

健康成人男性20例を対象に空腹時または高脂肪食（900kcal以上で、総エネルギーに対する脂質の占める割合が35%以上）後に本剤20mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に比べ食後投与時のAUC0-tは1283.53ng・hr/mLから770.59ng・hr/mLへ約40%、Cmaxは 277.86ng/mLから120.18ng/mLへ約60%低下し、tmaxは1.03時間から3.03時間に延長したことから、本剤の経口投与では食事の影響を受け、バイオアベイラビリティが有意に低下することが確認された（食後投与の空腹時投与に対する幾何平均値の比の90%CI#、AUC0-t ： 0.5574〜 0.6839、Cmax ： 0.3665〜0.5669）。
#：生物学的同等性の許容範囲は0.80〜1.25

AUCが約40％低下、Cmaxが約60％する。
効果半減という感じだ。

寝る前で処方されることが多そうだが、寝る前に食べる人も結構いるので注意が必要だ。
ビラノアの臨床試験では、空腹時として食事の1時間以上前または2時間以上後に投与しているが、臨床現場では就寝前服用を指示されることも少なくないと思われる。しかし、患者の生活スタイルによっては夕食後すぐに就寝する可能性もあるため、交付時には患者の生活スタイルを確認し、空腹時に服用するよう指導する必要がある。

ビラノアは空腹時に飲まないと効果が半減する。