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仮性近視はミドリンで治るのか?
公開. 更新. 投稿者:眼/目薬/メガネ.この記事は約5分23秒で読めます.
3,796 ビュー. カテゴリ:仮性近視とは?
仮性近視は近視と呼ばれていますが、近視と近視ではないところのボーダーラインにあるものとして扱われています。
テレビの見過ぎなど目の疲れによる近視は仮性近視に当たります。
通常、目を休めることで回復します。
実際には、目を休ませることで回復するような近視で眼科を訪れることはないでしょう。
仮性近視については様々な考え方があるようで、その存在さえも疑問視されています。
仮性近視は毛様体筋の緊張が長時間続いたために起こる近視状態とされているので、毛様体筋を弛緩させるような目薬が使われます。
仮性近視と近視の違いは?
仮性近視とは、目の調節による一時的な近視のことをいいます。
ただし、仮性近視でも目の緊張を取り除かないで放置していると、近視が進行する場合があります。
近視は、角膜や水晶体の屈折力が強過ぎる「屈折性近視」と、目の屈折力はほぼ正常だが、眼球の前後方向の長さ(眼軸索)が普通より長い「軸性近視」に大別される。
真性近視は軸索が長いことが原因の為、改善しませんが、仮性近視は生活習慣の改善やミドリン等の点眼により改善することがあります。
長時間近くを見続けるなどすると緊張により一時的に元に戻らなくなることがある。(「遠くを見ようとするとかすむ」感覚。)この状態を「仮性近視」と呼び、常態化すると近視となると言われているが俗説である。
水晶体 – Wikipedia
水晶体によるピント調節がうまくいかなくなっている状態が仮性近視。
屈折性近視に含まれる。
低年齢児では、眼球内のレンズを調節する毛様体筋が過度に収縮して、一時的に近視の状態となり、視力が低下する「仮性近視」になりやすい。
真性近視とは軸性近視とも言い、治らない近視。
軸性近視は遺伝的要因によるものが多く、屈折性近視は環境的要因によるものが多い。
現代社会で近視が増えているのは、環境的要因によるものと考えられ、屈折性近視が多い。
視力低下の要因は、スマートフォンなどの使用や学習の長時間化に伴い、物を近くで見る機会が増え、目を酷使していることなどが考えられる。また、屋外での活動時間が減少し、遠くを見る機会が減っているため、視力低下が早まっているとの指摘もある。
だとしたら、ミドリンなどが効果を発揮する症例も多いかと思われ。
ただし、生活習慣を改善しなければ視力の悪化は防げないわけで、それが一番難しい。
仮性近視とミドリン
子供の視力が低下してきたとき、仮性近視かも知れない、ということでミドリンのような散瞳薬が処方されます。
仮性近視は偽近視とも呼ばれ、偽近視については様々な考え方があります。
・偽近視は存在し、治療すべきである。
・偽近視は存在するが、治療可能なものは稀である。
・偽近視を治療しても治療を中止すれば元に戻ってしまう。一時的に治すだけのために時間・手間・費用を掛けるのは無駄である。
偽近視が自覚されるほど遠視が弱まっていればいずれ本物の近視になるのは避けられないので、偽近視を治療しても意味がない。
「治療可能な偽近視という近視がある」ということを殊更に強調すると近視全般が治療可能であるかのような誤解を招き、効果不明の民間療法を利することになるので良くない。
偽近視はあるのが当然であり、「治療」するようなものではない。
偽近視は存在しない。
ミドリンを使ったら近視が治った、という話は聞いたことがありませんが。
ミドリンはいつまで処方され続けるのだろう。
まず、基本的にミドリンMによる過剰な調節を取る治療は、眼軸が伸びて固定された近視に対しては無力であり、調節緊張に伴う一過性の近視(俗に仮性近視と呼ばれるもの)を軽減させるのが目的です。ですから、3か月程度ミドリンM点眼を行ってそれでも近視の残存が確認されたならば、それを続けるのは近視を治すという意味では無意味であろうというおそらくは正しい議論が有ります。
清澤眼科医院通信2178 学童に対する近視の治療はどうすべきなのだろう
3か月程度続ける。
それが節度ある判断だと。
眼鏡を作るのにアトロピン点眼?
眼鏡を作るために、ミドリンとかアトロピン点眼を使うという話を聞く。
眼鏡を作るまでの検査
まずは子供の正確な屈折度数を測ります。しかし子供は特に近くを見たりするのにピントを合わせる、いわゆる「調節力」が強く、正確な度数を測るのは非常に困難です。そのため、アトロピンなどの強力な調整麻痺剤を5~7日かけて点眼し、目の調節力を完全に麻痺させ、正確な屈折度数を測ります。屈折度数は、オートレフラクトメーターと呼ばれる器械を使って測ります。お子さんに双眼鏡のようなレンズを覗いてもらい、中に浮かんでいる絵を見てもらっている間に、屈折度数を測ります。更に検影法ととばれる方法でも再チェックするところもあります。
んーと、老眼の逆みたいな感じかな。
子供は近くのものにピントを合わせる調節力が強い。
なので、正確な眼鏡を作るために、緊張を緩めて度数を測るってこと。
矯正用の眼鏡を作製するには眼の屈折率を正しく計測しなくてはならないが、子どもの場合は水晶体の厚みを調節する能力が高く、検査値が大幅に変動しやすい。
このため、一時的に眼の調節機能を麻痺させるアトロピン硫酸塩水和物を点眼してから屈折率の測定を行う。
アトロピンはアセチルコリンに対する競合的拮抗薬であり、副交感神経節後線維の興奮を遮断する作用を持つ。
点眼すると瞳孔括約筋の弛緩による散瞳、毛様体筋の弛緩による調節障害が出現する。
通常、1日1~2回、検査予定日の5~7日前から点眼する。
アトロピンの点眼中は物がぼやけて見えるようになったり、散瞳によりまぶしく感じるようにもなる。
このため、幼稚園や保育所に通っている子どもであれば園にも視力の状態を説明しておく必要があるだろう。
なお点眼の中止後、水晶体の調節機能が完全に元に戻るには7~10日間ほどかかる。
まれに、アトロピン点眼薬による全身性副作用である微熱や顔の紅潮が出現することがある。
予防のためには、点眼後はl~5分間目を閉じ、目頭の涙点を圧迫するとよい。
薬液が鼻涙管を伝わって咽喉に下りることを防ぐ。
子供の遠視と乱視
眼は、眼球に入った光が角膜、水晶体を経て屈折し、網膜上に焦点が合うことではっきりと見られるようになっている。
水晶体は毛様体筋の働きで厚みが変化し、近くの物を見るときは水晶体が厚くなって屈折率が強くなり、遠くを見るときは水晶体が薄くなって屈折率が弱くなる。
遠視とは、角膜や水晶体による屈折率が弱い、または眼球の眼軸長 (角膜から網膜までの距離)が短いといった理由で網膜よりも後方で焦点が合う状態をいう。
子どもの場合、眼軸長が短いために遠視となりやすいが、程度が強い場合は凸レンズの眼鏡を使った矯正が必要である。
幼児期の強い遠視を放置すると、視力の発達が障害されたり、調節性内斜視(遠視を調節しようとして目が中心に寄る)を引き起こすことがある。
一方、乱視とは角膜や水晶体の形状が球面状でないために垂直方向と水平方向で屈折率が異なり、網膜に一つの焦点を結ぶことができない状態をいう。
乱視の状態によって、眼鏡かコンタクトレンズで矯正する。
メガネをかけないと目が悪くなる?
子どもの場合、近視なのにメガネをかけないと、目を細めたりして無理に見ようとして疲れの原因になることもあり、メガネをかけたほうがいいです。
大人の場合には、かけなかったから悪くなるということはありません。
参考書籍:日経DIクイズベストセレクションBASIC篇
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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