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ビスホスホネート服用中に抜歯しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約11分58秒で読めます.
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抜歯時にビスホスホネートを中止しなくていい?
常識は刻一刻と変わり続けるものです。
「抜歯時でもビスホスホネート製剤は続ける」というのが現在の常識のようです。
抜歯時など歯科治療時に、ビスホスホネート系骨粗鬆症治療薬を飲んでいると、顎骨壊死のリスクが高まるので、「抜歯時にはビスホスホネートは休薬する」というのが、2012年~2016年ころの常識でした。
2012年に発表された、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会による「ビスフォスフォネート関連顎骨壊死に対するポジションペーパー」の中で休薬が推奨されていたためです。
しかし、2016年に発表された、顎骨壊死検討委員会による「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理: 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016」では、抜歯前にビスホスホネートを中止しても、顎骨壊死の発症予防にはつながらないと書かれており、休薬を推奨してはいない。(「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」では「原則として抜歯時にBP製剤およびデノスマブ製剤(両者を合わせてARA[antiresorptive agent])を休薬しないことを提案する」と明記された。)
ビスホスホネートと顎骨壊死が無関係というわけではないが、休薬しても顎骨壊死のリスクが減るというエビデンスはなく、ビスホスホネートを中止することによる骨折などのリスク上昇も懸念されている。
抜歯が必要な患者に対して、休薬の指示をしてもらって、それから3か月後に抜歯。という流れが、歯科と整形外科の連携が必要で時間もかかるし、その間抜歯すべき歯が放置されるというのは、逆に口腔内の環境悪化につながり、BRONJを引き起こすことも考えられる。
ビスホスホネート休薬よりも口腔内の清潔を保つほうが大切です。
しかし、全ての歯科医師が「抜歯時にビスホスホネートを中止しなくてもいい」と考えているわけではないので、ビスホスホネート服用中の患者に対して、歯科医に服用薬を伝えるよう指導することは必要です。
※以下の記事は古いものです。2016年には顎骨壊死検討委員会による「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理: 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016」が発表され、抜歯前にビスホスホネートを中止しても、顎骨壊死のリスクが減るというエビデンスは見いだせず、現在では中止しないという選択が取られることが多いです。
ビスホスホネートと顎骨壊死
ビスホスホネート系とよばれる骨粗鬆症の薬の副作用に、顎骨壊死という副作用があります。
経口ビスホスホネート製剤による治療期間が3年を超える場合、治療期間が3年未満でもコルチコステロイドを長期併用している場合、抜歯やインプラントの埋め込みなどの侵襲的な歯科処置を行った場合、はビスホスホネート製剤投与に伴う顎骨壊死・顎骨骨髄炎の発症リスクが上昇します。
発症のメカニズムは明らかにされていませんが、「ビスホスホネート製剤により骨代謝モデルが過度に抑制され、顎骨においても微小骨折が蓄製し、血管新生も抑えられて骨細胞の壊死・アポトーシスに至る」「ビスホスホネート製剤の抗血管新生抑制作用が顎骨壊死・顎骨骨髄炎の病態生理に関与している」、という二つの説が有力視されています。
歯科処置が予定されている患者で、その全身状態からビスホスホネート製剤を中止しても差し支えない場合は、少なくとも歯科処置の3ヶ月前から投与を中止し、処置部位の骨が治癒経口を認めるまでは、再開するべきではないとされています。
ビスホスホネートの副作用
経口ビスホスホネート製剤の副作用といえば、食道や胃腸などの消化器障害が主に問題とされてきた。
ところが、ビスホスホネート製剤投与中の患者に顎骨壊死と顎骨骨髄炎を発症する例が報告され、注意喚起されるようになった。
顎骨壊死・顎骨骨髄炎とは、顎を形成する口腔の骨(顎骨)の組織が何らかの原因で欠損したり炎症を起こす病態である。
2003年に米国で初めて静注用ビスホスホネート製剤を使用していた患者において顎骨壊死が報告され、その後も静注用製剤の使用に伴う報告例が相次いだ。
その後、骨粗渥症に対する経口製剤においても、静注用に比べ頻度は低いものの、顎骨壊死・顎骨骨髄炎 を発症することが明らかになっている。
特に、⑴経口ビスホスホネート製剤による治療期間が3年を超える場合、⑵治療期間が3年未満でもコルチコステロイドを長期併用している場合、⑶抜歯やインプラントの埋め込みなどの侵襲的な歯科処置を行った場合は、ビスホスホネート製剤投与に伴う顎骨壊死・顎骨骨髄炎の発症リスクが上昇する。
発症のメカニズムは明らかにされていないが、(1)ビスホスホネート製剤の投与により骨代謝回転が過度に抑制され、顎骨において微小骨折が蓄積し、血管新生も抑えられて骨細胞の壊死・アポトーシスに至る (2)ビスホスホネー卜製剤の抗血管新生抑制作用が顎骨壊死・顎骨骨髄炎の病態生理に関与している、という二つの説が有力視されている。
発症頻度は、日本口腔外科学会全国調査によると、約0.01~0.02%とされる。
歯科処置が予定されている患者で、ビスホスホネー ト製剤の服用期間が3年以上の場合や、3年未満でも骨折リスクを有する患者では、休薬が検討される。
休薬する場合は、少なくとも歯科処置の3か月前から投与を中止し、処置部位の骨が治癒傾向を認めるまでは、再開すべきではないとされている。
なお、ビスホスホネート製剤を投与中の患者では、歯科の外科的処置が必要にならないよう、含嗽薬などで、口腔内を清潔に保つことや、定期的に歯科検診を受けることも大切である。
口腔内の不潔は顎骨壊死の危険因子でもある。
また、歯科受診時に同製剤の服用歴を伝えるよう指導することも忘れてはならない。
ビスホスホネート使用中の歯科治療
歯科治療はできる限り避けることが望まれる。
BP系経口剤投与患者では、投与期間3年以上もしくはリスクファクターがある場合は、2~3カ月の休薬期間を設けてから、歯科治療を行うようにする。
一方、投与期間3年未満でリスクファクターがない場合は、休薬せずに歯科治療を行う。
治療後は術創が再生粘膜上皮で完全に覆われる2~3週間後か、十分な骨性治癒が期待できる2~3か月後に再開することが望ましいとされている。
ビスホスホネートの歯科処置前の休薬期間は?
歯科処置が予定されている患者で、その全身状態からビスホスホネート製剤を中止しても差し支えない場合は、少なくとも歯科処置の3ヶ月前から投与を中止し、処置部位の骨が治癒経口を認めるまでは、再開するべきではないとされています。
ビスフォスフォネート使用期間が3年以上の場合は、可能であれば1年間の休薬が望ましい、とも。
1年は長いなあ。
BRONJ
骨を丈夫にするための薬で骨が腐ってしまうというのはなんとも皮肉な話ですが、ビスホスホネート系の薬による顎骨壊死というのがあります。
顎骨壊死とは、あごの骨の組織や細胞が局所的に死滅し、骨が腐った状態になることです。あごの骨が腐ると、口の中にもともと生息する細菌による感染が起こり、あごの痛み、腫れ、膿が出るなどの症状が出現します。
ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死は、典型的には歯ぐきの部分の骨が露出します。無症状の場合もありますが、感染が起こると、痛み、あごの腫れ、膿が出る、歯のぐらつき、下くちびるのしびれなどの症状が出現します。
顎骨壊死の発生頻度は、経口薬と比較して圧倒的に注射薬で高いとされていますが、経口薬でも生じる場合があります。
ビスホスホネート系薬剤に関連した病変が生じる部位は、現在のところあごの骨に限られています。ただ、一度発症すると完全に治癒するのは困難です。
なぜ顎の骨か
ビスホスホネート製剤関連顎骨壊死は、少なくとも8週間ビスホスホネート製剤を服用し続けた患者に起こった骨壊死として定義されています。
その発症機序、発生率、対処法や予防法など、いまだ不明な点が多々あります。
しかし、発症機序の一つとして、ビスホスホネート製剤の長期投与による過度の骨吸収抑制や血管新生抑制作用が関与しているという説があります。
また、顎骨という特定の部位に起こる原因としては、咀嚼や会話によりつねに機械的刺激を受けていることが関連していると考えられています。
したがって、危険因子として、抜歯、炎症、口腔内不衛生などがあげられています。
また、薬剤ではステロイド薬、免疫抑制薬、その他多くの化学療法剤も危険因子にあげられています。
飲み薬なら安心?
BP系薬剤の添付文書の記載では、すべて顎骨壊死の発生頻度は不明となっているが、2006~2008年に日本口腔外科学会が行った全国調査の結果では、国内248施設から約2年間で250を超える発症例が報告されている。
その内訳は注射剤によるものが約60%、経口剤によるものが約40%と報告され、注射剤と経口剤で発現頻度に大きな差がみられる。
アレンドロン酸ナトリウム水和物 (ボナロン)などのビ スホスホネート製剤は、強力な骨吸収抑制作用を示すため、骨粗鬆症の薬物治擦において第一選択薬として用いられることが多い。
歯磨きで顎骨壊死予防
ビスホスホネート製剤の重大な副作用の1つに、顎骨壊死(BRONJ)があります。
これは、BP製剤を投与されているがん患者や骨粗鬆症患者が、抜歯などの侵襲的な歯科治療を受けた後に、その創傷部が治癒せず、顎骨の露出や壊死を起こす病態です。
2003年に初めて報告されて以降、様々な議論があったが、現在では口腔管理を入念に行う、あるいは歯茎などの歯周組織や歯の根元の病変を除いておけば、発生を予防できることが明らかになっています。
BRONJ発生のリスク要因は、骨への侵襲的な歯科治療のほか、口腔衛生不良、歯周病、癌、糖尿病などがあり、発生頻度は、経口BP製剤で治療中の骨粗鬆症患者10万人当たり1.04~69人、静注投与では患者10万人当たり0~90人とされている。
高齢者は虫歯治療や歯周病などで抜歯が必要な場合も少なくありません。このためビスホスホネート製剤服用時には口腔内の清潔に加え、歯科を受診する際にその旨を主治医に相談するよう説明する必要があります。
特に口腔衛生状態の不良は局所リスクファクターとして挙げられるため、口腔内の清潔の重要性を認識してもらうことが大切になる。
ビスホスホネート製剤を使用中の患者には、歯科受診時に併用薬を伝えることと、毎日の歯磨きをしっかり行うことを注意として伝えたい。
BRONJとDRONJとARONJ
ビスホスホネートを使っている患者で、抜歯するときに中止するという話は薬剤師であれば誰もが知っている話。
で、中止しないこともあるという話も。
2016年に顎骨壊死検討委員会による「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理: 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016
」が発表され、抜歯前にビスホスホネートを中止しても、顎骨壊死のリスクが減るというエビデンスは見いだせず、現在では中止しないという選択が取られることが多いという。
しかしビスホスホネートの添付文書上では、以下のように書かれており、
ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
薬剤師的には、歯科医の判断を仰ぐよう患者には伝えておくべき。
ビスホスホネートによる顎骨壊死(がっこつえし)のことを、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死(Bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaw;BRONJ、ブロンジェイ)と言います。
しかし、骨粗鬆症治療薬で顎骨壊死を起こすのは、ビスホスホネートだけではありません。
プラリア(デノスマブ)の副作用にも顎骨壊死があり、ビスホスホネートと同様の注意事項が添付文書に書かれています。
つまりこれは、ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死ではなく、デノスマブ関連顎骨壊死(denosumab-related ONJ、DRONJ、ドロンジェイ)なのです。
薬剤によって名称を変えるのも面倒だということで、これらの薬剤関連顎骨壊死をまとめて、骨吸収阻害薬関連骨壊死(Anti-resorptive agents-related ONJ、ARONJ、アロンジェイ)と呼ぶようになりました。
骨粗鬆症治療薬は骨吸収抑制薬と骨形成促進薬に大別される。
骨吸収抑制薬には、ビスホスホネートやデノスマブ、SERMが含まれる。骨吸収阻害薬関連骨壊死といっても、SERM(エビスタ、ビビアント)で顎骨壊死副作用を起こすことは無い。
骨形成促進薬には、活性型ビタミンD3製剤やビタミンK2製剤、カルシウム、副甲状腺ホルモン製剤(フォルテオ)が含まれるが、もちろんこれらでも顎骨壊死の副作用報告はない。
フォルテオで顎骨壊死を起こすことはない?
フォルテオ(テリパラチド)の主な副作用は、血中尿酸上昇、頭痛、悪心、筋痙縮などで、顎骨壊死や顎骨骨髄炎の報告はない。
フォルテオは副甲状腺ホルモン(PTH)製剤であり、PTHの活性部分であるN端側34残基のペプチドを遺伝子組み換えにより合成したもので、前駆細胞の分化促進などにより骨芽細胞を増加させて、骨形成を促進する。
ビスホスホネートで歯石予防?
ビスホスホネートはもともと水道管の水アカ(炭酸カルシウム)除去剤として使用されていました。
そのため、この系統の薬剤は骨の石灰化を抑制する作用があります。
ダイドロネルでは、骨石灰化障害が強いため、休薬期間が設けられていました。
フォサマック、ボナロン以降のビスホスホネートは骨石灰化をほとんど障害せずに骨吸収抑制作用を発揮します。
ビスホソホネートは、古くからピロリン酸と同様に炭酸カルシウムの沈殿を抑制する作用があるため水道管の水垢取りに、また骨ミネラルに親和性が高いこと
から歯磨きの中に入れて歯石防止剤として使用されてきました。
1960年代にFleischらはこの化合物が骨吸収を抑制することを見出しました。
その後、作用メカニズムの研究やビスホスホネートの基本構造であるP-C-P結合の炭素原子に結合する側鎖(R1、R2)の構造活性相関等の研究から、骨の石灰化抑制作用などの作用がなく、選択的に骨吸収抑制作用を有する新しいビスホスホネートの探索研究が進み、1990年代になって強力な骨吸収抑制作用をもつ薬が開発されて
きました。
ベネット錠17.5㎎ 1錠
1週1回 起床時 4日分
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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