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寝たきり患者に使えない薬
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分57秒で読めます.
3,498 ビュー. カテゴリ:長期不動状態にある患者
禁忌に「寝たきり患者」と記載してある薬は無いが、それに近い表現の薬がある。
1つが、「長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者」という記載。
エビスタやビビアントなどの骨粗鬆症治療薬、SERMでみられる。
エビスタやビビアントの副作用として、「静脈血栓塞栓症」がある。俗にいう「エコノミークラス症候群」も含まれる。
長時間同じ姿勢でいると、血栓ができやすくなるので、寝たきり患者にとってハイリスクというわけだ。
もう1つが、「30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない患者」という記載。
フォサマックやボナロンなどの骨粗鬆症治療薬、ビスホスホネート系薬でみられる。
フォサマック/ボナロン、アクトネル/ベネット、ボノテオ/リカルボンでは同じように「30分」なのだが、ボンビバだけは「服用時に立位又は坐位を60分以上保てない患者」という厳しめの記載になっている。
その理由は、寝たきりで上体を起こせなければ、「服用後〇〇分は横にならない」を守れないでしょ?という理由だからだ。
ご存知の通り、ビスホスホネート系薬は、起床時に服用してその後30分は上体を起こして過ごさなければならない。
医薬品名 | 薬効分類 | 禁忌の記載 |
---|---|---|
エビスタ | SERM | 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者 |
ビビアント | SERM | 長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)にある患者 |
フォサマック/ボナロン | ビスホスホネート | 30分以上上体を起こしていることや立っていることのできない患者 |
アクトネル/ベネット | ビスホスホネート | 服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者 |
リカルボン/ボノテオ | ビスホスホネート | 服用時に上体を30分以上起こしていることのできない患者 |
ボンビバ | ビスホスホネート | 服用時に立位又は坐位を60分以上保てない患者 |
というわけで、寝たきり患者に使う骨粗鬆症治療薬には注意する必要があるわけだが、そもそも寝たきり患者は転倒のリスクが少ない?ような気もするが、息をするだけで骨折するという話も聞くので、日常生活動作や介護者による介助で骨折する可能性も高いだろう。
また、寝たきり高齢者にステロイドを使うケースもあるが、ステロイド性骨粗鬆症予防の第一選択薬はビスホスホネート系薬である。しかし、寝たきり患者には使いづらい。
そのような場合は、活性型ビタミンD3製剤や、ビタミンK2製剤が選択肢となる。
寝たきり患者に抗精神病薬を使ってはダメ?
エビリファイ、リスパダール、セロクエル、ジプレキサなどの抗精神病薬の添付文書には、血栓塞栓症の副作用について注意書きが書かれている。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。
抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症(いずれも頻度不明注))等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
抗精神病薬を服用している患者を想像すると、長期臥床や肥満といった患者は多い。
そういう患者は、エコノミークラス症候群(血栓塞栓症)のリスクが高い。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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