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抗セロトニン薬が片頭痛に効くのはなぜ?
公開. 更新. 投稿者:頭痛/片頭痛.この記事は約2分2秒で読めます.
1,659 ビュー. カテゴリ:セロトニン仮説
セロトニンと片頭痛の関係は?
片頭痛の第一選択薬はトリプタン系薬である。
トリプタン系薬とは5-HT1B/1D受容体作動薬のことです。セロトニン作用を増強する薬です。
それに対し、片頭痛治療薬の一つ、ミグリステン(一般名ジメトチアジン)は抗セロトニン薬です。セロトニンの働きに拮抗します。逆の働きをする薬がなぜ同じ片頭痛に効くのだろうか?
ミグリステンの作用機序は以下のように書かれている。
機序は明確ではないが、以下の片頭痛発現仮説に基づいてセロトニン拮抗薬が用いられる。
片頭痛患者では血小板の異常があり、血小板がセロトニンを異常放出して頭蓋血管が収縮し、前駆症状があらわれる。次いでセロトニンが代謝されて血中セロトニンは減少し、血管が反跳性に拡張し片頭痛発作が起こる。一方、一過性に増加したセロトニンは血管の透過性を高めプラズマキニンやプロスタグランジンE2、I2を産生し、この両者は互いにその作用を増強し、血管及び血管周囲炎、血管拡張、発痛発作を引き起こす。
セロトニンが異常放出されたあと、血管が収縮→その後、セロトニン減少し、血管が反跳性に拡張し片頭痛発作が起こる。
このため、セロトニン作動薬であるトリプタン系薬が効果を発揮する。
セロトニンの異常放出により一過性に増加したセロトニンが血管の透過性を高め、プロスタグランジン等を産生→血管拡張し頭痛発作が起きる。
このため、抗セロトニン薬であるミグリステンが効果を発揮する。
トリプタン系薬は5-HT1B/1D受容体に選択的に働くが、ミグリステンがどのサブタイプにどの程度働くのかよくわかっていないので、抗セロトニン薬といっても幅広い作用を有するのかも知れない。
三叉神経とCGRP
片頭痛の原因仮説として、三叉神経血管仮説が最も有力である。
ストレスなどの刺激によって三叉神経が興奮し、神経伝達物質が放出されることで血管が拡張し、片頭痛が起こるとされている。
ストレス→セロトニン分泌→セロトニン枯渇→三叉神経興奮→CGRP放出→血管拡張→片頭痛
ストレスが続くことによりセロトニンが減少すると、セロトニンによりコントロールされていた三叉神経がコントロールから解き放たれ興奮し始める。興奮した三叉神経は脳血管に向けてCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)を放出し、脳血管を拡張させるとともに脳血管周囲に炎症を起こす。
5-HT1B/1D受容体作動薬の作用機序は、頭蓋内血管平滑筋に存在する5- HT1B 受容体に作用し、拡張した血管を収縮させ、同時に三叉神経終末の5-HT1D受容体に作用し、終末からのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin generelated peptide:CGRP)の放出を抑制することで片頭痛発作をやわらげる。
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