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解熱剤は使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約6分14秒で読めます.
6,269 ビュー. カテゴリ:解熱剤は使わないほうがいい?
解熱剤は使わないほうがいい、とよく言われます。
発熱は生体防御反応であって、発熱によって風邪の原因ウイルスをやっつけているためです。
発熱は感染を引き起こした病原体の活性を抑制し免疫機能・白血球の殺菌能を高める。
熱を下げれば、風邪が治った、と思う親も多い。
高熱が出ると脳がやられると思っている人も。
解熱剤の使い過ぎはよくない。
あまり使わないほうがいい。
熱は下げないほうが良い?
熱は風邪のウイルスをやっつける防御反応なので下げないほうがいいと言います。
熱は高くていいと言われると、じゃあどうやって重症度を判断すれば良いのか?
体温よりも呼吸数が大事?
客観的に重症度を見る方法に、1分間の呼吸数というのがあります。
通常、成人で1分間の呼吸数は14~20くらいですが、これが30回以上になると重症の可能性があります。
子どもの場合、1~4歳で40回以上、2~12カ月の方は50回以上だと重症です。
熱が出たら汗をかかせる
熱があるときには布団をかぶせて部屋を暑くして汗をかかせたほうがいいと、昔のおばあちゃんは言っていました。
確かに最近では、解熱剤で熱を下げるより上げたままのほうがウイルスをやっつけるので治りが早いとは言われていますが、熱でぐったりしてるのにさらに熱を上げる必要はありません。
風邪の引き始めだと寒気を感じるので、熱を上げる手助けとして布団をかぶせて部屋を暑くしてもいいと思いますが、熱が十分上がった段階では必要ないでしょう。
解熱のメリット
体温のコントロールは、視床下部で行われる。
視床下部にある温度受容細胞が体温を感知し、通常は体温を36~37℃前後に維持している
感染により細菌やウイルスなどが体内に進入すると、まず、単球やマクロファージが刺激され、内因性発熱物質であるサイトカインが産生されるこれらが視床下部に作用し、プロスタグランジンを放出する。
プロスタグランジンは、視床下部の温度受容細胞に作用し体温調節の設定値を上昇させる。
その結果、温度受容細胞が「体温が設定値よりも低い」と判断し、種々の体温上昇機構を作動させ、発熱が起きるのである。
ちなみに、発熱時に悪寒やふるえが起きるのは、体からの熱損失を防ぎ、体温を上昇させるために、皮膚血管の収縮が起きた結果である。
こうした一連の発熱メカニズムの中で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの解熱鎮痛薬は、視床下部でのプロスタグランジン産生を抑制することで解熱作用を示す。
したがって、感染によって生じた発熱が体の防御機構であることを考えると、感染症罹患時に解熱薬などで熱を下げてしまうことは、適切な治療とは言えない。
とはいえ一方で体温が1℃上昇するごとにエネルギーの消耗が約13%増えるとも言われており、解熱には体力の消耗を防ぐメリットがある。
免疫力の維持や損傷を受けた組織の回復にはエネルギーが必要で、エネルギーの消耗・不足は他の感染症の合併にもつながる。
熱で脳がやられる?
昔の人は、高熱が出ると脳がやられると言っていましたがこれは迷信です。
40度以上の熱があっても脳はやられません。
熱を上げているのは脳自身です。ウイルスや細菌から体を守るために上げています。自分の命を危険にさらすほど体温を上昇させることはありません。
熱で脳はやられませんが、脳炎や髄膜炎で脳がやられることはあります。
脳炎や髄膜炎で熱が上がっていることはありますので、因果関係はではありませんが、相関関係はあります。
それと熱性痙攣や熱せん妄の様子をみると、脳がやられてるんじゃないか?と疑う気持ちもわかります。
熱性痙攣はてんかんに移行する?
何度も熱性痙攣を起こすとてんかんになるのか。
ほとんどの熱性痙攣は後遺症を残すことはありません。
しかし因果関係はわかりませんが、約3%位の子供がその後、てんかんになっていくと言われています。
基礎疾患がある場合は使ったほうがいい?
原則として基礎疾患のない小児には、解熱剤を使用すべきではありません。
しかし、過度の発熱による苦痛や体力の消耗、あるいは心肺に基礎疾患や脳疾患を持つ場合には、解熱剤の使用を検討する必要があります。
解熱剤を使いたい?
でも、使いたいときもある。
発熱により不快感、食思不振・睡眠不足のみならず基礎代謝の亢進による心血管系の負担の増強をきたすため、体力の消耗を抑えることを目的として解熱剤が使用される。
自分も39度近い熱が出たときは、解熱剤を使わずにはいられなかった。
かなり辛い。
子供も高熱が出たら、うなされる。
夜中にうなされていたら、心配で眠れない。
夜通しで看病できるような親なら、そうすればいい。
でも今は共働きの家庭も多い。
つまり、解熱剤は親が休むため、という目的で使われることがある。
子供のためではなく、親のため。
それがわかっていれば、解熱剤を使いながら風邪を治すのもいいかな。
何℃以上になったら使っていい?
お母さん方からよくある質問です。
具体的な数字を聞かないと使うのに困るようです。
熱が高くても本人の様子が元気そうなら使わないほうがいいのですが、とにかく熱を下げれば風邪が治るかのように考えるお母さんも多いです。
医師からは38~39度あたりのさじ加減で言われることが多いでしょう。
しかし、ウチの子が39度熱があったときもそこそこ元気そうでしたし、数字だけではなかなか判断つきません。
呼吸が荒いようなときは使って体力回復したほうがいいでしょう。
食事も受け付けないようなときは、のどが痛いのかも知れません。解熱剤は痛み止めとしても働くので、使ってから食事させるのも効果的です。
どんなに説明しても、具体的な数字を求められるときは「38.5度」と言うようにしています。
発熱の定義
「熱がある」と言われたときに、どのくらいの体温を思い浮かべるだろうか?
37℃?38℃?
「熱がなかったら0℃じゃん。死ぬよ。」という小学生的な回答は無しにして、熱があると聞いたら、大抵37℃以上を想定する。
感染症法には、「発熱」と「高熱」が定義されており、以下のように記載されている。
本基準において、「発熱」とは体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、「高熱」とは体温が38.0℃以上を呈した状態をいう。
一般的に、午前中より午後に熱が高くなり、教科書的には、臨床的に有意な熱とは、午前中で37.3℃以上、午後で37.8℃以上とされます。
つまり、37℃台前半は発熱ではない。
しかし、この定義を満たさなくても有意な(実際に疾患のある)熱のことはあり、注意が必要ではあるという。
特に高齢者はこの定義の限りではありません。普段の平熱が低くて36℃台でもつらいという患者はいます。
特にそのような患者さんにとって有意と感じる熱に、「寝汗」を伴っているかどうかを聞きましょう。その場合は何かある可能性がありますので、医療機関を受診してもらうといいでしょう。
平熱が低い子供
小児科医の多くは37.5度以上を発熱と考えていますが、もともと平熱が低い子供の場合は、平熱より1℃以上高ければ発熱と考えています。
38.5℃以上の発熱が続き、「不機嫌」、「水分や食事の摂取不良」、「不眠」などの症状を認める際には解熱剤の使用を考慮し、熱性けいれんの既往があれば38℃以上で解熱剤が用いられているようです。
トカゲに解熱剤と使うと死ぬ?
トカゲは変温動物で、環境に合わせて体温が変わる性質があります。
病原菌を注射したトカゲに解熱剤を投与したところ、半分は死んでしまったそうです。
解熱剤を投与しなかったトカゲはほとんど死ななかったそうです。
ほかの動物でも解熱剤を投与したほうが死亡率が高かったそうな。
解熱剤を使うタイミング
最近では、風邪に解熱剤を使わないほうがいい、という情報が浸透してきて安易に解熱剤を使わない傾向があります。
医師から「熱を下げないほうがいい」といったニュアンスのことを言われて、使うタイミングに困る患者さんが多いです。
自分に使う場合はいいのですが、子どもに使う場合は、使ったほうがいいのかどうか、判断に迷います。
子どもの場合、高熱でも元気そうにしてる場合もあります。
体温が40℃以上で意識が朦朧としてきます。
体温が42℃以上に上がるとたんぱく質が凝固するので危険だと言います。
しかし、そこまで上がることはほとんどない。
私は、解熱剤を使うのは子供本人のため、というより母親のために使うのが良いかと思います。
深夜に高熱でうなされていると母親が心配で眠れません。
なので、解熱剤で熱を下げて母親にゆっくり休んでもらうという使い方。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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