2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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透析患者に禁忌のサプリメント

透析患者に禁忌のサプリメント

透析患者に禁忌の医薬品などは添付文書などで確認し注意をしますが、食品や健康食品などについては摂取量などにもよるので「医師に確認を」と逃げの姿勢になりがち。

食品なら「少しぐらい大丈夫だろう」と思いがちですが、透析患者が服用すると危険なサプリメントもあるので知っておきましょう。

透析患者が摂取すべきでないサプリメントとして、青汁、ビタミンA、高用量ビタミンC、高用量ビタミンEなどがあります。

ケールの青汁は危険です。血液透析患者の場合、推奨されている1日のカリウム摂取量は1500~2000㎎です。バナナ1本で約390㎎、サツマイモ1本で約450㎎のカリウムを含有しています。

血液透析患者がケールの青汁の1日推奨量を摂取すると、カリウムが約1500㎎含まれているため、命に係わる重篤な高カリウム血症を起こす可能性が考えられます。
青汁はカリウム以外にもリン、ビタミンAを多く含むことにも留意する必要があります。

透析患者ではビタミンAの濃度が高くなっていて、これを過剰に摂取すると皮膚乾燥、ドライアイ、脱毛、頭痛、悪心・嘔吐、高カルシウム血症などのビタミンA中毒の症状が起こりやすくなるため、摂取すべきではありません。

ビタミンCは透析患者では、不足あるいは欠乏していますが、大量のビタミンCを摂取すると、かえって心臓や血管を傷害させてしまう可能性があります。さらに、ビタミンCが代謝されることによって生じるシュウ酸が蓄積し、種々の臓器に沈着して、心筋梗塞、筋力低下などを起こすことが知られています。

ビタミンEは動脈硬化を防ぐことが知られていますが、一方で1日200㎎より多く摂取すると死亡率が高くなるということが報告されています。透析患者では、ビタミンEが不足することはほとんどなく、逆に体内への蓄積されるため、服用に当たっては決して過量に摂取しないように注意する必要があります。

透析患者に禁忌の生薬?

アリストロキア酸はアリストロキア属の植物に含有される成分で、腎障害を引き起こすことが知られ ている。

日本においては、現在、アリストロキア酸を含有する生薬及び漢方製剤は医薬品として承認許可を受けたものとしては製造・輸入されていないが、アリストロキア酸を含む漢方薬の個人使用と疑われる腎障害が報告されている。

アリストロキア酸を含有する広防已という生薬が誤って漢防已として国内に輸入されて流通し,日本薬局方ボウイとして用いられ,アリストロキア腎症を発症したと思われる事例が報告された。
これらの生薬は形態が類似し,かつ,呼称も類似していることが,取り違えを起こしやすい原因の一つと考えられる。したがって,国内で承認された医薬品(生薬及び漢方製剤)では問題とならないものの,渡航先での購入やネット販売による個人輸入の際に,アリストロキア酸の含有が疑われる生薬を用いた製剤を購入して服用する可能性がある

日本薬局方に適合する生薬が使用されていれば問題は生じないが、生薬の呼称は国により異なる場合があり、取扱いについては注意を要する。

ツムラなど有名どころの漢方薬であれば問題は無いのかも知れないが、メーカー不詳の漢方薬はリスクが高い。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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