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ビタミンCは摂り過ぎても大丈夫?
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約3分44秒で読めます.
2,649 ビュー. カテゴリ:水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは摂りすぎてもおしっこから出てくから安全じゃないの?
水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンで、ビタミンBとCがあります。
脂溶性ビタミンは水に溶けにくく油に溶けやすいビタミンで、ビタミンA、D、K、Eがあります。
ビタミンCは水溶性ビタミンで、多く摂取しすぎても、尿といっしょに出ていくので心配ない、と思っていました。
水に溶かしてマウスに与えるビタミンCを最適値より増やしていく実験で、脳などの神経細胞の機能障害が徐々に増加したという報告があります。
ビタミンCの許容上限摂取量は2000mg/日とされており、これを超えない量であれば安全だと考えられています。
許容上限摂取量を超えて摂取すると、下痢・吐き気・腹痛などの胃腸の不調を引き起こすことがあります。
ビタミンCは過剰に摂取しても問題ない?
ビタミンCは広い摂取範囲で安全と考えられ、3~4g/日を摂取した時に浸透圧性下痢を起こします。
ただし、ビタミンCの体外排泄がうまくいかない腎臓障害の人では、別の有害事象を起こす可能性があります。
例えば、腎機能障害の人が、数g/日のビタミンCを継続摂取した条件では、腎シュウ酸結石のリスクが高まります。
両側腎摘により腎臓移植を受けた人が、自己判断で大量のビタミンC(2g/日)を摂取していたため、続発性シュウ酸症を起こしたという報告もあります。
鉄過剰症、ヘモクロマトーシス(血色素症)、サラセミア(地中海貧血)、鉄芽球性貧血の場合に、サプリメントとしてビタミンCを摂取すると、症状が悪化する恐れがあります。
何らかの疾患を持っている人は安全と言われるビタミンCでも、自己判断でサプリメントを摂取しないことが安心・安全です。
ビタミンCは過剰に摂取しても余剰分は体外に排泄されるため、サプリメントとして1g/日以上の量で摂取することは推奨されていません。
したがって、ビタミンCは野菜や果物から摂取することを基本とし、加工食品の栄養表示値をチェックして、サプリメントから摂取する際には総摂取量が1g/日以上とはならないようにすることが妥当です。
過剰なビタミンCは尿から出る?
体内ビタミンCレベルは、消化管からの吸収率、体内における再利用、腎臓からの未変化体の排泄によって調節されています。
体内ビタミンCプールを反映する白血球ビタミンC濃度は、摂取量が100mg/日で、また血漿濃度は摂取量がおよそ400mg/日で飽和します。
体内への吸収率は200mg/日程度までは90%と高いのですが、1g/日以上になると50%以下となります。
つまり、サプリメントから1000mg以上の量を摂取しても、ほとんどが尿中に排泄されてしまうのです。
ビタミンC不足と壊血病
ビタミンCが不足すると壊血病を起こしますが、毎日6~12mg程度を摂取していれば壊血病は発症しません。
そこで、昔のビタミンCの推奨摂取量は、ある程度摂取しない日が続いても不足状態とはならない50~60mg/日に設定されていました。
一方で最近の研究から、心臓血管系の疾病発症に生体成分の酸化損傷が関連し、ビタミンCがその酸化損傷を防御していることが明らかにされてきました。
この心臓血管系の疾病予防を視点として、現在のビタミンCの推奨摂取量100mg/日が設定されています。
ビタミンCは体内でほとんどが還元型のアスコルビン酸として存在し、多くの酵素の補助因子として作用しています。
代表的な欠乏症である壊血病は、コラーゲンを合成する際の酵素の補助因子となっているアスコルビン酸が不足することによりコラーゲン繊維の構築不全が起こり、それによって毛細血管壁が脆弱となり、歯肉、皮下、粘膜からの出血を起こします。
ビタミンCは、そのほかにも骨の形成やカテコールアミンの生成に関与しています。
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