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ビタミンやミネラルと医薬品の相互作用
公開. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約1分1秒で読めます.
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ビタミンと医薬品の相互作用
ビタミンやミネラルと相互作用を起こす医薬品がある。
ビタミンやミネラルは、食品、サプリメントなどの形で医薬品との飲み合わせを意識せずに摂取している可能性もあるため、患者への注意喚起が必要である。
まず、ビタミンと相互作用を引き起こす恐れのある医薬品を以下に挙げる。
医薬品名 | 相互作用のあるビタミン |
---|---|
ミノマイシン | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤(ビタミンA、レチノールパルミチン酸エステル、エトレチナート、トレチノイン 臨床症状・措置方法:頭蓋内圧上昇があらわれることがある。 機序・危険因子:本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧上昇を起こすことがある。 |
ベサノイド | 併用禁忌(併用しないこと) 薬剤名等:ビタミンA製剤 (チョコラA等) 臨床症状・措置方法:ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。 機序・危険因子:本剤はビタミンAの活性代謝物である。 |
チガソン | 併用禁忌(併用しないこと) 薬剤名等:ビタミンA製剤(チョコラA等) 臨床症状・措置方法:ビタミンAの正常血中濃度には影響を及ぼさないが、ビタミンA過剰症と類似した副作用症状があらわれることがある。 機序・危険因子:本剤はビタミンA様作用を示すため、ビタミンA様作用が増強される。 |
ダイアモックス | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:ビタミンCの大量投与 臨床症状・措置方法 腎・尿路結石が起こりやすい。 機序・危険因子 大量のビタミンC服用後は、その代謝物である蓚酸の尿中排泄が増加し、カルシウム析出を助長して腎・尿路結石が発生しやすくなると考えられる。 |
ジゴシン、ラニラピッドなどジゴキシン製剤 | 薬剤名等:ビタミンD製剤(カルシトリオール 等) 臨床症状・措置方法:本剤の作用を増強することがある。 ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。 措置方法:「過量投与」の項参照 機序・危険因子:ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
添付文書に記載されていない相互作用として、
ワーファリン⇔ビタミンA、ビタミンE
フェニトイン⇔ビタミンB6
レボドパ⇔ビタミンB6
エストロゲン⇔ビタミンC
アスピリン⇔ビタミンE
フェニトイン⇔葉酸
葉酸代謝拮抗薬(リウマトレックス)⇔葉酸
5-FU⇔葉酸
スタチン系薬⇔ナイアシン
などもある。
医薬品はもちろん重要であるが、ビタミンやミネラルなどの栄養も重要なので、摂取しないわけにはいかない。どの程度摂取を控えるべきかという点も悩みどころではある。
過剰摂取を行わないように注意させたい。
ミネラルと医薬品の相互作用
ミネラル類と医薬品の相互作用については、キレート結合をするものもあり、添付文書上に記載されているものも比較的目につく。
ミネラルと相互作用を引き起こす恐れのある医薬品を以下に挙げる。
医薬品名 | 相互作用のあるミネラル |
---|---|
ミノマイシンなどテトラサイクリン系抗菌薬 | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤 臨床症状・措置方法:本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがある。 両剤の服用間隔を2〜4時間とすること。 機序・危険因子:本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害する。 |
タリビッド、クラビットなどニューキノロン系抗菌薬 | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤 臨床症状・措置方法:本剤の効果が減弱されるおそれがある。これらの薬剤は本剤投与1〜2時間後に投与する。 機序・危険因子:これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている。 |
ジゴシン、ラビラピッドなどジギタリス製剤 | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:カルシウム経口剤、カルシウム含有製剤、高カロリー輸液 等 臨床症状・措置方法:本剤の作用を増強することがある。 ジギタリス中毒の症状(嘔気、嘔吐、不整脈等)があらわれることがある。消化器・神経系自覚症状、心電図、血中濃度測定等必要に応じ観察するとともに腎機能、血清電解質(カリウム、マグネシウム、カルシウム)、甲状腺機能等の誘因に注意すること。 機序・危険因子 これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられている。 |
アルファロール、ロカルトロールなど活性化ビタミンD3製剤 | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:カルシウム製剤(乳酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム等) 臨床症状・措置方法:高カルシウム血症があらわれるおそれがある。 機序・危険因子:本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。 |
チラーヂンS | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:コレスチラミン,コレスチミド,鉄剤,アルミニウム含有制酸剤,炭酸カルシウム,炭酸ランタン水和物,セベラマー塩酸塩,ポリスチレンスルホン酸カルシウム,ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 臨床症状・措置方法:同時投与により本剤の吸収が遅延又は減少することがあるので,併用する場合には本剤との投与間隔をできる限りあけるなど慎重に投与すること. 機序・危険因子:消化管内で本剤と結合し吸収を抑制すると考えられている. |
タンニン酸アルブミン | 併用禁忌(併用しないこと) 薬剤名等:経口鉄剤(フェロミア,フェロ・グラデュメット,インクレミンシロップ,フェルムカプセル) 臨床症状・措置方法:併用により相互に作用が減弱することがあるので,併用をしないこと。 機序・危険因子:鉄と結合し,タンニン酸鉄となり,タンニン酸による収れん作用が減弱する。 |
アルドメット | 薬剤名等:鉄剤(硫酸鉄) 臨床症状・措置方法:本剤の降圧作用が減弱されることがある。 機序・危険因子:本剤の消化管からの吸収が阻害されることがある。 |
セフゾン | 併用注意(併用に注意すること) 薬剤名等:鉄剤 臨床症状・措置方法:本剤の吸収を約10分の1まで阻害するので、併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する。 機序・危険因子:腸管内において鉄イオンとほとんど吸収されない錯体を形成する。 |
ミネラルとしては、医薬品として特に酸化マグネシウムや鉄剤を服用している患者は多いので、注意する必要がある。
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