記事
坐薬のほうが早く効く?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約2分12秒で読めます.
4,543 ビュー. カテゴリ:坐薬の効果発現時間
飲み薬より坐薬のほうが速く効きそうだけど?
「飲み薬より坐薬のほうが早く効くんでしょ?」
と、よく言われます。
飲み薬は、消化管から吸収された後、肝臓で代謝を受け、血流で全身に行き渡ります。
坐薬は、直腸粘膜下の血管から吸収されて全身に行き渡るので、肝臓を経由しない分、坐薬の方が早く効きます。
しかし、ナウゼリンドライシロップの最高血中濃度到達時間は30分、ナウゼリン坐剤は2時間・・・坐薬のほうが吸収が遅いです。
一概に、坐薬のほうが早く効く、とは言えません。
痛みどめの坐薬
坐薬と飲み薬を比べると、坐薬のほうが早く効く、と思っている人が多いでしょう。
坐薬の中にも効くまでに時間のかかる坐薬があります。
ジクロフェナクナトリウム坐剤は体内に速やかに吸収され、短時間で最高血中濃度に到達し半減期は約2時間です。
インドメタシン坐剤の吸収は緩やかで、半減期は約10時間です。
前者の基材は脂溶性のグリセリン脂肪酸エステルで、後者の基材は水溶性のポリエチレングリコールであることから、このような体内動態の違いが生じます。
このため、ジクロフェナクナトリウム坐剤は即効性を期待する場合に用いられ、インドメタシン坐剤は起床時の痛みを抑える目的で就寝前に投与されることが多いです。
坐薬を入れた後にウンチをしてしまい、坐薬が出てきてしまったらどうしましょう。
薬によって対応も異なるかとは思いますが、問題はどれくらい吸収されているか、です。
原型をとどめていれば、ほとんど吸収されていないでしょう。
形が崩れていれば、ある程度吸収されたのでは。
あとは時間。入れてから10分以上たっていればある程度吸収されているでしょう。
アンヒバは効果発現も速やか、投与後30分以内に体温低下が観察されます。解熱目的であれば、30分程度様子を見て、必要なら再挿入してもいいかと。
ダイアップは有効血中濃度に達するのには15~30分なので、入れてから30分以内に坐薬が出てしまった場合は再挿入してもいいでしょう。効いてるかどうかを判断するのは難しいので、微妙なときは再挿入はしないほうがいいかも。
坐薬は静注に比べてCmaxがはるかに低く、呼吸抑制などの副作用を過度に恐れる必要は無い、とのこと。
ナウゼリンのTmaxは2時間で、飲み薬よりも遅いです。
有効血中濃度に達する時間は約1時間。1時間以内に基剤がわかる状態で排出された場合には再挿入を考えます。
入れた坐薬が出てきたら
坐薬の挿入時によくあるトラブルの一つが、「入れた坐薬が出てしまう」ことである。
坐薬を入れてから、すぐに出てしまった場合、坐薬の形がしっかりしているようなら、出てきたものをそのまま入れるか、新しいものを再挿入するよう伝える。
一方、体内で坐薬が溶け始め、形が崩れて出てきたような場合は、既に薬の吸収が始まっていると考えてよい。
過量投与を避けるため、しばらく様子を見て、症状が治まらなければ再度挿入するよう説明する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
1 件のコメント
なぜナウゼリン坐薬よりナウゼリン錠内服のほうが早く効くのでしょうか?