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ビスホスホネートの効力比
公開. 更新. 投稿者:骨粗鬆症.この記事は約5分48秒で読めます.
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ビスホスホネートをミネラルウォーターで飲んじゃダメ?
ミネラルウォーターにも色々種類があります。
軟水(硬度100mg/L以下)には南アルプス天然水、六甲のおいしい水、こんこん湧水、ボルビック、クリスタル・ガイザーなど。
中軟水(硬度100~300mg/L)にはテイナント、ハイランドスプリング、バルヴェール、エビアンなど。
硬水(300mg/L)にはヴィッテル、ペリエ、サンペレグリノ、コントレックスなど。
一般的に、日本国内で産出されるミネラルウォーターは軟水のものが多く、欧州で産出されるものには硬水が多いです。
ビスホスホネートはミネラルウォーターで飲んではいけないと言われますが、国内のミネラルウォーターであれば、軟水が多いので、問題ないかと。
ビスホスホネート系の違い
ビスホスホネート系薬剤とは骨を強くして骨折を予防する薬です。
第一世代にダイドロネル、第二世代にフォサマック、ボナロン、第三世代でベネット、アクトネル、リカルボン、ボノテオが発売されました。
フォサマック、ボナロン、ベネット、アクトネルは週1回の服用で効果の出る製剤もあるので、患者さんのコンプライアンスに応じて選ぶことが出来ます。
骨吸収抑制作用の効力比は、
エチドロネート(ダイドロネル) 1
クロドロネート 1~10
パミドロネート 10~100
アレンドロネート(フォサマック、ボナロン) 100~1000
イバンドロネート 1000~10000
チルドロネート 1~10
インカドロネート 100~1000
リセドロネート(アクトネル、ベネット) 1000~10000
ゾレドロネート >10000
ミノドロネート(リカルボン、ボノテオ) >10000
となっており、効果の面では新しい第三世代のほうが良さそうです。
ビスホスホネート系薬剤
ビスホスホネート系の薬剤は、破骨細胞内のメバロン酸代謝経路においてファルネシルピロリン酸(FPP)合成酵素を阻害し、破骨細胞の骨吸収機能を抑制することにより、骨代謝回転を低下させる働きがあります。
そのため骨粗鬆症に使われます。
ピロリン酸類似の合成化合物で、経口投与された場合の吸収率は1~2%に過ぎないが、体内に取り込まれると速やかに骨中のハイドロキシアパタイトに吸着し、破骨細胞のアポトーシスを誘導することにより骨吸収を抑える。
現在用いられている骨吸収抑制薬の中で最も強力な作用をもち、アレンドロネートとリセドロネートは骨粗鬆症治療の第一選択薬となっている。
アレンドロネートはアミノ基含有の第二世代、リセドロネートは第三世代でいずれも欧米の大規模臨床試験で脊椎骨折、非脊椎骨折および大腿骨近位部骨折の防止効果が示されている。
ミノドロネートはわが国で初めて創薬された新薬で既存骨折がある例でも骨吸収マーカーを早期から低下させ、椎体骨折の発生リスクを低下させることが日本人で示された。
ビスホスホネートは腸管からの吸収効率が極めて低く、食餌摂取によりさらに低下するので早朝空腹時に服用する必要がある。
ビスホスホネートが長く食道に留まると食道粘膜の角化細胞を抑制し食道潰瘍や食道炎が生じることがあるので、多量の水で服用し、服用後30分は臥床を避ける。
この煩雑さが患者の服薬コンプライアンスを下げることになるので、アレンドロネートとリセドロネートに関しては7倍量の週1回製剤も発売されている。
さらに海外ではリセドロネートやイバンドロネートの月1回服用、ゾレンドロネートの年1回静脈内投与も行われている。
ビスホスホネートの副作用として注目されている顎骨壊死(BRONJ)は高カルシウム血症や骨転移の治療のためにゾレドロン酸あるいはパミドロネートなどの窒素含有ビスホスホネートの静脈内投与中の癌患者が大半であるが、経口薬でも報告されており抜歯やインプラント手術などの歯科処置でBRONJの発生率が上昇するので注意する必要がある。
高齢者や既骨折のある重度骨粗鬆症に対しては、骨折予防効果の強い第三世代ビスホスホネート薬が第一選択薬となる。
・アレンドロネート、リセドロネート、ミノドロネート投与の場合は、朝食30分前にコップ1杯の水(約180mL)で服用してください。ミネラルウォーターは避け、また服用後少なくとも30分は横にならず、飲食(水を除く)を避けてください。
エチドロネート
・骨密度増加効果があり(グレードB)、椎体・非椎体骨折ともに防止効果あり(グレードB)。
・安全域が狭く、容易に骨軟化症を発症させる。
・骨粗鬆症に対する弱い効果、副作用の観点からアレンドロネートヤリセドロネートの使用不可能な患者での使用が前提。
構造式に窒素を含有しないので、エチドロネート以外を窒素原子含有ビスフォスフォネート製剤と呼び区別することがある。
窒素原子含有ビスフォスフォネート製剤(N-BP)が適用不可能な場合は、第1世代ビスフォスフォネ^トのエチドロネートかSERMを考慮する。エチドロネートは、N-BPに比べて石灰化抑制作用が強く、骨折予防効果は弱い。
アレンドロネート・リセドロネート
・骨密度増加効果、椎体骨折と大腿骨近位部を含めた非椎体の骨折をともに防止(グレードA)。
・ステロイド(プレドニゾロン換算で5mg/日、3ヶ月間以上)投与時の骨折予防薬として最大90%程度の骨折予防効果を有し、第一選択薬。
・骨密度減少の程度の重度な患者や既骨折例などの重傷骨粗鬆症での骨折防止に有効。
・骨吸収抑制効果が強いため、骨マーカーでの効果判定が容易。
・アレンドロネート、リセドロネートともに、週1回1錠の投与が可能となっており、連日投与と同等の効果を有している。
ミノドロネート
・わが国で開発された経口ビスホスホネート薬。
・日本人における椎体骨折防止効果がランダム化プラセボ対照比較試験で明らかとなっている。
・アレンドロネート、リセドロネートと同程度に重症骨粗鬆症での骨折防止に有効。
・連日での経口投与のみ(週1回製剤はない)。
ビスホスホネートの作用機序
体内において、カルシウムは99%が骨格に蓄えられており、そのほとんどがリン酸カルシウムの結晶ヒドロキシアパタイトの形で存在します。
ボナロン錠などのビスホスホネート製剤は、ヒドロキシアパタイトに結合して骨組織へ進入します。
そして、メバロン酸-GG-PP代謝経路における酵素を阻害することにより骨吸収を抑制します。
骨吸収に関わる破骨細胞は、細胞質中に発現している低分子量GTP結合タンパク質のRho-Aがメバロン酸代謝の中間体のゲラニルゲラニルピロリン酸(GG-PP)によってゲラニルゲラニル化されることによって形成され、骨吸収を促進します。
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