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ベルソムラを二次性不眠症に使っちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:睡眠障害.この記事は約2分55秒で読めます.
2,880 ビュー. カテゴリ:二次性不眠症にベルソムラはダメ?
ベルソムラの添付文書の「効能又は効果に関連する使用上の注意」には、
「二次性不眠症に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。」と書かれている。
この文言は、ベルソムラを二次性不眠症に使ってはいけない、ということなのか。
不眠症のほとんどは二次性という気もするが。
二次性不眠症は、身体的・精神的疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、糖尿病、レストレスレッグス症候群、うつ病など)、医薬品の副作用(β遮断薬での不眠や悪夢、テオフィリンでの不眠、インターフェロン製剤での不眠やうつなど)、アルコールやカフェインの摂取など、不眠を引き起こしている何らかの原因があるものをいう。
明らかな原因がある場合は、その原因を取り除くように努めるのが第一に行うべきことであるが、原因を完全に取り除くのは難しいことが多く、睡眠薬が処方されているケースもよくみかける。
スボレキサントの場合、臨床試験において二次性不眠症に使用した経験がなく、有効性や安全性についての検討も行われていないことから、現段階では添付文書のような記載となっている。
新しい作用機序をもつ薬剤であることから、原則として原発性(一次性)の不眠症への使用にとどめたほうがよいといえる。
症例を重ねることで本剤に対する理解が深まり、評価もある程度定まってから、二次性不眠症へとその使用を広げていくべきである。
参考書籍:調剤と情報2015.4
不眠症
不眠症は睡眠障害の代表的な病態であり、「適切な睡眠環境下において、睡眠の質や維持に関する訴えがあり、これに基づいて日中の機能障害が認められる」と定義されている。
不眠を訴える人は多く、わが国における成人の20~25%が睡眠に何らかの問題を抱えている。
特に60歳以上の高齢者では約30%に不眠の訴えがある。
不眠症の原因には、臨床症状として、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒および熟眠障害の4つのタイプがあり、その持続期間によって一過性不眠(数日間)、短期不眠(1~3週間)および長期不眠(1か月以上)に大別される。
治療に当たっては病態の正確な把握と診断に基づき、非薬物治療(睡眠衛生指導、高照度療法、認知行動療法など)と薬物治療を組み合わせて行う必要がある。
入眠障害:就寝後、入眠するまでの時間が延長して、寝つきが悪くなる状態。
中途覚醒:いったん入眠後、翌朝起床するまでの間に何度も目が覚める状態。
早朝覚醒:本人が望む時刻、あるいは通常の起床時刻の2時間以上前に覚醒してしまい、その後、再入眠できない状態。
熟眠障害:睡眠時間は十分であるにもかかわらず深く眠った感覚が得られない状態。
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