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レグナイトとガバペンの違いは?
公開. 更新. 投稿者:睡眠障害.この記事は約5分17秒で読めます.
5,646 ビュー. カテゴリ:レグナイト=ガバペン
2012年1月に新規RLS治療薬であるレグナイト(ガバペンチンエナカルビル)が承認された。
従来のRLS治療薬であるドパミンアゴニストと比べ、長期連用によるaugmentationが少なく、不眠の改善、疼痛を緩和させる作用がある。
レグナイト(ガバペンチンエナカルビル)は世界各国で既に抗てんかん薬として使用されているガバペン(ガバペンチン)の薬物動態的欠点、すなわち上部消化管での吸収が高用量投与時に飽和しやすく用量依存的な血中濃度の上昇が得にくい、トランスポーター発現の個人差が大きい、半減期が短いために頻回投与を要する点を改良した透過改善型のプロドラックである。
レグナイト(ガバペンチンエナカルビル)は小腸および大腸の全域に存在するモノカルボン酸トランスポーター1 型(MCT-1)、およびナトリウム依存性マルチビタミントランスポーター(SMVT)を介して吸収され、速やかに活性代謝物のガバペンチンに加水分解される。
MCT-1は高容量輸送能を持つため、吸収される過程で飽和が生じにくい。
また、用量依存性に血中濃度が上昇する。
γ‐アミノ酪酸(GABA)誘導体であるガバペンチンは従来の抗てんかん薬のように電位依存性ナトリウムチャネルやグルタミン酸受容体には結合せず、次の2つの作用機序が推測されている。
1つ目は、興奮性神経終末に存在する電位依存性カルシウムチャンネルα2σサブユニットに結合することでカルシウムの流入を阻害し、ノルアドレナリン、ドパミン、グルタミン酸などの興奮性の神経伝達物質の遊離を抑制し、シグナル伝達の過剰な興奮を改善する。
2つ目は、ガバペンチンがGABAトランスポーターを活性化し、GABAの細胞内への取り込みを促進、GABA神経を充進させることでシナプス伝達に抑制性に作用する。
薬物動態については、レグナイト(ガバペンチンエナカルビル)は食事の影響を受け、1200mgの食後投与時のCmax、AUCは空腹時より高く、徐放製剤であり食後服用後5~7時間に血中濃度が最高値に達するため、夕食後投与が望ましい。
アステラス製薬(東京都中央区)は18日、レストレスレッグス症候群治療剤「レグナイト」に関し、効能・効果「中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)」で、日本における製造販売承認を取得したと発表した。
「レグナイト」は米国ゼノポート社(カリフォルニア州サンタクララ.)が創薬した1日1回経口投与のレストレスレッグス症候群治療剤。抗てんかん薬「ガバペンチン」の新規プロドラッグであり、消化管全体に存在する高容量輸送体から吸収され、生体内で直ちにガバペンチンに変換されるように設計されている。日本と米国で実施された臨床試験では、ベースラインと最終観察時点での国際レストレスレッグス症候群評価尺度によるスコア変化で有効性が確認されたもの。アステラスは1,000万ドルでゼノポート社から同剤の日本およびアジアにおける独占的開発・販売権を取得した。約210万人とも言われる、国内のレストレスレッグス症候群患者にとって朗報となろう。アステラス製薬がレストレスレッグス症候群治療薬「レグナイト」の製造販売承認を取得 医療人材ニュース
レグナイトは、抗てんかん薬であるガバペンチン(ガバペン) のプロドラッグ製剤であり、ガバペンチンのトランスポーターとは異なるトランスポーターから吸収される。
このため吸収性に個人差が出にくく、用量依存的に血中濃度が高まる。また、徐放化製剤であり、1日1回夕食後に服用することで、症状が出やすい夜間の血中濃
度維持を狙う用法となっている。
ガバペンチンエナカルビルは体内でガバペンチンに変換され、神経終末における電位依存性カルシウムチャネルのα26σサブユニットに結合しカルシウムイオンの流入を抑制し、興奮性神経伝達物質の遊離を抑制する。
また、抑制性神経であるγアミノ酪酸(GABA)神経の亢進作用も有し、これらにより症状を抑えると考えられている。
適応がむずむず脚症候群のみである点で、ガバペンとは異なる。
副作用として、浮動性めまいや傾眠などの神経症状、体重増加に注意が必要である。
レストレスレッグス症候群と聞くと、あんまり聞いたこと無い病名ですが、有病率2~5%となるとかなり患者数は多い。
レグナイト|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
年配の女性に多いって、更年期の症状みたいな気もするけど。
統合失調症とか、うつ病とか、パニック障害に合併しやすいとか。
アカシジアとの鑑別も難しいとか。
レグナイトはガバペンのプロドラッグで、ガバペンが1日3回の用法ですが、レグナイトは1日1回でOK。
レグナイトとガバペンの違い
•プロドラッグ化により腸全体で吸収されるため、ガバペンで見られた吸収の飽和が見られない(ガバペンは小腸上部に局在するトランスポーターで吸収される)。
→投与量に比例して血中濃度が上昇する
•徐放化により1日1回投与で良い。
•適応症が異なる
レグナイト:レストレスレッグス症候群
ガバペン:てんかん部分発作(他剤と併用)レグナイト錠300mg 新規レストレスレッグス症候群治療薬 薬局薬剤師 薬の説明
ガバペンチンは、薬物吸収トランスポーターの飽和による臨床用量付近での吸収飽和が認められ、個体によっては投与量を増加しても期待する臨床効果が得られないという難点が明らかにされていた。
レグナイトは、消化管内で安定であり、かつ消化管全体に存在する高容量輸送系から能動的に吸収され、生体内で直ちに加水分解を受け、ガバペンチンに変換されること及び用量依存的に曝露量が増えることが確認された。
むずむず脚症候群に使われる薬
薬効分類 | 医薬品 |
---|---|
ドパミンアゴニスト | プラミペキソール(0.125~0.75mg/日) |
ロピニロー儿(0.25~4mg/日) | |
タリペキソール(0.4~0.8mg/日) | |
カベルゴリン(0.5~2mg/日) | |
レボドパ・ドバ脱炭酸酵素阻害薬配合剤 | (100~200mg/日) |
ベンゾジアゼピン系薬 | クロナゼパム(0.5~ 2mg/ 日) |
抗てんかん薬 | ガバペンチン(800 ~ 1800mg/日) |
オピオイド | |
鉄剤 |
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は、不快な症状や異常な感覚が主に下肢に出現し、脚を動かしたいという強い欲求に駆られる神経系の疾患である。
脚の表面ではなく深部に症状が表れるのが特徴とされる。
日本人の有病率は1~4%程度で、男性よりも女性に多い傾向がある。
疾患の原因は明確ではないが、ドパミンアゴニストにより症状が改善することが多く、ドパミン神経系の機能低下との関連性が考えられている。
また、鉄欠乏や腎不全、関節リウマチなどとの関係や、抗精神病薬など薬剤の影響なども指摘されている。
むずむず脚症候群を有する患者は、不眠を生じやすく、日常生活に支障が出るほか、自律神経の活性化に伴う高血圧などのリスク因子にもなる。
リリカがむずむず脚に効く?
ガバペンと似た構造のリリカも、レストレスレッグス症候群(RLS)、いわゆるむずむず脚症候群に効くと言われてる。
むずむず脚には一般に抗パーキンソン病薬や抗てんかん薬などが用いられるが、プレガバリンは痛みを除去する薬剤であり、抗パーキンソン病薬などよりもRLSの症状を抑える力が強いと考えられる。
透析患者にもむずむず脚がよく見られるが、リリカは腎排泄であり用量設定に注意が必要。
プレガバリンは添付文書上、クレアチニンクリアランスが15mL/min未満の患者には1日1回25mgから開始、最高投与量は1日1回25mgから開始、最高投与量は1日1回75mgである。
また、プレガバリンは血液透析で除去されるため、透析後に補充を行うよう記されている。
参考書籍:クレデンシャル2013.8
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
自身が病院へ行き診断されたのは30代ですが、夜中に脚が腐ったようなおぞましい感覚になって寝付けない症状に気づいたのは10代からでした。
その頃は今ほどネットも普及しておらず、運動不足もありむくみとかで気持ち悪いんだと思っていて、まさか他の人にはない感覚だとは思っていませんでした。
今は便利ですよね。検索すれば出てくるので。
その中で変に思いつきのように書かれると間違った情報として広まるのは嫌なので書き込みさせていただきました。
妊娠時に一時的に症状が出るということもありますが”更年期の症状な気もするけど”というのは違うと思います。
参考にされた?ブログも情報としてはかなり古いですよね?(2012年)
以上。