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冷所保存しなくていい坐薬
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約2分44秒で読めます.
31,323 ビュー. カテゴリ:坐薬は室温で溶ける?
坐薬は冷蔵庫に保管していることが多い。
そのため、坐薬の処方が出たら、まず冷蔵庫に向かうが、「あれ?ない」ということもしばしば。
冷蔵庫に保管しなくてもよい坐薬もある。
アンヒバ、ボルタレンサポ、インテバン、ユニプロン、アニスーマは冷所保存だが、ダイアップ、ナウゼリン坐剤、テレミンソフト、ボラザG、エポセリン、サラゾピリンなどは室温保存でよい。
坐薬には、体温で溶けるタイプと体液で溶けるタイプがある。
体温で溶ける坐薬は融点が体温よりも低い30℃前後の油脂性基剤で作られています。
そのため、冷蔵庫で保管する必要がある。
体液で溶ける坐薬は融点が50℃前後の水溶性基剤で作られているため室温保存が可能。
しかし、水溶性基剤のタイプでも高温を避ける必要はあり、室温保存と記載されていても、「高温を避けて」とか「30℃以下」とか記載されているものも多いので、冷蔵庫に保管した方が無難ではある。
基剤の種類 | 一般名(商品名) | |
---|---|---|
油脂性基剤(体温で溶けるため冷蔵庫で保存) | グリセリン脂肪酸エステル | ジクロフェナクナトリウム(ボルタレンサポ) |
ハードファット | モルヒネ塩酸塩水和物(アンペック) | |
セフチゾキシムナトリウム(エポセリン) | ||
ジフルコルトロン吉草酸エステル・リドカイン(ネリプロクト) | ||
アセトアミノフェン(アンヒバ、アルピニー、カロナール) | ||
フェノバルビタールナトリウム(ルピアール、ワコビタール) | ||
ヒドロコルチゾン・フラジオマイシン・ジブカイン・エスクロシド(プロクトセディル) | ||
水溶性基剤(体温で溶けず、体液で溶けるので、室温での保存が可能) | マクロゴール | ジアゼパム(ダイアップ) |
ドンペリドン(ナウゼリン) | ||
ソフトゼラチン | 抱水クロラール(エスクレ) |
冷凍庫に保管しちゃダメ?
ナウゼリン坐剤の保管は室温で可能であるが、冷蔵庫で保管しても薬効の減弱などはない。
ただし冷凍保存に関しては、主薬の安定性上は問題ないものの、使用時、室温に戻した際に、変形や割れなどを生じる恐れがあるため控えた方がいい。
アセトアミノフェン坐剤は室温保存でいい?
アンヒバ坐剤の貯法は「冷暗所保存」となっている。
そのため冷蔵庫に保管されている。
同じアセトアミノフェン坐剤のアルピニー坐剤の添付文書をみると、
「貯法:直射日光をさけ、30℃以下で保管すること。」
となっていることに初めて気づいた。
アルピニー坐剤は室温保存で良いらしい。
カロナール坐剤も冷所保存となっていたが、他のアセトアミノフェン坐剤は室温保存が多かった。
なぜだ?
同じアセトアミノフェン製剤なのに。
添加物の違いか?と思いきや同じハードファット。
アセトアミノフェン坐剤の主な基剤はハードファット(半合成油脂性基剤)であり、溶融点は35℃前後とされている。
アンヒバも室温保存で良さそうだ。
ちなみにOTCの「こどもパブロン坐薬」も「直射日光の当たらない湿気の少ない30℃以下の涼しい所に保管してください。」となっており、普通に冷蔵庫ではなく、店頭に並んでおります。
しかし、エアコンが故障したときなどは30℃を超えることがあるので要注意です。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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