記事
インヴェガはリスパダールの強力版?
公開. 更新. 投稿者:統合失調症.この記事は約8分32秒で読めます.
8,999 ビュー. カテゴリ:目次
インヴェガとリスパダールの違い
「インヴェガ®錠」の有効成分であるパリペリドンは、ヤンセンファーマスーティカN.V.社(本社:ベルギー)によって創成されました。本剤は強力な抗ドパミン作用により統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)に優れた効果を示すとともに、抗セロトニン作用により統合失調症の陰性症状(感情的引きこもり、情動鈍麻など)にも効果を有することが確認されています。
本剤は抗精神病薬では初となる浸透圧を利用した薬物放出制御システム(OROS®)を用いた徐放性経口製剤であり、本剤を1日1回、朝食後に服用することで、24時間にわたりパリペリドンを持続的に放出し、定常状態での血中薬物濃度の日内変動幅を抑えます。
統合失調症は長期にわたる維持療法が必要な慢性の精神疾患であり、維持治療期における精神症状の再発、再燃防止と患者のQOL向上が重要な治療目標と位置づけられています。薬物による継続治療においては、患者自身の治療への積極的な参加(アドヒアランス)が重要となります。
今回の承認に際し、ヤンセンファーマのトゥーン・オーヴェルステンズ社長は、以下のように述べています。「抗精神病薬で初となるOROS®技術を用いてパリペリドンを徐放化した新薬であり、確実な症状改善効果と24時間にわたる血中薬物濃度の安定、さらに1日1回朝食後に服薬という簡便性により、患者さんの治療満足度とQOLの向上に寄与することが期待されます」。
ヤンセンファーマでは、2週間に1回で効果が持続する「リスパダール コンスタ®筋注用」、リスパダール®の内服薬4剤(錠剤、細粒剤、内用液、口腔内崩壊錠)を販売しております。今回、「インヴェガ®錠」が新たに製品ラインナップに加わることで、患者さんの要望にあわせた薬剤選択の幅がより広がります。
パリペリドン(インヴェガ)は、セロトニン・ドパミン受容体拮抗薬の一つであるリスペリドン(リスパダール)の主活性代謝物だそうです。
リスペリドン製剤は1日2回投与が必要であるのに対し、インヴェガ錠では、1日1回の投与でパロペリドンの血中濃度を24時間維持できる。
リスパダールとインヴェガの併用はNGってことかな。
でも、精神科医ならやりかねない。
インヴェガの用法は朝食後じゃなきゃダメ?
インヴェガの用法は添付文書上「朝食後」です。
朝食後じゃなきゃダメです。保険請求上は。
でも、朝食食べない患者は結構いる。
ほとんどの患者が昼夜逆転してるし。
どうすりゃいいの。
食事の影響はあるらしい。空腹時より食後のほうが効果が高い。徐放錠なので。
ただ、朝でも昼でも夜でも、大した差は無い。
朝排泄する人が多いからなるべく長く薬を体内に留まらせて・・・とかいう理由らしいけど、まあ、コンプライアンスを良好に保つほうが優先。
リスパダールからインヴェガへの切り替え
リスパダールを漸減して、インヴェガを漸増、みたいな切り替え方じゃなくて良いようで。
スパッと切り替え。
併用は避けることが望ましい、と書いてありますが、リスパダールとジプレキサ等々の併用もあるので、併用もあるんじゃないかと。
リスペリドン1:2バリペリドンという話。
リスパダールは代謝されてから働くので、代謝酵素の個人差によって効き方にムラができます。
その分、活性代謝物であるインヴェガは、安定した効果が期待できると。
インヴェガの用法
インヴェガの用法は1日1回朝食後となっています。
絶対か?絶対朝食後じゃなきゃダメなのか?
ケースバイケースで夕食後ということもあるかと思われる。
持続性製剤だし、問題無いんじゃないのか。
精神病患者って基本的に朝食取らないような気もするし。
なんで1日1回食後で申請しないのか、不思議。
インヴェガの特徴は?
パリペリドンは、セロトニン・ドパミン受容体拮抗薬の一つであるリスペリドンの主活性代謝物であり、セロトニン5-HT2A受容体及びドパミンD2受容体に対する拮抗作用を有する。
統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想など)を改善する効果のほか、陰性症状の一部(感情的引きこもり、情動鈍麻など)に対しても改善効果が認められている。
リスペリドン製剤は1日2回投与が必要であるのに対し、インヴェガ錠では、1日1回の投与でパロペリドンの血中濃度を24時間維持できる。
同剤には、浸透圧勾配を利用した放出制御機構である「OROS」が採用されている。
OROSは、多層構造のコアを硬い半透過性膜でコーティングした構造で、外部と内部の浸透圧差により水を内部に取り込み、水を吸収して膨張した多層構造のコアが押し出すようにして薬物を徐々に放出する。
インヴェガ錠はオロス製剤?
インヴェガはドラム缶のような面白い形をしています。
OROS製剤という放出制御システムを使っているらしい。
そのため、1日1回の服用で効果が持続する。
3mg錠、6mg錠、9mg錠の3規格取り揃えております。
インヴェガ錠3mg 長さ:11mm 直径:5mm
インヴェガ錠6mg 長さ:11mm 直径:5mm
インヴェガ錠9mg 長さ:11mm 直径:5mm
あら不思議。全部同じ大きさ。
薬の量というより、放出制御システムの部分が容量の大部分を占めているからかと思われ。
リスパダール
セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)。
強力な5HT2A/D2遮断作用。
鎮静作用はそれほど強くないが、抗幻覚・妄想作用は強い。
非定型薬の中では錐体外路症状やプロラクチン値上昇を来たしやすい。
注射:1回の注射で効果が2週間持続。
セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA)
セロトニン、ドパミン受容体に対する親和性が比較的高い。
抗セロトニン作用(精神賦活作用等の陰性症状)に対しても効果が期待できる。
主に5-HT2受容体とD2受容体の遮断作用を示す。
なお、5-HT2受容体遮断作用に比べて、D2受容体遮断作用が相対的に強いものはドパミン・セロトニン遮断薬(DSA)と呼ばれることがある。
少量で確実な抗幻覚妄想効果。
セロトニンとドパミンが拮抗することを利用し、中脳ー辺縁系のドパミンを遮断して抗精神病効果を得ながら、セロトニンを遮断することで黒質ー線条体系のドパミンをさほど遮断しないため、EPSが少ないという理論。
リスペリドン(リスパダール)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)がこれにあたる。
抗精神病効果に優れ、体重増加、血糖上昇は少なく、禁忌等もないため統合失調症治療の第一選択薬となる。
しかしプロラクチン値を上げ、無月経、乳汁分泌、射精不能を起こし得る。
ペロスピロンはセロトニン1A受容体の部分作動作用もあり、EPSが幾分少なく、また抗不安・抗うつ効果が期待されるが、鎮静効果はその分弱い。
ブロナンセリンはドパミン選択性がSDAの中では強く、EPSが見られやすいが、脳内移行がよいためプロラクチン値を上げにくい。
SDAとは、薬理学的にはドパミン受容体とセロトニン受容体の遮断作用を併せ持つ薬剤で、特にセロトニン受容体に対する親和性がドパミン受容体に対する親和性を上回っていることが特徴といわれています。
抗精神病薬による抗精神病作用は、主に中脳辺縁系におけるドパミンD2受容体の遮断作用により発現しますが、線条体でのドパミンD2受容体の遮断作用により錐体外路症状が引き起こされます。
SDAではドパミンD2受容体遮断作用により、中脳辺縁系と線条体および前頭前野皮質系でのドパミンD2受容体を遮断しますが、線条体でのドパミン神経はセトロニン神経によって調節されているため、セロトニン5-HT2受容体を遮断することにより、錐体外路症状の惹起を抑制し、前頭前野皮質でのドパミン活性の向上により陰性症状が改善すると考えられています。
また、中脳辺縁系でのドパミンD2受容体の遮断作用はセトロニン5-HT2受容体の遮断により影響を受けないため、陽性症状が改善されると考えられています。
セロトニン・ドパミン遮断薬(SDA;serotonin-dopamine antagonist)
セロトニンとドパミンが拮抗することを利用し、ドパミン神経の中脳-辺縁系路を遮断して抗精神病効果を得ながら、セロトニンを遮断することによってEPSをもたらす黒質-線条体経路をさほど遮断しないため、EPSが少ないという理論である。
リスペリドン(リスパダール)、パリペリドン(インヴェガ)、ペロスピロン(ルーラン)、ブロナンセリン(ロナセン)がこれにあたる。
リスペリドンは抗精神病効果に優れ、体重増加、血糖上昇は少なく、禁忌もないため統合失調症治療の第一選択薬となる。
しかし脳内移行が悪いためプロラクチン値を上げ、無月経、乳汁分泌、射精不能を起こしうる。
パリペリドンはリスペリドンの代謝産物であり、プロラクチン値を上昇させうるが、徐放剤のため立ち上がりは遅く、副作用が少ないことが期待される。
ペロスピロンはセロトニン1A受容体の部分作動作用もあり、EPSが幾分少なく、また抗不安・抗うつ効果が期待される。
ブロナンセリンはドパミン選択性がSDAの中では強く、EPSがみられやすい反面、幻覚妄想症状に効果がより期待できる。
鎮静効果は弱い。
なお、脳内移行がよいためプロラクチン値を上げにくい。
ロナセンはDSA(dopamine-serotonin antagonist)と呼ばれることもある。
SDA(セロトニン・ドパミン遮断薬)の特徴
リスパダール
・統合失調症の他、小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性にも適応をもつ
・ドパミンD2受容体の親和性が強い
・アドレナリンα1A受容体に対する親和性があるため、起立性低血圧に注意
インヴェガ
・リスペリドンの主活性代謝物
・クロルプロマジン換算はリスペリドン:パリペリドン=1:1.5
・腎排泄型薬物
・空腹時投与は吸収を低下させる
・徐放性製剤のため、粉砕、溶解できない
・糞便中に製剤残渣が排泄される
ルーラン
・空腹時投与は吸収を低下させる
・半減期が短いため、1日3回服用
・D2受容体親和性が強いが、D2受容体阻害は比較的短時間で低下するため、リスペリドンに比べ錐体外路症状の発現やプロラクチンへの影響が比較的少ない
・5-HT1A受容体に対する親和性が高く、部分作動薬として働くことから、不安・抑うつの改善が期待できる
ロナセン
・空腹時投与は吸収を低下させる
・CYP3A4阻害薬との併用禁忌
・アドレナリンα1A受容体への親和性は低く、ヒスタミンH1受容体、ムスカリンM1受容体にはほとんど作用しないため、低血圧、眠気、体重増加などの副作用発現が比較的少ない
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
2 件のコメント
リスパダール3mmでぐったり副作用強く、ルーランに変えて3ヶ月一日夕方8mm服用、効果弱く次の日の昼には切れているのか空笑いあり、今回インブェガ6mm服用毎夕、これて妥当?外来通院です。生理数年とまっています。10年くらい前よりリスパだール服用で、インブェガはどうか?生理もきますか?
私の場合、インヴェガを服用して、朝方、眠気が来る為、夕方、服用することになり、眠剤、一日に服用する薬の量が減りました。インヴェガを服用する様になってら、2年、入院せずに済んでいます。インヴェガの㎜数を減らして調子が悪くなった事がありましたが、通院で何とかなりました。後は、体調は、いいのですが、どうも意欲が湧きません。それは、今後の課題です。
インヴェガ6㎎2錠、クエチアピン25㎎、バレリン200㎎1日6錠、チラージンS上50㎎2錠、25㎎1錠、メバロチン錠5 5mg、ディオバン80㎎1錠、アムロジピン5㎎ 1錠、マグミット330㎎ 1錠